拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
219 / 459
寒さ到来面倒事も到来するな

#205 のんびりと浸かりたいのデス

しおりを挟む
SIDEシアン

……温泉都市オルセデス改めネオ・オルセデス。

 宿も見つけ、まずは適当に近くの温泉から僕らは堪能することにした。

「というか、水着着用とは言え混浴か」
【まぁ、皆でゆったり浸かる処としては最初で良いんじゃないでしょうかね?ふぅ、気持ちがいいですよ】

 最初に選んだこの湯は、水着着用義務のある混浴。

 効能は疲労回復、保湿、リラックスなど、ゆったりと浸かれるのがメインらしい。


「泳ぎたいほど広いけど、ゆったりともしたいにょ」
「こらこら、こういう場で泳ぐのはダメだよ」

 ぷかぁっと全身の力を抜いて浮かぶローラに、僕はそう言う。

 広い湯舟だとなんとなくその気持ちになるのも分からなくはないが、一応マナーという物があるからなぁ。

【あ、でも泳ぐ用の温泉もあるようですよ?ほら、あそこのです】
「どっちかと言えば、プールに近いな‥‥‥」

 水ではなく温泉をふんだんに使ったものとはこれいかに。

 何にしても、家族一緒でこうやって浸かるのも中々良いものである。

「あれ?そう言えばドーラは?」

 ふと、その事に僕は気が付いた。

「ドーラさんであれば、先ほど別の湯へ向かいましタ。この植物系用の湯のようデス」

 パンフを持って説明しながら、ワゼがそう答える。

……水着着用の混浴とは言え、普通にメイド服を着ているってどうなのだろうか。

 いや、メイド服に見える水着らしいが、どう違うのかちょっとわからない。布地につやがある程度だからなぁ…‥‥



 何にしても、最初は水着着用の混浴だったとはいえ、ある程度楽しんだところで僕らは異なる湯へ移動するのであった。

「次はどこにしようかな?」
【こうも数が多いと、選ぶのにも一苦労ですよ】


――――――――――――――――――――
SIDE?‥‥‥とある愚者


「ふふふ……思った以上に楽に忍び込めたな」

 シアンたちがいる温泉の近くにて、そうつぶやく男がいた。

 彼の名はシャーグ。この温泉都市のとある宿屋にて、護衛の騎士たちと泊まっていたはずの、ある国の王子。

 メグライアン王国の第1王子ではあるが、王位継承権は現在最下位である。



 というのもこの王子、王族という勤めには全く向いておらず、勉強から逃げ出し、一時期は市井に逃れ、平民のふりをして過ごしてもいた。

 そんな中で、冒険者という職業に興味を持ち、パーティを結成して動き、実力はある程度身に着けることに成功していた。

 このまま王族という立場を捨てて、冒険者になっていたほうが幸せだったのかもしれないが‥‥‥それはある時を境に終わってしまった。

 そしてその時以来、彼は冒険者行の中でまともになりそうだった精神をひねくれさせ、愚者へと変貌してしまったのである。

 冒険者業もやめ、王族として返り咲いた後は欲望に溺れる日々。

 もともと酷かった部分が、冒険者として過ごしている中で矯正されかけていたが、辞めてしまったことで矯正が大失敗し、修正不可能な状態になってしまったのだ。


 そして今、彼は王族としてせめてもの責務を果たすようにと父親である国王に命じられ、ボラーン王国へ送る使節団に入れられたのだ。

 一応、どのようにして人と会話してコネクションを作ればいいのかというのは冒険者業で培っており、それなりに外交手段に長けてもいたというのが、その理由である。

 けれども、道中でモンスターに襲撃され、その際に冒険者として働いていた時の自信をもって迎え撃ったが‥‥‥元々その冒険者時代も仲間がいたからこそ、成り立っていたようなもの。

 彼一人では当然無理もあるし、なまってもおり、さらに愚者になって欲に溺れていたがゆえに実力は落ちており、結果としてフルボッコにあったのだった。



 色々と大けがを負う中で、愚者っぷりがさらに強く出て、路銀を失い、本来であれば宿で養生するべきなのだが…‥‥ここは温泉都市。

 温泉とくれば様々な湯があり、この愚者が浸かるべきなのは湯治できるところなのだが、それに入る気はない。

 そう、この愚者王子、女湯に忍び込もうとしているのだ。

 とはいえ、温泉都市ゆえに種類が多く、どこにどのようなものがあるのか把握しきれない。

 それに、この都市には温泉好きのモンスターが多く、万が一にでもやらかせばそれこそ一巻の終わりであろう。

 今頃、護衛の騎士たちはこの愚王子がいなくなったことに気が付き、慌てて探しているのだが‥‥‥


「何にしてもここもちょっとな。良い美女がいねぇな」

 一応大けがを負っているはずが、スケベ心というか、そう言ったもので全然平気な王子。

 今まさに、地獄へ飛びこもうとしているのだが‥‥‥その事に気が付くのはもう少し後の事であった。
しおりを挟む
感想 1,076

あなたにおすすめの小説

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

ReBirth 上位世界から下位世界へ

小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは―― ※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。 1~4巻発売中です。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

処理中です...