拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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春間近、でも頭春は来ないで欲しい

#243 文字通り水面下デス

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SIDEワゼ

…‥‥新たに立て直した家もとい城の側にある湖の下。

 先日の王国首都で起きた騒動時の、できていた地下空間を参考にして作った地下室。

 そう、そこは新たなワゼの私室でもあり…‥‥‥



「‥‥‥ふむ、生まれる子供のための参考書。ある程度参考にできましたが‥…まだまだ準備はしたほうが良さそうデス」
「ツ!」
「セー!」

 室内に設けられた円卓の上に載せた本を中心に、ミニワゼシスターズたちを集め、会議の場としても機能していた。


 今の時刻は深夜であり、シアンたちはぐっすりと眠っている時間。

 されどもメイドゴーレムであるワゼたちには睡眠は特に必要もなく、この時間で情報整理などを行うのだ。

【シャーゲ、ゲーッ】
「なるほど、新しい作物栽培施設は順調に稼働できてますカ」
【シャゲッ】

 ついでにと言わんばかりにドーラも混ざっており、リニューアルした畑や花壇の報告も行ってもらっていた。

 畑の方の作物は、従来の物から新たに品種改良し、栄養価が高まったものや味の改良御施されたもの、収穫量増加、病原菌耐性など、品質向上を目指し、花壇の方は花の色や大きさ、咲き誇る数など、こちらは美しさの向上を中心にしているのである。

「スー!」
「ツツツ」
「ええ、きちんと各所の点検も終えたようデス。ついでですし、10のツェーンや、現在騎士王国の方へ潜り込ませている08の‥‥‥いえ、もうすでに連絡を済ませてますカ」
「ファ!」

 できればシスターズ全員を集めて開きたいが、残念ながら08~10はこの場に来ることはない。

 それぞれの任務や今ある生活状況なども考慮し、軽く通信を行う程度である。


‥‥‥なお、09に関して言えば、こちらは事故というか、偶然というべきか、現在この世界におらず消息不明だが、データは届いてきていることから壊れてはいないことは確認できていた。

 一方的に傍受するばかりだが‥‥‥‥どうも他のシスターズのような状態というよりも、違う所ゆえの彼女独自の変化も遂げているようだ。

 ワゼたちにとってのご主人様はシアンだが、その09はその部分も変化しており、興味深い事にはなっている。

 独立している機体となり、心の様相もシスターズにはないことになっているが…‥‥特に問題はない。

 むしろ、そういうこちらでは得られないような想いや経験などが伝わってきており、どの様な成長を遂げるのかそれはそれで楽しみでもあった。



「さてと、ついでにツェーンからの連絡で、裏社会の方でも動きが見えてますネ。ハクロさん、いえ、奥様のご懐妊の件に関して、情報を集めている人たちも普通にいるようデス」

 ハクロの懐妊については、HWGという組織には連絡しているし、どこからか情報が洩れてもおかしくはない。

 いや、むしろわざと情報を洩らすことで、怪しい動きを見つけやすくしているのである。

「まぁ、大半は危険性が無いというか、HWG所属だったり、純粋に誕生を喜びにしていたり、麗しい可能性を考えて紙幅を感じている人が多いようですが‥‥‥‥」
【シャゲ】
「ええ、普通に悪意を持つ愚か者どももいるようデス」

 資料を全員で閲覧し、その愚か者達がどの様な者たちなのかワゼたちは確認していく。

「とはいえ、対応不可能な輩がいないことは良い事でしょウ。ご主人様自らが動かなくても私たちだけで解決可能ですし、神聖国の預言者への贈り物としても該当しそうな輩もいマス」

 神聖国の預言者に関して言えば、ワゼたちにとっては警戒対象でもある。

 現状、敵対する意思もなく、ほどほどの付き合いをしつつ、互に技術提供などの協力関係を取れているので問題はさほどないが、それでもある程度の重要な機密を洩らさず、まだ隠していることが多い者なので、それなりに警戒はするのだ。

 ゆえに、できるだけ懐に潜り込めるようにしつつ、社会貢献と国の掃除などを両立できる方法として、救いようのない愚か者の選定などを手伝ったりしているのである。


「フー」
「ん?ああ、ミスティア様の方はまだ奥様とも呼べないことに関してデスカ。ご主人様との関係をさらに強化すれば呼べますが…‥‥一つ問題がありマス」
「セ?」
「‥‥‥二人して奥様呼びしたら、わかりにくいですからネ」
「「「「「「「‥‥‥」」」」」」」

 ワゼのその回答に、一同は納得するのであった。


 何にしても、ある程度の会議を終えたところで、そろそろ解散である。

 起床してくるシアンたちのためにも朝食や着替えの準備、予定の確認などを行うために、それぞれの作業の場へ戻るのだ。

「スー!」
「ついでに現在開発中のそれも進めておきましょうカ。この家の防衛を固めるに越したことはありませんし、対応できるような手段を多く持っておいたほうがいいですからネ」

 今のところ、ある程度の害意のある輩を排除できるとは言え、それでも限界はある。

 シスターズの合体や、ワゼ自身の力でも及ばないような相手はこの世界を捜せばいるだろうし、そう言う輩たちをどうにか対応できる手段もここで開発しているのだ。

「念のためにテストも行いたいところですが…‥‥場所の確保が必要ですし、後で地下室も増加させておきましょウ。それに…‥‥」

 とある報告書をめくり、ワゼは思案する。

「‥‥‥今あるメンバーだけでも十分ですが、修理・改良用の材料を収集、開発などして貯まっていますし、ある程度の余裕を考えると…‥‥増員できそうですネ」


…‥‥ニヤリと笑みを浮かべるワゼと同様に、シスターズにもその意思が伝わり彼女のたちも笑みを浮かべる。

「新しい姉妹機とも言えば良いですが…‥‥他の国々へ潜り込ませるのも良いですし、ローテーションで負担を減らしつつ、各所で経験を積ませ、共有させるのも良いでしょウ。なんにしても、ご主人様のために私たちが一層役立てるように、今後も頑張りましょウ」

 その言葉と共に、彼女達はその場を解散した。

 会議の場は閉じられ、各々の仕事の場へ向かう。



【シャゲェ‥‥‥】

 そんな中で、ドーラはふと思った。

 数百年前の、シアンの前の先代魔王、その魔王よりもワゼたちの方が十分恐ろしいのではなかろうかと。

 いや、もうそれなりにわかってはいるが…‥‥それでもやはり、ワゼに関して畏怖を覚える時はある。

 一体どんな奴が彼女を製作したのか気になりはするのだが、少なくともまともではなさそうだなとも思うのであった…‥‥

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