拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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寒さ到来面倒事も到来するな

#204 まもなくなのデス

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SIDEシアン
 
……温泉都市オルセデス。

 かつては温泉が溢れにあふれ、騒動の最中に一度は枯渇したものの、再び湧き出してより一層温泉が噴き出まくったとされる。

 あの騒動以来、久しぶりに訪れ、事前にワゼに情報収集してもらい、どれだけの数が増えたのか判明してある程度の心構えはできていた……つもりだった。

「けれど……流石にこれは無かったな」
「もはや温泉国とも言って良いような気がするにょ」
【以前よりも広く、高くなってますね】

 ぶあっと広がる光景は、以前のものとは違っていた。

 あの時は、あちこちから湯気が漏れ出ており、それなりに栄えている温泉街と言う雰囲気を醸し出していた。

 


 けれども今、温泉都市は変容していた。

 水上都市とは違って川ではなく温泉があちこちで流れており、不思議なことに混ざらずに別れ、その上を足湯舟と書かれたものが通り、移動していく。

 水路というか、温泉路というべきか……しかも、建物も増加しており、配られているパンフレットによれば地下にも何層も温泉街が出来ているそうなのだ。

 しかも、普通であれば人を襲うようなモンスターなどがいるのだが、誰もこれも人を襲わず、それぞれ所属しているらしい旅館の衣服を着て客寄せをしており、なんというか摩訶不思議な光景と化していた。

「って、温泉都市オルセデスが改名されているじゃん」
【温泉都市ネオ・オルセデスですか‥‥‥そこまで名前が変わっていないのに、光景が変貌しすぎですよ】

 パンフレットによれば、より詳しい説明が載っていた。

―――――――――――
『温泉都市ネオ・オルセデス』
「如何にして温泉を楽しむのか」というテーマが常に繰り広げられているのは、オルセデス時代とは変わらない。だがしかし、その獲得客範囲が変更されており、人ならざるものたちでさえも受け入れ、温泉を愛するのであればより一層人々を楽しめるようにしようという物になった。
温泉の種類も増加しており、数百~数千ともなり、全てを堪能するには毎日入り浸ったとしてもかなりの歳月を要する計算となる。
地上部分に出ていた温泉街も、湧き出る温泉が地下を掘れば増える事が判明して以来、温泉を愛する者たちが結集して開拓し、地下へどんどん階層を増やし、より一層多様化した。
何処かに偏るのではないかという不安もあったが、どこにでも移動できる手段がどういう訳か自然発生し、今の所すべてに平等に客が訪れるようになっている。
王族・貴族などもお忍びで来ていたが、ここ最近ではむしろ別荘を購入して温泉都市を隠居先にするようになっているらしい。
―――――――――――――

「全部入り切れないなぁ…‥‥」

 地下の方にも増えているようだが、数が多すぎて全部を巡れなさそうである。

 いやまぁ、やろうと思えば入り浸れるかもしれないが、そこまで風呂好きでもないし……。


 何にしても、温泉都市の発展ぶりに度肝を抜かされつつ、僕らは今晩の宿から探し始めるのであった。


 大体2泊3日程度の滞在を予定していたけど、これ、どれだけ巡れるかなぁ‥‥‥。


――――――――――――――――
SIDE???

……シアンたちが宿を見つけ、手続きを取っている丁度その頃。

 別の宿では今、トラブルが起きていた。

「あああ!!どうしてこのような宿にしか泊まれぬのだ!!このわたしが泊まってやるんだぞ!!」
「仕方がありませんよ、何しろ路銀が無いですからね」
「しかもそれ以上暴れますと確実に傷を酷くしますから。きちんと療養してください」

 とある馬鹿王子のたわごとを前に、護衛の騎士たちは呆れたようにいさめる。

 元々ここへ泊る予定もなく、本来は使節団として向かう予定だったので、このような処へ来る予定の金を用意していなかった。

 いや、万が一に備えてある程度のものを残していたはずなのだが‥‥‥どうもここへ来る道中の宿で目の前の馬鹿は深夜にこっそり娼館などに通っていたようで、しっかり使い果たされていたのだ。

 そのため、本来入浴予定であった温泉がある宿には泊まれず、数ランクはダウンしたところへ泊ることを余儀なくされたのである。

 つまるところ、目の前の馬鹿の自業自得なのであった。


 流石に目の前の馬鹿王子も、ある程度騒いだところでどうにもならないことを理解できたようで、大人しくなる。

 護衛達はほっとしつつ、宿への宿泊手続きを取り始める。

……だがしかし、実はまだ諦めていなかった。

 いや、むしろより盛大にこの馬鹿はやらかそうとしているのだが、護衛達も流石にそこまでは気が付かなかった。

 何しろこの馬鹿、無駄に実力はあったので、深手を負っていてもある程度は動けたのだ。


 それが、破滅になるとは知らずに‥‥‥‥

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