拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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幸せを乱されたくないので、徹底したい

#360 再びかと思いきやデス

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SIDEシアン

【ぴゃーい♪ぴゃーい♪】
【ふふふ、美味しいですか?】
【ぴゃい!】

 ハクロに食べさせてもらい、ノルンは喜んで返事をする。

 卵が割れて、2人の娘が新たに生まれてから三日。

 その娘の一人、ノルンの燃費の悪さに対しての対策を練り、決まるまでの間ハクロに負担がかかっていたのだが、今日ようやく、その負担から解放された。

【シャゲシャゲェ】
「ふむ、肥料をそれなりに使いますが、それでも解決策にはなるようデス」
「母乳じゃなくて、薄めた花の蜜でどうにかなってよかったなぁ」

 母娘互いに笑いあう光景を見ながら、僕等はそう話し合う。

 今、ノルンが口にしているのはドーラお手製の花の蜜を薄めたもの。流石に原液そのままだとまだ生まれたての赤子には味が濃すぎたのである。


 あの花の蜜は、ドーラが三日という期間だけで品種改良をし続け、超高カロリーでもある。普通の人が一口食べるだけでも、即座に太るレベルだが、ノルンにとってはちょうどいいらしい。

 ハクロ自身が幼い時に、群れで花の蜜を食べさせてもらったという話があったので、それを利用して母乳代わり栄養価の超高い花の蜜を作製してもらったが…‥‥思いのほか、他にも利用価値があった。

 調理での味付けや、美肌効果、食欲のない病人食など、かなり有用性が高かったのである。

 なお、神聖国の預言者に送って試食してもらったところ、こちらはこちらで味わいが変化して面白かったとか。絶望とか絶叫とかが加わったらしいが‥‥‥うん、詳しく聞かないでおこう。

 何にしても、その花の蜜のおかげで負担も減って良かったのだが‥‥‥

「にゅーにゅーにゅー!!」
「‥‥‥あっちで、喜びながらその花を増殖させまくっているエイルはどうすればいいんだろうか」
「植物は、ドーラの専門ですので、そっちでお願いするしかありまセン」
【シャゲェ…‥‥】

‥‥‥王城の庭の方で、花をもっさりと増殖させて遊ぶエイル。

 ハクロの子供は落ち着かない癖でもあるのだろうか?しかもあの子、アラクネでもないグランドエルフのようで、ドーラに似た能力があるようだが…‥‥ドーラにしかどうにかできなさそうである。

「負担かけそうだし、どうにかしてくれドーラ」
【シャゲェ】

 うんうんと頷きつつ、植物は自分の専門だからどうにかしようと思うのか、意気込むドーラであった。

【ふみゅ~お姉ちゃんだよ~】
【ぴゃーい♪】
【あらあら、お姉ちゃんぶってますね】

「みー!花畑は楽しーねー!」
「にゅー!」
「お姉ちゃんの立場としては、抑えたいけど抑えきれないにょー!」

「‥‥‥本当ににぎやかだよなぁ。これでミスティアの子供も加わったらどうなるんだろうか」
「我が子ながら、不安になりますわね」

 ミスティアがそうつぶやき、溜息を吐く。

 子供がいる状態で不安にさせたくないが、無理もないだろうなぁ、このカオスな光景を見ているとな。

 まぁ、こっちは予定通りにいけば夏~秋の間かその前ごろに出産できそうだし、普通の子供であれば問題は無いはずであろう。多分。

「不安なのも分かりますネ。ご主人様の子供はセンサーに対しての隠蔽がすごいですからネ」
「本当に?」
「本当デス。ご主人様が魔王ゆえか、そのお子様方には魔王の力はなくとも、それに通ずるようなものが遺伝する様子からネ。正直、私の方が不安が大きかったりするのデス」

 ワゼが不安に思うのは、それなりにヤバい事なのではなかろうか‥‥‥‥考えたくないなぁ。

 とりあえず今は、この幸せな光景に対して平穏を味わうのみであ、

「にゅ~~~~~~~にゅ!!」
「にょぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!どこまでいくにょぉぉぉぉぉ!!」
「ノルンやりすぎ!!ロールが上に吹っ飛んだぁぁぁぁ!!」

‥‥‥訂正。全然平穏じゃなかった。子育てとは難しいものである。

 あと何を生やした!!なんかキラキラ光る木が立派にそびえたったんだけど!!

「ご主人様の子供、本当に何をしでかすのか、フロンの予測計算でも無理なようデス」
「そこまでなのかよ!!」

 元気に育ってくれればいいけど、元気すぎるのも困りものであると、娘たちを始めて得た時に思った時のように、心の中でそう深く想うのであった。

 成長すれば、ちょっとはおとなしくなっていくようだけど、それまでが非常に大変そうである…‥‥




―――――――――――――――――――
SIDE神聖国ゲルマニア


「んー、やっぱり味も触感も変わるなぁ」

 ボラーン王国の方で光大樹ができてちょっとした騒ぎが起きている丁度その頃、神聖国の神殿内では、食事を終えて満足しながら、預言者はゆったりと横になっていた。

 魔王に仕えているメイドのほうから送られてきた、特性の花の蜜。
 
 今度また別の予言をするために用意していたモノへ投与したところ、色々と変わり果て、食して見たところその魂に甘みが生じるなど、味の変化が産まれたのである。

 色々な方法でやってはいるが、これはこれでおいしいと満足する預言者。

 最近では、少々物騒になってきた国、害虫排除に移った国、膿を押し出す国などから他にも色々と取り寄せることができるようになり、生活の満足度が向上していた。

 それに比例するかのように、預言者の予言の質も向上し、国自体も豊かになってきているのである。

「今回の中立の魔王、その配下のやらかし具合が凄まじいとは思うけれども、中々世界のためになっているというか、良いことが多いなぁ。善じゃないのがちょっと残念なことぐらいか」

 そうつぶやきつつ、新しい予言が出来そうなので準備をしようとしたところで‥‥‥ふと、その来客に気が付いた。


「ん?‥‥‥おや、珍しいね、君がここへ来るなんて」
「そうか?悪食野郎」

 そこにいたのは、シアンたちとも面識があり、別大陸の方に住まうはずの悪魔ゼリアス。

 ここへ訪れるのは本当に珍しく、ちょっと驚く預言者。

「何、大した用事ではないが、ちょっと別件で面倒なことがあってな。そのために、ここへ来ただけだ」
「別件?」

 何事かと思い、ゼリアスから話を聞く。

 そして、聞き終えた頃には、預言者は頭を抱えた。

「‥‥‥面倒どころか、世界滅ぼす話題だったか。え、そいつ馬鹿なの?魔界の方の魔王は良いとして、こっちの魔王に手を出す気なの?」
「一番この世界の魔王に関して、色々と知っているお前からすれば、そいつのやる事は確実に滅ぼす判断か?」
「間違いないだろうねぇ…‥‥盛大にというか、やめて欲しいというか…‥‥まず、神々の方でどうにかならなかったのか?」
「その神々の方で、下級神が盛大にやらかした事案もあって、ごたごたしていたようだからなぁ‥‥‥少なくとも、今あっちからは手出しができないようだ」
「‥‥‥こっちまで被害を被りたくないし、できるだけ阻止しないとな。というか、その話しならあの魔王のメイドの方に先に話を通せばいいような」

 そうつぶやきつつ、ふと預言者はあることに気が付く。

「‥‥‥もしかしてだけど、その下級神の方とかもそのメイド関わってない?」
「正確には少々事情があるようだが‥‥‥関係者の方がやったっぽいな。幸か不幸か、その後にもデータとやらが送信されていたようで、状況も把握して、既に話を知っているようだ」
「対策済みってこと?」
「それはわからん」

 何にしても、その話しが非常に面倒事というか、下手すればこの世界が滅びかねないことを預言者は理解する。

「とにもかくにも、そのために多分、近々その話題をもってここへ来ると思う。その場に俺もいた方が都合が良いだろうし、2,3日以内にあると思うからしばらくここへ泊めさせてくれ」
「うん、まぁ、分かったよ」

 とにもかくにも、今はその滅びを避けなければいけない思いは合致するようである。
 
 そう思いつつ、その面倒ごとに預言者は頭を抱えたくなるのであった…‥‥
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