拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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面倒事は、何故やってくる

#41 ○的ビフォ○フターデス

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SIDEシアン

「‥‥‥ご主人様の命令通り、あの屑男が報復する可能性が無いように、徹底的にたたきましタ」
「どうしたかは聞かないでおくけれども…‥まぁ、よくやったよワゼ」
「ハイ」


 あの屑男事件から1週間ほど経過した今日、ワゼがそう報告してくれた。

 ただ、どうやったのかは僕はあえて聞かない。

 自重無しの彼女の行動だと、どう考えても悲惨な末路になったとしか言いようがないからね‥‥同情の余地はないけれどな。

 不快な思いもしたし、あのような馬鹿には二度と会いたくもない…‥‥。



 何にせよ、もうあの屑男とは出会う可能性は確実に無いという事で、気は楽になった。


「っと、そう言えばワゼ。それは何だ?」

 ふと気が付けば、彼女の足もとに何かを入れた包みを僕は見つけた。

「ああ、これですカ?今回の件での副産物デス」


 そういうと、ワゼはその包みを広げた。

 そこに入っていたのは…‥‥


「あ、これもしかしてこの家の模型?」
「ハイ。ちょっと今回の件で似たような物を使用したのですが、少しばかり面白かったのでちょっと作って見たのデス」
【すごいですね・・・・・柱の一本一本や、外壁など見事に再現されてますよ】

 ワゼが持って来たのは、今住んでいるこの家を再現した模型だった。

 柱の数、窓、屋根の部分など、細かい箇所までしっかりと作り込まれており、身体が小人のようになればそれこそ今のように住めそうなほどだ。

 きちんと扉や窓の開閉もできるようで、かなり精巧な作りである。



「それで、ちょっとご主人様に伺いたいことがありマス」
「ん?なんだ?」

 こちらから命令することはあれども、ワゼからのお願いは珍しい。

 ちょっと気になったので、僕はその内容を聞いた。

「現在ご主人様たちと共に住まわれているこの家なのですが、模型を作って確認してみたところ、いくつかの改善点が見当たりましタ。そこで、細かな修正よりも、少し大規模なリフォーム・・・・・いえ、建て直しをしたいのですが、どうでしょうカ?」
「建て直し?」


……現状、今住んでいる家でも特に問題はない。

 けれども、ハクロが居候兼使い魔として来てから増築したり、馬車を置くための小屋を作製したりしたことによって、将来的にちょっと問題になりそうな可能性が見えてきたらしいのだ。

 そのために、現在住んでいる家を壊し、新しい家に作り替えたいそうなのである。


「なるほど‥‥‥馬車用の車庫やその他もろもろの改良は確かに必要かもなぁ。‥‥‥じゃあさ、どのようになるのか一旦その予想ができる家の模型を作ってくれないかな?」
「了解デス。計算上、建築は1日で可能ですが、ご主人様が気に入るように一発で成功を目指し、まずはその完成予想図の模型を組み立てましょウ」

 そういうと、ワゼは新しい模型を組み立て始めるのであった。




 数日後、新しい絵の完成予想模型が完成した。

 建築そのものは1日でできるが、どのようなものにするのかを考える方に時間を割いたようなのである。
 
 そして、その模型を見ると…‥‥前の家の奴よりも、はるかにランクアップしていた。

「え?これ家じゃなくて邸じゃないかな?」


 ささやかな一軒家のような感じをちょっと予想していたが…‥‥これはある意味斜め上が来た。

 一軒家以上、城未満……かなぁ?まぁ、広い家のようだし、それはそれでいいけれどね。

 建築材料としては、この森の木々はもちろんの事、石材や鉄骨なども含めるようだ。

【本当にこれが一日で建築できるのでしょうか?私としては信じられないのですが…‥‥】
「ハイ。問題は無いデス」
「まぁ、それならいいけれども……あれ?1日はかかるってことは、僕らはその間どうすればいいの?」
「都市の方に一旦宿を取ってもらう必要性がありマス。ああ、一応あの都市アルバスには二度と馬鹿貴族が来ないようにもしておきましたので、安全デス」

 いつの間に都市の方にそんな細工を‥‥‥‥いや、詳しいことは聞くまい。

 何にせよ、建築するための見本が出来、建築作業へ移るために、1日で出来るとはいえ余裕をもってもう一日外部へ宿泊……おおよそ2泊3日の宿を僕らはとりに、都市アルバスへ向かうのであった。

 楽しみと不安がちょっと混ざるが、悪い事にはならないだろう…‥‥多分。


――――――――――――――――――――――――――――
SIDE都市アルバス:とあるファンクラブ専用室


…‥‥都市アルバスのとある建物の一室にて、人々は集まっていた。

 彼らはハクロに対するファンクラブ会員たちであり、今日はある重大な議題が出るということで、幹部たちも一緒になって集まっていたのだ。


「さて、本日諸君らに集まってもらったのは言うまでもない。我々の目の保養人物……いや、麗しきアラクネの乙女に関しての事である」
「おお、どのような内容なのだ?」
「どうやら、この度この都市にて、彼女とその主は2泊3日の予定でこの都市の宿屋に宿泊することを、我々はとある情報筋にて入手した。‥‥‥その意味が分かるか?」
「「「「!?」」」」
「そ、それはつまり……あの美しき姿が2泊3日分、連続で見る事が出来るという事なのか!!」
「その通りだ!!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」

 その肯定の言葉に対して、会員たちはうれしい叫び声をあげる。

 ハクロはシアンの使い魔であり、その姿を見れるのは、彼らが都市アルバスにある魔法ギルドに依頼の受注・達成報告をする時ぐらいなのだ。

 時間を取って買い物をするなどである程度の時間は見ることができるものの、帰宅してしまえばその姿は見れない。

 そのうえ、毎日来るわけでもなく、見れたらすごい幸せなのである。




 だがしかし、先日悲しむべきこととして、しばし姿が見えないことがあった。

 どうやらとある馬鹿貴族がその主の方にやらかしたらしく、気分不快ゆえに来なかったのだ。

 毎日見れるわけではないのに、より見れなくするその行為に、ファンクラブの者たちは怒り心頭になった。

 そして、ハクロの主に使えているそのメイドの指示を受け入れ、二度とあのような屑馬鹿貴族が都市内に来ないように、協力する体制を作り上げたのである。

 今までならば、そのような迷惑野郎馬鹿屑貴族が通過するのを待つだけであったが、今回の件によって都市内に入れない方針に決定したのである。

……いや、場合によっては入って来る前に排除とまでもなった。


 とはいっても、物理的に行うのではない。

 どういう繋がりなのかは不明だが、裏ギルドの方も協力してくれるようであり、入って来る前にそのような馬鹿屑貴族が処分されるように情報をしかるべき所に流したりなどしているのである。


 何にしても、都市アルバス内の治安も向上し、結果としては良い方向へ動いたのであった。



 そして今回、都市アルバスにそのアラクネ…‥‥ハクロが宿泊するという事は、うまいこと行けばその姿を四六時中拝める可能性があるのだ。


……ハクロがシアンの使い魔であり、自分たちの方へなびくことがないのは皆知っている。

 けれども、美女ならばその姿を目に収め、一生の宝にしたいという健全(?)な想いゆえに、ファンクラブは成り立っており、彼女がこの都市で宿泊する間、絶対に危険な目に合わせないように、一同は結束力を一層高め、それぞれ動き出すのであった。

 なお、そろそろこのファンクラブにも正式名称が付くことが決定したらしいのだが、今回の宿泊によって安全性の確保のために仕事を回し、名称が付くのが延期されたことは言うまでもない。
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