転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波

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5章 高等部~そして卒業まで

5-2 心構えは必要だからこそ、時間があるのは幸いか

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‥‥‥まさかまさかの、辺境伯への道が確定状態。

 まぁ、爵位の順番だと、実は侯爵よりも下の立場ではあるのだが、その重要性は侯爵以上であるからこそ、権力関係で見ると上にいってしまう位置にあるだろう。

 それなら普通に辺境伯を侯爵の上の爵位にすればいい話かもしれないが、事はそう単純ではない。

 というか、重要性がより高い役職に就かされるのはそれだけ僕らを重く見ているのだろうけれども‥‥‥

「でも流石に、辺境伯に命じられる未来が決まるとはなぁ‥」
「キュル、アルス、大丈夫?ちょっと遠い目、しているよ」
「いや、大丈夫大丈夫。ちょっと責任の重さに現実逃避したくなっただけだよ」

 表彰式も終え、学園の寮に帰って来たのはいいけれども、こうやって横になって考えると色々と責任を重く感じるだろう。

 まぁ、そんな未来は挙式後の方で、それまではまだ男爵家としてだが…‥‥それでも、辺境伯になる未来を変えようがないので、諦めたほうが良いだろう。

 いやむしろ、ハクロにも今回爵位と領地が与えられた分、挙式後に合併して領地を統合して治めることが出来るのであれば、牧場の拡大経営を考えても良いだろう。牧場といってもただの牛や馬などがいるのではなくモンスターだし、いざという時に備えることが出来るだろうしね。


「そう考えると悪くもないのか…‥‥でも色々あり過ぎて、今日は疲れたよ」
「キュルル、アルス、ゆっくり休む。私、膝枕するよ?」

 ぐでんっと横になっていると、頭の方にハクロが寄って来て、膝をポンポンっと叩く。

 膝枕ねぇ‥‥‥蜘蛛時の時は食指だった部分が今では足になっているし、できないことは無いだろう。

 なのでお言葉に甘えて膝枕をしてもらう。ふわもこな蜘蛛の身体や、今の翼の柔らかさとはまた違う感じがして、これはこれで結構居心地がいい。


「とりあえず今は休んで、明日から計画を練るべきかなぁ‥‥‥ハクロ、足がしびれたらやめて良いからね?」
「大丈夫♪アルス、じかに感じられて、痺れることないもの♪」

 ふふふっと笑うように返答するハクロ。

 でも、その顔はこの位置だと色々と邪魔になって見えない。大きいのも考えものかもしれないけど‥‥‥まぁ、膝枕の居心地よさは最上級だし、文句もない。

 ひとまずゆったりと彼女の膝枕を楽しみつつ、しばしの間思考を放棄して脱力するのであった…‥‥

「ふふふ、アルス、私の膝の上♪背中じゃないけど、アルスいる♪」








‥‥‥機嫌良く適当なな歌を口ずさむハクロに、ゆったりと安らいでアルスが癒されている丁度その頃。

 モンスター研究所の方では、とある計算がはじき出されていた。

「‥‥‥むぅ、念のために確認して見たが、間違いないのかのぅ?」
「そのようです。各国の研究所の報告をまとめて見たのですが‥‥‥やけに、モンスターの出現情報が上がってきています」
「通常の出現具合と比べると増加しているが…‥‥種類がどうも違うのが多いようです」
「ふむ、何かおかしいのぅ。こんな計測結果は、普通は出ないのじゃが…‥‥」

 出されてきた報告書を見ながら、しかめっ面を浮かべるドマドン所長。

 その報告書の元データは、各国にも存在しているモンスター研究所からのものなのだが、その数値は異常な値を示していた。。

 各国の研究所の中には、帝国の研究所のように施設内で飼育することが不可能ゆえに、野生化にでるモンスターを対象にして研究を行っているところが幾つもあるのだが、最近になってその出現報告に異常が見られ始めたのである。

「増加しているようで、種類が違うのもあり‥‥‥人為的な可能性があるという結果です」
「各国の研究所でも、同様の試算となるか‥‥‥どう考えてもキナ臭い気しかしないのじゃ」

 人為的に手を加えて、モンスターを増やす手段が無いわけではない。

 だがしかし、それでも研究目的以外に使用することはせず、基本的に野生は野生のままとしてノータッチなはずなのだが、どうもそれを知らぬ輩がいる可能性が出て来た。

「下手すると、モンスター・パレード、モンスター・カーニバル、モンスター・ショックなど、様々な言い方がある大増殖からの一気に災害化しかねぬ動きにつながるじゃろ。念のために、各国の研究所へ警告を行い、各自の上層部の判断を仰ぐのじゃ」
「了解です」

 ドマドン所長の言葉に、職員たちはすぐに動き始める。

 場合によっては一国では対処できず、各国で協力し合わなければいけない災害が起きるのが目に見えているからだ。

「むぅ、出来れば何事もなく、最低でもただの繁殖だけであれば、気にしなくても良い事があるのじゃが‥‥‥嫌な予感しかしないのぅ」

 報告書を机に置きつつ、そう口にするドマドン所長。

 その嫌な予感は、数日後に的中することになる…‥‥‥
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