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春間近、でも頭春は来ないで欲しい
#238 増加の意味は他にもデス
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SIDeシアン
‥‥‥首都での怪物大量発生騒動から2週間ほど経過した。
ミスティアが降嫁してくるという結果にはなったものの、僕等の生活に支障はない。
しいて言うのであれば、この件は彼女にとってもプラスにはなったらしい。
「魔王の元へ嫁いだことで、王位継承権争いから降りたことがすごい楽ですわね」
「心の声が駄々洩れしているなぁ‥‥‥」
こたつでずずっと茶を飲みながらそうつぶやくミスティアに、僕はツッコミを入れる。
ボラーン王国の王位継承権は、王子5人王女2人での争いであったが、今回ミスティアは僕の元へ嫁ぐことになった。
魔王とされる身ではあるが、この国にある森にすむとは言えこのボラーン王国の者というわけでもないし、身分的には平民のようなもの。
いや、魔王という身分そのものにどのような高さがあるのかはわからないが、王家とは縁のない場所へ繋がったために継承権もなくなるらしい。
まぁ、元々ミスティアは第2王女で、継承権自体は最下位の身ではあったが…‥‥魔王との交渉などもできる面から、一時期は継承権が上がっていた。
だがしかし、こうして嫁いできたことによってその挙がった分も下がり、結果的に王位継承権は消え失せたそうなのである。
「おかげで、兄様姉様たちに押し付けて楽ですわ。まぁ、今頃あっちはあっちで大変ですわね」
【ある意味勝負から逃げて勝利を得てますよね】
ミスティアの言葉に、ハクロもそう言葉を漏らすが、まさにその通りなのかもしれない。
王位継承権争いから逃げ、結果として継承しなくて位という勝利を得たのだからね。
‥‥‥‥なお、普通の国であればむしろ継承権は積極的に争われるはずなのだが…‥‥ボラーン王国のはちょっと特殊な例みたいである。
何にしても今、僕らはのんびりと家で過ごしていた。
魔法屋としての働きも本日は休業であり、こうやって一家団欒で過ごすのは良い。
春も近付いてきたはずだが、今日はほんのりと肌寒く、皆こたつにすっぽりと入っている。
【ふぅ、にしてももう一つこれ欲しいですね】
「ハクロ、それで6個目だよ?昼食食べれなくなるぞ」
こたつに置いていたミカンモドキが、いつの間にかハクロに全部喰われていた。
ミカンモドキと言うが、まぁ前世のミカンに似た果物‥‥‥ドーラが畑の方で新種改良した結果生まれたものなのだが、甘酸っぱさがちょうどミカンそっくりだった。
にしても、絵面的にもこたつに合うと思っていたのに、いれていたかごがもう空っぽとはなぁ‥‥‥
「そう言えばハクロさん、ちょっと食欲増してません?最近よく食べてますわよね?」
【んー…‥‥なんかお腹がよくすくんですよね】
ミスティアの問いかけに対し、首をかしげて答えるハクロ。
「おかあしゃん、食べ過ぎるとお腹出るにょ」
【…‥‥】
「‥‥‥」
ロールの言葉に、ハクロと同じくなぜかミスティアも無言になった。
女性にとって、その言葉は結構効くのだろうか。なんか心なしか、近くで家事掃除などをしていたシスターズも無言になったような気がするが‥‥‥そっちはメイドゴーレムだし太る事は無いんじゃ?いや、生体部品などを使用しているって、前にワゼが言っていたような…‥‥うん、気にしないでおこう。
とにもかくにも、ミカンモドキが切れてしまったのはちょっと残念。
「ドーラ、まだミカンモドキないかな?」
【シャゲ~。シャシャ】
「え、次になるの三日後?」
在庫が無いかと聞いてみるも、まだ数は少なく連続収穫には程遠いらしい。
逆に数さえあれば、連続収穫が可能らしいけど…‥‥まぁ、待つのも良いか。
「次になったら、ハクロはちょっと控えてね。僕らまだあまり食べてないし」
【ごめんなさい、シアン】
申し訳なさそうにハクロはいうけど…‥‥考えて見れば、確かにここ数日ほどで彼女の食欲が増したような気がする。
「‥‥‥ワゼ、いるかな?」
「ハイ」
呼びかけると、いつの間にかワゼが近くにいた。
なんか最近、彼女は彼女で気配を消したりするようなところがうまくなったような気がするが、それはそれで置いておくとしよう。
「ワゼ、ハクロの食欲増加の理由分かる?」
「データ上、いくつかありますが…‥‥考えられる可能性を確かめるには、検査が必要デス」
「じゃあ検査してみるべきか」
「その通りかト」
ハクロは使い魔としての登録しているので、ギルドの方での健康診断もある。
とはいえ、次の診断はまだ先だし、今のうちにできるならやっておいたほうがいいかも。
「まぁ、確かに悪い病気だと困りますものね」
「おかあしゃん、ワゼの検査を受けたほうがい、ん?」
ふと気が付けば、いつの間にかそこには…‥‥ハクロそっくりの小さな人形が置かれていた。
「おかあしゃん、いつの間にか逃げたにょ!?」
「いつの間に!?」
「というか変わり身!?」
おかしいな?ハクロって健康診断とかも大人しく受けていたと思うんだけど…‥‥あ、そっか。ワゼがやると聞いたところか。
普段、失言でワゼにお仕置きされている分、健康診断時でも何かされるかもという危機感を抱いたのだろう。
というか、こういう時ばかりは逃げ足が速いというか、瞬発的過ぎるというか…‥‥
「ふむ、ですが意味ないですネ」
そうつぶやいたかと思うと、そこにはすでにワゼの残像しかないのであった。
‥‥‥ワゼはワゼで、妙なパワーアップしてないかな?こっちはこっちで機能の確認をさせて欲しいな。
‥‥‥首都での怪物大量発生騒動から2週間ほど経過した。
ミスティアが降嫁してくるという結果にはなったものの、僕等の生活に支障はない。
しいて言うのであれば、この件は彼女にとってもプラスにはなったらしい。
「魔王の元へ嫁いだことで、王位継承権争いから降りたことがすごい楽ですわね」
「心の声が駄々洩れしているなぁ‥‥‥」
こたつでずずっと茶を飲みながらそうつぶやくミスティアに、僕はツッコミを入れる。
ボラーン王国の王位継承権は、王子5人王女2人での争いであったが、今回ミスティアは僕の元へ嫁ぐことになった。
魔王とされる身ではあるが、この国にある森にすむとは言えこのボラーン王国の者というわけでもないし、身分的には平民のようなもの。
いや、魔王という身分そのものにどのような高さがあるのかはわからないが、王家とは縁のない場所へ繋がったために継承権もなくなるらしい。
まぁ、元々ミスティアは第2王女で、継承権自体は最下位の身ではあったが…‥‥魔王との交渉などもできる面から、一時期は継承権が上がっていた。
だがしかし、こうして嫁いできたことによってその挙がった分も下がり、結果的に王位継承権は消え失せたそうなのである。
「おかげで、兄様姉様たちに押し付けて楽ですわ。まぁ、今頃あっちはあっちで大変ですわね」
【ある意味勝負から逃げて勝利を得てますよね】
ミスティアの言葉に、ハクロもそう言葉を漏らすが、まさにその通りなのかもしれない。
王位継承権争いから逃げ、結果として継承しなくて位という勝利を得たのだからね。
‥‥‥‥なお、普通の国であればむしろ継承権は積極的に争われるはずなのだが…‥‥ボラーン王国のはちょっと特殊な例みたいである。
何にしても今、僕らはのんびりと家で過ごしていた。
魔法屋としての働きも本日は休業であり、こうやって一家団欒で過ごすのは良い。
春も近付いてきたはずだが、今日はほんのりと肌寒く、皆こたつにすっぽりと入っている。
【ふぅ、にしてももう一つこれ欲しいですね】
「ハクロ、それで6個目だよ?昼食食べれなくなるぞ」
こたつに置いていたミカンモドキが、いつの間にかハクロに全部喰われていた。
ミカンモドキと言うが、まぁ前世のミカンに似た果物‥‥‥ドーラが畑の方で新種改良した結果生まれたものなのだが、甘酸っぱさがちょうどミカンそっくりだった。
にしても、絵面的にもこたつに合うと思っていたのに、いれていたかごがもう空っぽとはなぁ‥‥‥
「そう言えばハクロさん、ちょっと食欲増してません?最近よく食べてますわよね?」
【んー…‥‥なんかお腹がよくすくんですよね】
ミスティアの問いかけに対し、首をかしげて答えるハクロ。
「おかあしゃん、食べ過ぎるとお腹出るにょ」
【…‥‥】
「‥‥‥」
ロールの言葉に、ハクロと同じくなぜかミスティアも無言になった。
女性にとって、その言葉は結構効くのだろうか。なんか心なしか、近くで家事掃除などをしていたシスターズも無言になったような気がするが‥‥‥そっちはメイドゴーレムだし太る事は無いんじゃ?いや、生体部品などを使用しているって、前にワゼが言っていたような…‥‥うん、気にしないでおこう。
とにもかくにも、ミカンモドキが切れてしまったのはちょっと残念。
「ドーラ、まだミカンモドキないかな?」
【シャゲ~。シャシャ】
「え、次になるの三日後?」
在庫が無いかと聞いてみるも、まだ数は少なく連続収穫には程遠いらしい。
逆に数さえあれば、連続収穫が可能らしいけど…‥‥まぁ、待つのも良いか。
「次になったら、ハクロはちょっと控えてね。僕らまだあまり食べてないし」
【ごめんなさい、シアン】
申し訳なさそうにハクロはいうけど…‥‥考えて見れば、確かにここ数日ほどで彼女の食欲が増したような気がする。
「‥‥‥ワゼ、いるかな?」
「ハイ」
呼びかけると、いつの間にかワゼが近くにいた。
なんか最近、彼女は彼女で気配を消したりするようなところがうまくなったような気がするが、それはそれで置いておくとしよう。
「ワゼ、ハクロの食欲増加の理由分かる?」
「データ上、いくつかありますが…‥‥考えられる可能性を確かめるには、検査が必要デス」
「じゃあ検査してみるべきか」
「その通りかト」
ハクロは使い魔としての登録しているので、ギルドの方での健康診断もある。
とはいえ、次の診断はまだ先だし、今のうちにできるならやっておいたほうがいいかも。
「まぁ、確かに悪い病気だと困りますものね」
「おかあしゃん、ワゼの検査を受けたほうがい、ん?」
ふと気が付けば、いつの間にかそこには…‥‥ハクロそっくりの小さな人形が置かれていた。
「おかあしゃん、いつの間にか逃げたにょ!?」
「いつの間に!?」
「というか変わり身!?」
おかしいな?ハクロって健康診断とかも大人しく受けていたと思うんだけど…‥‥あ、そっか。ワゼがやると聞いたところか。
普段、失言でワゼにお仕置きされている分、健康診断時でも何かされるかもという危機感を抱いたのだろう。
というか、こういう時ばかりは逃げ足が速いというか、瞬発的過ぎるというか…‥‥
「ふむ、ですが意味ないですネ」
そうつぶやいたかと思うと、そこにはすでにワゼの残像しかないのであった。
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