拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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春間近、でも頭春は来ないで欲しい

#242 大事にしておくのデス

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SIDEシアン

…‥‥ハクロの体の事も考え、我が家は久しぶりのワゼの手による立て直しを受けた。

 時間は30分程度で済むというし、軽くポチ馬車に乗って、ゆったりと森を回って帰って来たのだが…‥‥


「‥‥‥ねぇ、一つ聞いて良いですの?彼女って、メイド職詐欺していませんわよね?」
「詐欺をしていないと思う。多分」

 ミスティアが物凄く呆れた目をしながらそう問いかけてきたので、僕はそう返答する。

 まだ僕らの家族になって日数が浅い彼女だが、この現実の受け入れがたさにも慣れてほしい。


「お帰りなさいませ、ご主人様方。無事に家の改ぞ、コホン、立て直し完了いたしまシタ」
「今ちょっと改造って言いかけたよね?」

 いや、でも改造と言う言葉では、まだ生易しいかもしれない。

 最初は一軒家、次に屋敷状態、そしてこの改装によって…‥‥

「完全に、何処かの城状態なんだけど…‥‥というか、でかい、広い、大きいの3つがそろったんだけど」
【シアン、その前後重なってません?】

 ハクロのその指摘も聞きつつ、僕等はその立て直しもとい大改造を受けた我が家を見て同じような心境になっていた。

 どこかの劇的番組もびっくりなレベルというか、何処かの村過ごしゲームの改装も驚くというか…‥‥屋敷状態から、お城みたいなものへと、我が家は変貌していた。

 というかさりげなく、今までなかった湖みたいなものとかできているし、たった30分で何をどうしてこうなったのか、物凄く気になるんだけど。



「モデルとしてはデータにある城や、過去の亡国なども調べ上げ、居住性を高めて仕上げまシタ。なお、居住区画部分は完成しましたが、花壇・畑部分はドーラさんが現在最終チェックを行っていますので、立ち入り可能になるまであと少しかかりマス」
「あ、流石にすべてが終わってないというか、ワゼたちだけで済ませてないのか」
「ええ、植物系等はドーラさんの方が上ですからネ」

 ちょっと安心したというか、何と言うか…‥‥何にしても、我が家はこれでだいぶ広くなったので良いだろう。

 中へ進むとシスターズがαモードで活動しており、出迎えてくれる。

「なんというか、立派なお城になってますわね…‥‥」
【広くていいですけれども、使わないスペースも増えそうですよね】
「そこは大丈夫デス。私たちで掃除をしますので、ほこりをかぶる事は無いでしょウ」

 むしろ、その掃除ための領域を増やしたかったのではないかと、ちょっと疑いたい。

 メイドゴーレムだし、メイドの本分としての家事などを増やす目的とかが隠れていそうだが‥‥まぁ、藪蛇か。聞く意味もないか。


「城になったけど‥‥‥まぁ、これ以上考えないほうがいいか」
「そうですわよね。考えて見ればわたくしも元々城暮らしですし、あまり変わらない‥‥‥ですわよね?」

 疑問に出されても、どう答えるべきかはか分からない。

 とにもかくにも、大改造を受けた我が家の見取り図などを見させてもらい、ある程度の室内の把握を僕らは行うのであった。


「ちなみにですが、城内で迷子になる事は無いように、各所に地図も置いてありマス」
「まだ慣れてないけど、慣れたら大丈夫だと思うんだけど」
【流石に自宅で迷子になるようなことはないですよ】
「それは分かりませんわよ?王城の方でも、何年も務めているのに方向音痴な方が迷う事がありますからね」

‥‥‥必要な人には必要な事なのかな?




――――――――――――――――――――
SIDEボラーン王国:王城

「ふむ‥‥‥魔王の妃が子を身ごもったか」

 先日の怪物襲撃騒動から復興中の王城。

 その城内の執務室にて、魔王の元から届けられた手紙を読み、国王はそうつぶやいた。

 連絡手段としては、今まではミスティアの元にいたフィーアを経由していたが、あの騒動後の降嫁に伴い、フィーアもその魔王の元へ。

 ゆえに、どうしたものかと考えていたが‥‥‥気にする必要は無かった。


「フー!」
「一応、こういう連絡とかはしておいたほうがいいという事で届けられたか‥‥‥うむ、報告感謝する」

 そう言いながら、届けてきた相手、フィーアに対して国王はそう述べた。


 魔王の住みかとここは距離が結構あるが、目の前のメイドもといミスティア付きの護衛をしていたフィーアにとっては、そう時間もかからないらしい。

 駆け抜けていたとか言っており、色々ツッコミどころはあれども国王はそれを放棄。

 いや、もうしても意味はないと悟っているゆえであろう。

「何にしても、子を得てしまうとはめでたいが‥‥‥うーむ」

 できればミスティアの方にも子供が出来たほうが良かったが、流石にまだ嫁がせて短いし、そう早く出来ていないのは当たり前だろう。

 血縁的にはそのできた子は孫とも言いにくいが‥‥‥ミスティアの嫁いだ相手の子ならば言えるかもしれない。

 というか、国王的にはその子をなした者‥‥ハクロはファンクラブの崇拝対象なので、少々複雑でもあった。


「それでも、一応祝いの品を届けたいがどのようなものが喜ばれるだろうか?」
「フ?フー‥‥‥」

 フィーアに返答の手紙を持たせつつ、国王はそう問いかける。

 子を得たのであれば、祝いの品でも送ろうと思ったが、その品をどういうものにすべきか迷う。

 相手が相手だけに、爵位・金などを与えても意味はないだろうし…‥‥赤子関係で送ったほうがいいだろうと思われた。

「フー」
「ふむ、養育係などの話をまとめた子育て本のようなモノが欲しいか。となると、数日ほどかかるが大丈夫だろうか?」

「いえ、問題ないですわ」
「!」

 声が聞こえ、振り返ると、そこには国王の正妃及び側室たちがいつの間にか集まっていた。

「い、いつの間に‥‥‥」
「ついさっきですわね。一応、愛娘の方に先に子ができて欲しかったなぁとは思いますが」
「わたくしたちとしては、大事な王子・王女たちに早く孫が欲しいなと思いつつ」
「子育て経験に関しては無いことを理解しているので」
「そういう日が来た時のために、あらかじめ全員で共同で作ったものがあるのですわ」
「フー‥‥‥」

 彼女達の言葉に、フィーアは驚愕しつつも、その手渡された本を受け取る。

 内容をぱらぱらとめくり、目を通して本を閉じた。

「フ!」
「あらあら、完璧ですって」
「良かったですわね。ではこれを他の孫が出来たとき用に増刷しておきましょう」

 フィーアがぐっと指を立て、内容が申し分ないことを示し、その感謝の意を得て彼女達は喜び、出版へ向けて話し合う。


「いったい何時からそんな計画を…‥‥」

 そんな中で、いつの間にか練られていた子育て本計画について、国王はあっけにとられるのであった…‥‥
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