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面倒事は、何故やってくる
#46 新居デス
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SIDEシアン
……2泊3日の宿暮らしも終わり、ワゼが迎えに来て、僕らは新たな家に帰宅した。
「あらかじめ模型で分かっていたけれどさ……こうしてみると、ずいぶん大きくなっているな」
【広々として、動き回りやすいですけれどね】
前のささやかな一軒家サイズから、大きな屋敷サイズへランクアップされた新住居。
各自の個室も大きく拡張され、全体的に洗練されている。
庭の方へ向かえば、元々作っていた畑に加えて、綺麗な花を咲かせている花壇まで用意されていた。
「なんかすごい花壇だな…‥‥あれ?」
片や綺麗な花畑となっているが、一部にちょっと変なものが混じっていた。
【シャケェェ!!】
「あれ、叫んでいないか?」
【どう見ても花じゃないものが混ざっているのですが‥‥‥】
ハエトリソウのような食虫植物をちょっと大きくしたような、謎の生物が混ざっている。
しかも、ワゼを見かけた瞬間にびしっと敬礼したんだけど。
「ワゼ、あれ何?」
「サァ?花壇を作っていた時に、なにやら風呂敷を持ってきて、ぺこぺこと身振り手振りで植えてほしいと訴えられたので、危害を加えないことを保証にして住まわせた何かデス。一応、花壇の管理をしてくれるそうなので、大丈夫なはずデス」
……大丈夫なのだろうか?留守にしていた間に、謎の生物が花壇に住み着くとはこれいかに。
ワゼのデータとやらにもなく、フェンリル一家の方にも尋ねて見たらしいが、現在のところ不明らしい。
一応、植物型モンスターの一種なのだろうけれども、新種の可能性の方が大きいのだとか。
あと、この森にはフェンリルたちによって結界が作られているので、それを通り抜けてきたという事はそんなに害もないらしい。
「あー‥‥‥一応、ここの世話をしてくるのなら良いのかな?」
【シャゲェ!】
問いかけて見ると、その植物モンスターはびしっと肯定のような動きを見せた。
いや本当に何だろうかこの謎生物。
「というか、名前がないと不便だし、とりあえず名付けてやろうか?」
【シャゲィ!】
こくりと頷く謎生物。と言うか、こちらの言葉も理解しているようだし、中々知能が高そうである。
とりあえず、蠢く謎の食虫植物という事で、その手の怪植物で代表的な「マンドラゴラ」からとって『ドーラ』と名付けたのであった。
うん、花壇の管理人としてだし、居候が増えたという認識で良いのか?
「モンスター仲間という事で、ハクロはコイツの言葉は分からないのか?」
【ん~無理ですね。ジェスチャーである程度分かるのですが、何語なのかは分かりませんよ】
「一説によれば、人語を話すにはそれなりに練習したり、元から持っているなどあるようデス」
何にしても、意志疎通はジェスチャーで良さそうである…‥‥まぁ、深く考えないでおこう。
とりあえず、今は素直に新しくなった家に喜ぶことにしたのであった。
【シャシャゲェ!】
「あ、なにこれ?花で作ったコップ?」
【蜜が入ってますね。ちょっと飲んでみます…‥‥甘っ!?】
「うわっ!?少ない量なのに滅茶苦茶甘いぞ!?」
「ふむ、糖度がどうも物凄い高いようデス。水などで薄めたほうがいいかもしれまセン」
……ドーラなりの引っ越しそばならぬ引っ越し蜜なのだろうか?
何にせよ、強烈なこの甘味のある蜜は、ワゼが嬉々として新しい料理用の調味料として利用するのであった。
―――――――――――――――――――
SIDE 集合体アンデッド
真夜中になりながらも、彼は…‥‥いや、集合体となり、無数の生物の死骸で作られたアンデッドの彼らは活動を止めていなかった。
もはや睡眠を必要とせず、怨念のみで動く怪物と化したのだ。
その恨みの矛先は、彼らを作り上げた人物へと向かう。
火葬されず、ただひたすら斬られ、嬲られ、オーバーキルされた、その恨みはすさまじい。
とは言え、むやみやたらに集めた有象無象の輩ゆえに、身体の維持に必要な魔力が不足していた。
その魔力を求め、膨大な魔力の確認もしていたのだが‥‥‥その標的が、どうも確認できていた場所から離れたらしい。
だが、その動きから見てこのまま進んでも、また同じ場所に戻るであろうことが予想でき、彼らは進撃を止めなかった。
都合の良いことに、彼らの恨みの矛先でもある人物がそこへ向かっているようであり、うまいこと行けば恨みを晴らすのと同時に体の維持に必要な魔力を確保できるであろう。
とりあえずは呪いを恨みの対象へ強く飛ばしつつ、彼らはもはや何者ともいえない怪物となり果てた体で、ただひたすらにその地へ目指して進撃していくのであった‥‥‥‥
……2泊3日の宿暮らしも終わり、ワゼが迎えに来て、僕らは新たな家に帰宅した。
「あらかじめ模型で分かっていたけれどさ……こうしてみると、ずいぶん大きくなっているな」
【広々として、動き回りやすいですけれどね】
前のささやかな一軒家サイズから、大きな屋敷サイズへランクアップされた新住居。
各自の個室も大きく拡張され、全体的に洗練されている。
庭の方へ向かえば、元々作っていた畑に加えて、綺麗な花を咲かせている花壇まで用意されていた。
「なんかすごい花壇だな…‥‥あれ?」
片や綺麗な花畑となっているが、一部にちょっと変なものが混じっていた。
【シャケェェ!!】
「あれ、叫んでいないか?」
【どう見ても花じゃないものが混ざっているのですが‥‥‥】
ハエトリソウのような食虫植物をちょっと大きくしたような、謎の生物が混ざっている。
しかも、ワゼを見かけた瞬間にびしっと敬礼したんだけど。
「ワゼ、あれ何?」
「サァ?花壇を作っていた時に、なにやら風呂敷を持ってきて、ぺこぺこと身振り手振りで植えてほしいと訴えられたので、危害を加えないことを保証にして住まわせた何かデス。一応、花壇の管理をしてくれるそうなので、大丈夫なはずデス」
……大丈夫なのだろうか?留守にしていた間に、謎の生物が花壇に住み着くとはこれいかに。
ワゼのデータとやらにもなく、フェンリル一家の方にも尋ねて見たらしいが、現在のところ不明らしい。
一応、植物型モンスターの一種なのだろうけれども、新種の可能性の方が大きいのだとか。
あと、この森にはフェンリルたちによって結界が作られているので、それを通り抜けてきたという事はそんなに害もないらしい。
「あー‥‥‥一応、ここの世話をしてくるのなら良いのかな?」
【シャゲェ!】
問いかけて見ると、その植物モンスターはびしっと肯定のような動きを見せた。
いや本当に何だろうかこの謎生物。
「というか、名前がないと不便だし、とりあえず名付けてやろうか?」
【シャゲィ!】
こくりと頷く謎生物。と言うか、こちらの言葉も理解しているようだし、中々知能が高そうである。
とりあえず、蠢く謎の食虫植物という事で、その手の怪植物で代表的な「マンドラゴラ」からとって『ドーラ』と名付けたのであった。
うん、花壇の管理人としてだし、居候が増えたという認識で良いのか?
「モンスター仲間という事で、ハクロはコイツの言葉は分からないのか?」
【ん~無理ですね。ジェスチャーである程度分かるのですが、何語なのかは分かりませんよ】
「一説によれば、人語を話すにはそれなりに練習したり、元から持っているなどあるようデス」
何にしても、意志疎通はジェスチャーで良さそうである…‥‥まぁ、深く考えないでおこう。
とりあえず、今は素直に新しくなった家に喜ぶことにしたのであった。
【シャシャゲェ!】
「あ、なにこれ?花で作ったコップ?」
【蜜が入ってますね。ちょっと飲んでみます…‥‥甘っ!?】
「うわっ!?少ない量なのに滅茶苦茶甘いぞ!?」
「ふむ、糖度がどうも物凄い高いようデス。水などで薄めたほうがいいかもしれまセン」
……ドーラなりの引っ越しそばならぬ引っ越し蜜なのだろうか?
何にせよ、強烈なこの甘味のある蜜は、ワゼが嬉々として新しい料理用の調味料として利用するのであった。
―――――――――――――――――――
SIDE 集合体アンデッド
真夜中になりながらも、彼は…‥‥いや、集合体となり、無数の生物の死骸で作られたアンデッドの彼らは活動を止めていなかった。
もはや睡眠を必要とせず、怨念のみで動く怪物と化したのだ。
その恨みの矛先は、彼らを作り上げた人物へと向かう。
火葬されず、ただひたすら斬られ、嬲られ、オーバーキルされた、その恨みはすさまじい。
とは言え、むやみやたらに集めた有象無象の輩ゆえに、身体の維持に必要な魔力が不足していた。
その魔力を求め、膨大な魔力の確認もしていたのだが‥‥‥その標的が、どうも確認できていた場所から離れたらしい。
だが、その動きから見てこのまま進んでも、また同じ場所に戻るであろうことが予想でき、彼らは進撃を止めなかった。
都合の良いことに、彼らの恨みの矛先でもある人物がそこへ向かっているようであり、うまいこと行けば恨みを晴らすのと同時に体の維持に必要な魔力を確保できるであろう。
とりあえずは呪いを恨みの対象へ強く飛ばしつつ、彼らはもはや何者ともいえない怪物となり果てた体で、ただひたすらにその地へ目指して進撃していくのであった‥‥‥‥
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