259 / 459
春間近、でも頭春は来ないで欲しい
#243 文字通り水面下デス
しおりを挟む
SIDEワゼ
…‥‥新たに立て直した家もとい城の側にある湖の下。
先日の王国首都で起きた騒動時の、できていた地下空間を参考にして作った地下室。
そう、そこは新たなワゼの私室でもあり…‥‥‥
「‥‥‥ふむ、生まれる子供のための参考書。ある程度参考にできましたが‥…まだまだ準備はしたほうが良さそうデス」
「ツ!」
「セー!」
室内に設けられた円卓の上に載せた本を中心に、ミニワゼシスターズたちを集め、会議の場としても機能していた。
今の時刻は深夜であり、シアンたちはぐっすりと眠っている時間。
されどもメイドゴーレムであるワゼたちには睡眠は特に必要もなく、この時間で情報整理などを行うのだ。
【シャーゲ、ゲーッ】
「なるほど、新しい作物栽培施設は順調に稼働できてますカ」
【シャゲッ】
ついでにと言わんばかりにドーラも混ざっており、リニューアルした畑や花壇の報告も行ってもらっていた。
畑の方の作物は、従来の物から新たに品種改良し、栄養価が高まったものや味の改良御施されたもの、収穫量増加、病原菌耐性など、品質向上を目指し、花壇の方は花の色や大きさ、咲き誇る数など、こちらは美しさの向上を中心にしているのである。
「スー!」
「ツツツ」
「ええ、きちんと各所の点検も終えたようデス。ついでですし、10のツェーンや、現在騎士王国の方へ潜り込ませている08の‥‥‥いえ、もうすでに連絡を済ませてますカ」
「ファ!」
できればシスターズ全員を集めて開きたいが、残念ながら08~10はこの場に来ることはない。
それぞれの任務や今ある生活状況なども考慮し、軽く通信を行う程度である。
‥‥‥なお、09に関して言えば、こちらは事故というか、偶然というべきか、現在この世界におらず消息不明だが、データは届いてきていることから壊れてはいないことは確認できていた。
一方的に傍受するばかりだが‥‥‥‥どうも他のシスターズのような状態というよりも、違う所ゆえの彼女独自の変化も遂げているようだ。
ワゼたちにとってのご主人様はシアンだが、その09はその部分も変化しており、興味深い事にはなっている。
独立している機体となり、心の様相もシスターズにはないことになっているが…‥‥特に問題はない。
むしろ、そういうこちらでは得られないような想いや経験などが伝わってきており、どの様な成長を遂げるのかそれはそれで楽しみでもあった。
「さてと、ついでにツェーンからの連絡で、裏社会の方でも動きが見えてますネ。ハクロさん、いえ、奥様のご懐妊の件に関して、情報を集めている人たちも普通にいるようデス」
ハクロの懐妊については、HWGという組織には連絡しているし、どこからか情報が洩れてもおかしくはない。
いや、むしろわざと情報を洩らすことで、怪しい動きを見つけやすくしているのである。
「まぁ、大半は危険性が無いというか、HWG所属だったり、純粋に誕生を喜びにしていたり、麗しい可能性を考えて紙幅を感じている人が多いようですが‥‥‥‥」
【シャゲ】
「ええ、普通に悪意を持つ愚か者どももいるようデス」
資料を全員で閲覧し、その愚か者達がどの様な者たちなのかワゼたちは確認していく。
「とはいえ、対応不可能な輩がいないことは良い事でしょウ。ご主人様自らが動かなくても私たちだけで解決可能ですし、神聖国の預言者への贈り物としても該当しそうな輩もいマス」
神聖国の預言者に関して言えば、ワゼたちにとっては警戒対象でもある。
現状、敵対する意思もなく、ほどほどの付き合いをしつつ、互に技術提供などの協力関係を取れているので問題はさほどないが、それでもある程度の重要な機密を洩らさず、まだ隠していることが多い者なので、それなりに警戒はするのだ。
ゆえに、できるだけ懐に潜り込めるようにしつつ、社会貢献と国の掃除などを両立できる方法として、救いようのない愚か者の選定などを手伝ったりしているのである。
「フー」
「ん?ああ、ミスティア様の方はまだ奥様とも呼べないことに関してデスカ。ご主人様との関係をさらに強化すれば呼べますが…‥‥一つ問題がありマス」
「セ?」
「‥‥‥二人して奥様呼びしたら、わかりにくいですからネ」
「「「「「「「‥‥‥」」」」」」」
ワゼのその回答に、一同は納得するのであった。
何にしても、ある程度の会議を終えたところで、そろそろ解散である。
起床してくるシアンたちのためにも朝食や着替えの準備、予定の確認などを行うために、それぞれの作業の場へ戻るのだ。
「スー!」
「ついでに現在開発中のそれも進めておきましょうカ。この家の防衛を固めるに越したことはありませんし、対応できるような手段を多く持っておいたほうがいいですからネ」
今のところ、ある程度の害意のある輩を排除できるとは言え、それでも限界はある。
シスターズの合体や、ワゼ自身の力でも及ばないような相手はこの世界を捜せばいるだろうし、そう言う輩たちをどうにか対応できる手段もここで開発しているのだ。
「念のためにテストも行いたいところですが…‥‥場所の確保が必要ですし、後で地下室も増加させておきましょウ。それに…‥‥」
とある報告書をめくり、ワゼは思案する。
「‥‥‥今あるメンバーだけでも十分ですが、修理・改良用の材料を収集、開発などして貯まっていますし、ある程度の余裕を考えると…‥‥増員できそうですネ」
…‥‥ニヤリと笑みを浮かべるワゼと同様に、シスターズにもその意思が伝わり彼女のたちも笑みを浮かべる。
「新しい姉妹機とも言えば良いですが…‥‥他の国々へ潜り込ませるのも良いですし、ローテーションで負担を減らしつつ、各所で経験を積ませ、共有させるのも良いでしょウ。なんにしても、ご主人様のために私たちが一層役立てるように、今後も頑張りましょウ」
その言葉と共に、彼女達はその場を解散した。
会議の場は閉じられ、各々の仕事の場へ向かう。
【シャゲェ‥‥‥】
そんな中で、ドーラはふと思った。
数百年前の、シアンの前の先代魔王、その魔王よりもワゼたちの方が十分恐ろしいのではなかろうかと。
いや、もうそれなりにわかってはいるが…‥‥それでもやはり、ワゼに関して畏怖を覚える時はある。
一体どんな奴が彼女を製作したのか気になりはするのだが、少なくともまともではなさそうだなとも思うのであった…‥‥
…‥‥新たに立て直した家もとい城の側にある湖の下。
先日の王国首都で起きた騒動時の、できていた地下空間を参考にして作った地下室。
そう、そこは新たなワゼの私室でもあり…‥‥‥
「‥‥‥ふむ、生まれる子供のための参考書。ある程度参考にできましたが‥…まだまだ準備はしたほうが良さそうデス」
「ツ!」
「セー!」
室内に設けられた円卓の上に載せた本を中心に、ミニワゼシスターズたちを集め、会議の場としても機能していた。
今の時刻は深夜であり、シアンたちはぐっすりと眠っている時間。
されどもメイドゴーレムであるワゼたちには睡眠は特に必要もなく、この時間で情報整理などを行うのだ。
【シャーゲ、ゲーッ】
「なるほど、新しい作物栽培施設は順調に稼働できてますカ」
【シャゲッ】
ついでにと言わんばかりにドーラも混ざっており、リニューアルした畑や花壇の報告も行ってもらっていた。
畑の方の作物は、従来の物から新たに品種改良し、栄養価が高まったものや味の改良御施されたもの、収穫量増加、病原菌耐性など、品質向上を目指し、花壇の方は花の色や大きさ、咲き誇る数など、こちらは美しさの向上を中心にしているのである。
「スー!」
「ツツツ」
「ええ、きちんと各所の点検も終えたようデス。ついでですし、10のツェーンや、現在騎士王国の方へ潜り込ませている08の‥‥‥いえ、もうすでに連絡を済ませてますカ」
「ファ!」
できればシスターズ全員を集めて開きたいが、残念ながら08~10はこの場に来ることはない。
それぞれの任務や今ある生活状況なども考慮し、軽く通信を行う程度である。
‥‥‥なお、09に関して言えば、こちらは事故というか、偶然というべきか、現在この世界におらず消息不明だが、データは届いてきていることから壊れてはいないことは確認できていた。
一方的に傍受するばかりだが‥‥‥‥どうも他のシスターズのような状態というよりも、違う所ゆえの彼女独自の変化も遂げているようだ。
ワゼたちにとってのご主人様はシアンだが、その09はその部分も変化しており、興味深い事にはなっている。
独立している機体となり、心の様相もシスターズにはないことになっているが…‥‥特に問題はない。
むしろ、そういうこちらでは得られないような想いや経験などが伝わってきており、どの様な成長を遂げるのかそれはそれで楽しみでもあった。
「さてと、ついでにツェーンからの連絡で、裏社会の方でも動きが見えてますネ。ハクロさん、いえ、奥様のご懐妊の件に関して、情報を集めている人たちも普通にいるようデス」
ハクロの懐妊については、HWGという組織には連絡しているし、どこからか情報が洩れてもおかしくはない。
いや、むしろわざと情報を洩らすことで、怪しい動きを見つけやすくしているのである。
「まぁ、大半は危険性が無いというか、HWG所属だったり、純粋に誕生を喜びにしていたり、麗しい可能性を考えて紙幅を感じている人が多いようですが‥‥‥‥」
【シャゲ】
「ええ、普通に悪意を持つ愚か者どももいるようデス」
資料を全員で閲覧し、その愚か者達がどの様な者たちなのかワゼたちは確認していく。
「とはいえ、対応不可能な輩がいないことは良い事でしょウ。ご主人様自らが動かなくても私たちだけで解決可能ですし、神聖国の預言者への贈り物としても該当しそうな輩もいマス」
神聖国の預言者に関して言えば、ワゼたちにとっては警戒対象でもある。
現状、敵対する意思もなく、ほどほどの付き合いをしつつ、互に技術提供などの協力関係を取れているので問題はさほどないが、それでもある程度の重要な機密を洩らさず、まだ隠していることが多い者なので、それなりに警戒はするのだ。
ゆえに、できるだけ懐に潜り込めるようにしつつ、社会貢献と国の掃除などを両立できる方法として、救いようのない愚か者の選定などを手伝ったりしているのである。
「フー」
「ん?ああ、ミスティア様の方はまだ奥様とも呼べないことに関してデスカ。ご主人様との関係をさらに強化すれば呼べますが…‥‥一つ問題がありマス」
「セ?」
「‥‥‥二人して奥様呼びしたら、わかりにくいですからネ」
「「「「「「「‥‥‥」」」」」」」
ワゼのその回答に、一同は納得するのであった。
何にしても、ある程度の会議を終えたところで、そろそろ解散である。
起床してくるシアンたちのためにも朝食や着替えの準備、予定の確認などを行うために、それぞれの作業の場へ戻るのだ。
「スー!」
「ついでに現在開発中のそれも進めておきましょうカ。この家の防衛を固めるに越したことはありませんし、対応できるような手段を多く持っておいたほうがいいですからネ」
今のところ、ある程度の害意のある輩を排除できるとは言え、それでも限界はある。
シスターズの合体や、ワゼ自身の力でも及ばないような相手はこの世界を捜せばいるだろうし、そう言う輩たちをどうにか対応できる手段もここで開発しているのだ。
「念のためにテストも行いたいところですが…‥‥場所の確保が必要ですし、後で地下室も増加させておきましょウ。それに…‥‥」
とある報告書をめくり、ワゼは思案する。
「‥‥‥今あるメンバーだけでも十分ですが、修理・改良用の材料を収集、開発などして貯まっていますし、ある程度の余裕を考えると…‥‥増員できそうですネ」
…‥‥ニヤリと笑みを浮かべるワゼと同様に、シスターズにもその意思が伝わり彼女のたちも笑みを浮かべる。
「新しい姉妹機とも言えば良いですが…‥‥他の国々へ潜り込ませるのも良いですし、ローテーションで負担を減らしつつ、各所で経験を積ませ、共有させるのも良いでしょウ。なんにしても、ご主人様のために私たちが一層役立てるように、今後も頑張りましょウ」
その言葉と共に、彼女達はその場を解散した。
会議の場は閉じられ、各々の仕事の場へ向かう。
【シャゲェ‥‥‥】
そんな中で、ドーラはふと思った。
数百年前の、シアンの前の先代魔王、その魔王よりもワゼたちの方が十分恐ろしいのではなかろうかと。
いや、もうそれなりにわかってはいるが…‥‥それでもやはり、ワゼに関して畏怖を覚える時はある。
一体どんな奴が彼女を製作したのか気になりはするのだが、少なくともまともではなさそうだなとも思うのであった…‥‥
31
あなたにおすすめの小説
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
エルティモエルフォ ―最後のエルフ―
ポリ 外丸
ファンタジー
普通の高校生、松田啓18歳が、夏休みに海で溺れていた少年を救って命を落としてしまう。
海の底に沈んで死んだはずの啓が、次に意識を取り戻した時には小さな少年に転生していた。
その少年の記憶を呼び起こすと、どうやらここは異世界のようだ。
もう一度もらった命。
啓は生き抜くことを第一に考え、今いる地で1人生活を始めた。
前世の知識を持った生き残りエルフの気まぐれ人生物語り。
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバ、ツギクルにも載せています
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる