拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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力の差

#51 数日が経過したのデス

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SIDEシアン

 あの都市襲撃アンデッド集合体化物事件から数日後、ようやく様々な事後処理が終わったらしい。

 結局のところ、あれを創り出した人物は喰われたということで手配できず、ただ単に被害が出てしまっただけと言う、かなりの貧乏くじを引かされたに等しいそうだ。


 だがしかし、その代わりにこの件によってアンデッド系の危険性が見直され、そして、この件を作った死亡した元凶はどうやら冒険者ギルドに所属していた冒険者と言う事もあり、さらなる処理の徹底を行うそうだ。

「そのため、火葬、土葬、解体関係の仕事が増加か…‥‥」

 都市の混乱は収まったようなので、僕らは今日も魔法ギルドに訪れ、依頼を探していたが‥‥‥どう考えてもアンデッドを生み出さないようにする依頼が多かった。


 と言うか、土葬はありなのか?え?きちんと埋葬すればいいの?アンデッド化する定義が良く分からんな‥‥‥



 とりあえずは本日の依頼を決め、僕らはその依頼の手続きをしようと受付嬢のところで作業をしていたその時である。

「あ、シアンさんたち。少々お時間をいただけませんでしょうか?」
「え?何か依頼に不備でもありましたか?」
「いえ、どういう訳かギルド長がお呼びらしく、来たらちょっと話をするために時間を割いてほしいと」
「?」

 何が目的なのかはしらないが、この魔法ギルドのギルド長とやらが僕らに話があるらしい。

 とは言え、面識も特にないはずだし、何が原因なのか…‥‥

「あ、もしかしてあの化物騒動の際に、ご主人様がやった魔法とかにあるのデハ?」
「それかな?」

 何にせよ、理由不明のままに、特に時間に縛られてもいないので、僕らはギルド長と会話することを決め、ギルドの客室に案内された。


「そう言えば、ギルド長には初対面な様な‥‥‥」
【どういう方なのでしょうかね?聞いた噂ですと、歩く植物なのだとか……】
「それ、うちのドーラみたいな感じなのかな?」
「いや、あれは全くの別物のようで、データに無いのですが‥‥‥っと、どうやら来たようデス」

 話しているところで、どうやらギルド長が来たらしい。

 果たして、どのような人物なのかと僕らは考えていたが…‥‥その姿を見て、一言しか思いつかなかった。


「ああ、待たせてすまないな。私がこの魔法ギルドのギルド長だ」

 入って来たのは、一人の男性。

 それなりの場数を踏んできたかのような、迫力はあった。

 だがしかし、その迫力よりも、別の点で僕らは驚いた。


(((頭と髪の比率が明らかにおかしいような)))

 そう、例えるのであれば、顔のある頭部分をピンポン玉とするならば、スイカサイズぐらいの圧倒的に超でかいアフロをしていたのだ。

 しかも所々わずかに枝分かれしており、一瞬だが超・巨大ブロッコリーのようにも見えたのであった。

 何このウルトラアフロブロッコリーマン。







「…‥‥さてと、本日君たちを呼んだのは訳がある」

 とりあえずそのアフロに目を奪われつつも、ギルド長は関係ないと言うように席に着き、話し始めた。


「先日、この都市アルバスへアンデッド系のモンスターが襲撃をかけたことを覚えているな?」
「はい」
「一応、今回の事件に置いてアンデッド系モンスターの危険性が再認識され、その討伐方法なども冒険者ギルドの方で再講習が行われるようにもなった。ああ、魔法ギルドの方にもな。でだ、ここからが本題なのだが‥‥‥単刀直入に聞こう。あのアンデッド複合モンスター……正式名称は『クトゥルフ』として決まったが、あれを討伐した爆発、それは君たちが原因だな?」
「‥‥‥はい」

 そう問われ、僕は返答した。

 別に隠すような事もないし、こうハッキリと尋ねてきたという事は、既に調べもついたのだろう。


「ああ、やはりそうか。いや、別の咎めるような事でもないし、後々処理に助かったからそれは良いだろう。まぁ、魔法の規模がおかしいような印象もあったが…‥‥」

 うんうんと、僕の返答にきちんと自身の中で何かの合点がいったのか、そうつぶやくギルド長。

「何にしてもだ、それでこの問題が片付いたような気もするが、そしたら別の問題が出てきたのだ」
「別の問題ですか?」
「ああ‥‥‥何と言うか、非常に馬鹿馬鹿しいというか、直接その場に居なかったがゆえにきちんと目撃できない馬鹿もいるだろうし、話からも嘘ではないというのは理解できるはずなのだが…‥‥」

 物凄く苦々しげそうな表情で、ギルド長は話し始めた。


 いわく、今回の事件でアンデッド系の危険性を確認できたので、二度とこういう事が無いように、各ギルドで、死骸などに関しての処理の講習会などを開くことを決め、忘れないようにすることが決定した。


 だがしかし、世の中にはなぜかその話を中途半端にしか聞かないような馬鹿がおり、むしろ逆に興味を持って実験しようと考える大馬鹿野郎共が出そうなのだとか。

「特にひどいのが、この国……ボラーン王国の首都にある冒険者ギルドらしくてな、いやまぁ、首都だけに騎士団なども常駐しており、冒険者ギルドもあってモンスターが良く狩られているので安全性を確保できている。だが、平和ボケと言うか、そういう所ではなまじ過剰に過信する馬鹿も出るらしく……」
「‥‥‥つまり、この事件を信じられないような馬鹿がイル。そこで、ご主人様に出向いてもらって、今回の事件で使用した魔法の規模を見せてやって、頭に理解させろという事でしょうカ?」
「そういうことだ……っと、ああ、君のメイドか」

 ワゼの言葉に、そういう事であると頷くギルド長。

 まぁ要するに、力を分かっていない馬鹿垂れに、討伐出爆散させるにとどまった魔法を見せてやれと言いたいのだろう。

「‥‥‥あれだけの魔法でまだ爆散させるだけであり、完全消滅させるには至らなかったという事を刻ませたい。馬鹿共に、きちんと教えないとまた同じような事が出るだろうし……そのためにも、指名依頼として出向いてもらい、徹底的に理解させてやって欲しい。報酬は金貨20枚でどうだろうか?」
「金貨20枚ですか‥‥‥」

 金貨20枚となると、それなりの大金だ。

 まぁ、今後同じようなことをやらかす馬鹿が出て、それによる被害総額などを考えると、未然に防ぐためとしてはまだ良い方なのかもしれない。


「わかりました、では受けましょう。ハクロ、ワゼも良いか?」
【別に良いですよ。私はシアンの使い魔ですし、文句はありません】
「同じく同意デス。メイドであるならば、ご主人様の決定を尊厳シマス」
「よかった、では頼む」

 そう言って、依頼の手続きを行い、正式な指名依頼として、僕らはこの国の首都にある冒険者ギルドへ赴くことになったのであった。



 …‥‥そして、退出する時に、ふとギルド長が問いかけてきた。

「ああ、そうだ。せっかくなので、一つ聞いておきたいことがあるが…‥‥いいだろうか?」
「?」
「あの光の魔法、かなりの大出力で有り、常人には無理そうだ。ああ、それがなぜ使えるのかなどは詮索はしない。ただ、一つ聞きたいのだが…‥‥もしかしたら、被害などを考えずに全力でやった場合、爆散ではなく、完全消滅もさせられたのではなかろうか?」
「‥‥‥さぁ?それはどうでしょうかね」
「そうか‥‥‥まぁ良い。では、指名依頼を頼む」

 ちょっと聞きたげな表情をしていたようだが、これ以上話せることもない。

 被害も考えずにならば、確かにできたかもしれないが…‥‥別に良いだろう。

 何にせよ、それ以上話すこともなく、依頼の準備のために、僕らはいったん帰宅するのであった。


「‥‥‥ア」
「ん?どうしたワゼ?」
「いえ、今さらですが、あのギルド長の名前を聞きそびれていたことに気が付きまシタ。アフロインパクトがちょっとすごかったものデ・・・・」
「ああ、確かにそう言えばギルド長としか聞いていなかったなぁ‥‥‥そして確かにインパクトが強かったな」
【わかりますよ。内心、あのアフロの方が本体ではないかとちょっと思いましたからね】
「ぷっ」

 ハクロのその言葉に、僕は少し噴き出すのであった。うん、確かにそうとも思えたもんね‥‥‥。




――――――――――――――――――
SIDE都市アルバス:魔法ギルド長ブロッコリーマン


「‥‥‥ふぅ、なんとか依頼を受けてもらえたようで良かったな」

 シアンたちの退出後、魔法ギルドのギルド長は、その大きなアフロをくしで整えながら、そうつぶやいた。

 今回の件、馬鹿がやらかせばそれはそれでよかった。

 一度、痛い目に合わないと理解できないような人もいると、それなりに経験しているのだ。


 それでも、シアンたちに対して指名依頼の形で出したのは、その馬鹿によって巻き込まれるであろう被害者たちを出さないようにという、予防のためでもあった。

 何にしても、この件で葬送などの過程を怠ってはいけないという事は理解できたはずだ。
 
 これで、また同じような事を防げると良いのだが‥‥‥‥


「‥‥‥だが、別の事も分かってしまったな」

 あの襲撃してきた化物、ギルドで「クトルゥフ」と命名したのはいいが、あれを爆散させた魔法‥‥‥それを使ったのが、シアンという事だ。

 アラクネの背に乗った青年、メイドもいた、などと言う、いかにもわかりやすすぎる証言で搾れたのは良いのだが‥‥‥あの魔法の規模は、おかしい。

 アンデッド系のモンスターは、確かに光や聖なる魔法に弱い。

 けれども、あれだけに成長したやつをたったの一撃で葬り去るというのも、難しい事でもあるのだ。


 だが、たったの一撃の魔法で、爆散させてしまったあの威力を見る限り、シアンの魔法は常人離れしているように思えるのだ。

 そのうえ、魔法ギルドのギルド長の勘として、まだまだ余力があったことが見てとれ…‥‥下手すると、この国の魔導士長とか言う人物よりも上の可能性があった。

「なんにせよ、馬鹿がさらなる馬鹿をしないように、ギルド間の連絡をしておくか……」

 そうつぶやき、アフロを整えつつ、ギルド長は作業に移るのであった…‥‥


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