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寒さ到来面倒事も到来するな
#172 向こうから来たりもするのデス
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SIDEシアン
……いつものように魔法ギルドで依頼達成報告をし、帰路についていた最中、ポチ馬車が停車した。
何があったのか、見てみれば、そこには一面の雲海とも言うべき光景があった。
【メェブェ~~】
【メェメェ~】
【メッブゥンェ~】
「…‥‥何この光景、天国?」
【すっごいフワフワのもっこもこ‥‥‥‥我慢できませんよ】
「どうやら、偶然にも横断中のようデス」
目の前に現在進行しているのは、大量の羊のような動物の群れ。
ワゼのデータによれば、『モコット』という珍しいものらしい。
―――――――――――――――
『モコット』
羊のような外見をしているモンスターではあるが、実はスライムに近い仲間らしい。
気性はおとなしく、そのモコモコフワフワした大量の毛によって生み出される光景は雲海とも白い草原とも言われ、飛びこめば至上のモフモフを味わえると言われている。
ただし、ボスが存在しており、他のモコットは白色に対してボスは黒く、何故かボスになった物だけが真っ黒になり、ボスの座から降りれば元の色に戻るという謎がある。
そのボスの色を目にして、巨大な白いモンスターに擬態して身を守っているという説もあるようだ。
――――――――――――――――
……なんかあったなぁ、教科書とかで群れになって大きなものに見せかけるやつ。
世界が変われども、そう言った知恵は何処からでも生まれるようで、よく見れば確かに真っ黒なモコットが存在しており、大きな目玉にも見えなくは無かった。
【そうです!あれだけの毛があれば温かい服がたくさん作れますよね!】
「言われてみれば、そうだよね。…‥‥毛刈りして大丈夫かな?」
「問題ないようデス。ただ、普通のハサミなどでは刈り取れまセン」
というのも、あのフワフワモコモコした外見なのだが、あの羊毛のような毛はちょっと違っており、刈り取られようとするとニュルリンっとすり抜けて取れないらしい。
きちんとあの毛を得るためには、特殊な加工が施された専用の機器が必要らしいが‥‥‥‥
「でも、ワゼなら持っているよね」
「ええ、もちろんデス」
しゃきんっという音と共に、ワゼの腕が大きなハサミに変形した。
ミニワゼシスターズも出てきて、それぞれいくつもの毛刈用のハサミを装備する。
「それじゃ皆、あの毛を必要な分だけ刈り取ってー!!」
「了解デス!」
「シー!」
「セ!!」
「ファー!!」
僕の出した合図と共に、皆で一斉に毛刈りを始めるのであった。
それから数分後、目の前にはモコモコの山が出来上がっていた。
毛を刈ったのだし、モコットたちはスッキリした姿になるのかと思いきや‥‥‥‥
「ぜ、全然変化がない…‥‥」
【あれだけ刈られていたのに、脅威の増毛速度ですよ】
「頭が寂しい人とかが見たら、羨ましい速度でショウ」
モコモコな状態を保ったまま、その場を去っていくモコットたち。
何にしても、大量の暖かそうな毛を得たので文句はないだろう。
【ふふふ、これだけのフワフワがあればコートに布団、手袋、クッションに枕など、色々作れます!】
ぐっとこぶしを握り締めつつ、モフモフを堪能するハクロ。
色々と夢が広がるようで、ほおが緩んでいる。
……モコモコに包まれているせいで、雲の上の蜘蛛の美女にも見えるな。
取りあえずすべてのモコモコをワゼがポケットに収納し、帰宅を急ぎ始める。
そこまで急ぐことでもないが、新たに手に入れた面白そうな材料をハクロが早く使いたいそうなので、その希望に沿ったのだ。
【ふ~んふふん♪わたもっこもこ、もこ~♪】
「ご機嫌だねハクロ」
【ええ、そうですよ!】
いつもより早めの帰宅をするという事で、馬車の速度がいつも以上に上がっている中、ハクロは機嫌がいいのか鼻歌を歌う。
歌詞はめちゃくちゃだが、楽しそうな感じは良く分かる。
にこにことしている笑顔は眩しくも思え、寒い季節に夏の太陽が出来たとも錯覚させるのであった。
……なお、この時シアンもハクロも知らなかった。
この笑顔をミニワゼシスターズがこっそり記録しており、数百部以上にしてHWGという組織へ渡していたという事を。
そして、組織内で物凄い絶版になるほど、猛烈な争いが起きてしまったのだが…‥‥知る意味もない無駄な話であった。
……いつものように魔法ギルドで依頼達成報告をし、帰路についていた最中、ポチ馬車が停車した。
何があったのか、見てみれば、そこには一面の雲海とも言うべき光景があった。
【メェブェ~~】
【メェメェ~】
【メッブゥンェ~】
「…‥‥何この光景、天国?」
【すっごいフワフワのもっこもこ‥‥‥‥我慢できませんよ】
「どうやら、偶然にも横断中のようデス」
目の前に現在進行しているのは、大量の羊のような動物の群れ。
ワゼのデータによれば、『モコット』という珍しいものらしい。
―――――――――――――――
『モコット』
羊のような外見をしているモンスターではあるが、実はスライムに近い仲間らしい。
気性はおとなしく、そのモコモコフワフワした大量の毛によって生み出される光景は雲海とも白い草原とも言われ、飛びこめば至上のモフモフを味わえると言われている。
ただし、ボスが存在しており、他のモコットは白色に対してボスは黒く、何故かボスになった物だけが真っ黒になり、ボスの座から降りれば元の色に戻るという謎がある。
そのボスの色を目にして、巨大な白いモンスターに擬態して身を守っているという説もあるようだ。
――――――――――――――――
……なんかあったなぁ、教科書とかで群れになって大きなものに見せかけるやつ。
世界が変われども、そう言った知恵は何処からでも生まれるようで、よく見れば確かに真っ黒なモコットが存在しており、大きな目玉にも見えなくは無かった。
【そうです!あれだけの毛があれば温かい服がたくさん作れますよね!】
「言われてみれば、そうだよね。…‥‥毛刈りして大丈夫かな?」
「問題ないようデス。ただ、普通のハサミなどでは刈り取れまセン」
というのも、あのフワフワモコモコした外見なのだが、あの羊毛のような毛はちょっと違っており、刈り取られようとするとニュルリンっとすり抜けて取れないらしい。
きちんとあの毛を得るためには、特殊な加工が施された専用の機器が必要らしいが‥‥‥‥
「でも、ワゼなら持っているよね」
「ええ、もちろんデス」
しゃきんっという音と共に、ワゼの腕が大きなハサミに変形した。
ミニワゼシスターズも出てきて、それぞれいくつもの毛刈用のハサミを装備する。
「それじゃ皆、あの毛を必要な分だけ刈り取ってー!!」
「了解デス!」
「シー!」
「セ!!」
「ファー!!」
僕の出した合図と共に、皆で一斉に毛刈りを始めるのであった。
それから数分後、目の前にはモコモコの山が出来上がっていた。
毛を刈ったのだし、モコットたちはスッキリした姿になるのかと思いきや‥‥‥‥
「ぜ、全然変化がない…‥‥」
【あれだけ刈られていたのに、脅威の増毛速度ですよ】
「頭が寂しい人とかが見たら、羨ましい速度でショウ」
モコモコな状態を保ったまま、その場を去っていくモコットたち。
何にしても、大量の暖かそうな毛を得たので文句はないだろう。
【ふふふ、これだけのフワフワがあればコートに布団、手袋、クッションに枕など、色々作れます!】
ぐっとこぶしを握り締めつつ、モフモフを堪能するハクロ。
色々と夢が広がるようで、ほおが緩んでいる。
……モコモコに包まれているせいで、雲の上の蜘蛛の美女にも見えるな。
取りあえずすべてのモコモコをワゼがポケットに収納し、帰宅を急ぎ始める。
そこまで急ぐことでもないが、新たに手に入れた面白そうな材料をハクロが早く使いたいそうなので、その希望に沿ったのだ。
【ふ~んふふん♪わたもっこもこ、もこ~♪】
「ご機嫌だねハクロ」
【ええ、そうですよ!】
いつもより早めの帰宅をするという事で、馬車の速度がいつも以上に上がっている中、ハクロは機嫌がいいのか鼻歌を歌う。
歌詞はめちゃくちゃだが、楽しそうな感じは良く分かる。
にこにことしている笑顔は眩しくも思え、寒い季節に夏の太陽が出来たとも錯覚させるのであった。
……なお、この時シアンもハクロも知らなかった。
この笑顔をミニワゼシスターズがこっそり記録しており、数百部以上にしてHWGという組織へ渡していたという事を。
そして、組織内で物凄い絶版になるほど、猛烈な争いが起きてしまったのだが…‥‥知る意味もない無駄な話であった。
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