拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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幸せを乱されたくないので、徹底したい

#366 折ったのデス

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SIDEシアン

 「上下左右四方八方大地獄」と、そのまんまの意味である攻撃をし続け数時間。

 夕暮時になり、ようやく耐えていたロキの心が折れたようで、白旗を上げてきた。

 油断しないように、拘束をしっかりとしつつ、何もできないように色々とワゼが用意した特注の物を付けたが…‥‥


「‥‥‥だいぶ頭も冷えて、怒りも鎮火したけど‥‥‥っと、まだあるなこれ」
「あうっち!?」
「かえしが付いている針ですので、そう簡単には抜けませんネ。エイッ」
「ふげっ!?」

‥‥‥現在、僕等は文字通り針千本状態のロキの体から針を抜いていた。

 攻撃手段の一つとして、大量の針を用意して撃っていたが、降伏してきたので刺さった分を回収しているのである。

 まぁ、鎮火してきたけれども、まだあるからなぁ‥‥‥心折っても、丁寧に追撃するのを忘れないようにしているだけでもある。


「で、ピンセットで細かい部分もしっかり取りながら事情聴取をしたいんだけど、そもそもなんで僕らを攻撃しようと思ったんだ?」
「全部抜いてからの方がい、あぐっ!?…‥‥い、言うけどさ、ちょっと神々の事情に入っちゃうというべきか」
「その事情を話さざるを得ない状態になった人が、何を言いますカ」
「ひげっ!?‥‥‥わ、わかった、話すよ」


 今回、この神ロキがこの世界に訪れ、襲ってきた理由。

 それはどうも、ロキ自身の目的とちょっとした神々での噂が混ざってできた物らしい。

「トリックスターだとか言われているけど、自分としては面白いものを常に求めたい。だからこそ、面白さのために騒ぎを起こしたり、戦いの中に意味をみ、ぶげっつ!?‥‥‥意味を、見出したりしたいからこそ、強い相手とか、面白い相手を探していたんだよ」

 神々は神と呼ばれるような世界にいつつも、その世界は無数に存在しつつ、更にその神が管理する世界も多数あり、それぞれに勝手に訪れては騒ぎを引き起こし、色々と楽しんでいたそうだ。

「まぁ、普通は世界渡りは神以外はできないんだけどね。最近だと神に至った竜だとか、とある大精霊だとか、大悪魔とか、世界を渡る旅人だとかが入り混じったりするけれども‥‥おうっ!?」
「神以外と言っておきながら、結構多くないかな?」
「それはそれぞれだからな‥‥‥おいておくとして、とある下級神の方で、あるときちょっと騒ぎが起きたんだ」


…‥‥神の世界にも上下関係とかは結構あるそうで、上級だとか下級だとか、特級だとか、色々と定まっているらしい。

 そんな中である日、下級にあたる神々の方で、ちょっとした騒ぎが起きたそうなのだ。

「あうっち!?…‥‥下級でも、更に問題児ばかりを詰め込んだ最下級神たちが召喚をしたらしい」

 いわゆる異世界召喚みたいな類でありつつ、その最下級神たちはある目的があって行った。

 

 神々は主な仕事として、それぞれが担当する世界を管理しているそうである。

 その世界の管理する作業を任されるほど、きちんとした神であり、より上級の立場へ登れるのだとか。

 だが、その最下級の神々の場合はそんなことを任せられない立場であり、更生してきちんとしてくれればよかったのだが…‥‥楽な方法を取ろうとしたらしい。

 それが、より上の世界を管理する神々を亡き者にして、自分達がその代わりに収まろうとする案。

 そのために、神殺しができるような者を召喚して、自分達の都合のいいように操ろうとしたらしい。

 とはいえ、神とは言えその者たちは最下級であり、力も最低クラス。

 ゆえに、普通はそんな召喚術を行ったところで何も呼び出せないはずなのだが…‥‥

「‥‥‥力を合わせつつ、様々なずるなどをしたらしく、召喚は成功した。でもね‥‥‥おおうっ!」



 召喚は確かに成功した。

 神殺しもできるだけの実力もありそうで、十分すぎるほどの成果に喜んだのは良かったらしいが‥‥‥神殺しができるという事は、逆を言えばその呼び出した最下級神も対象にできてしまうのである。

 いう事を聞かせようと色々行おうとした結果、見事に反撃にあい、最下級神たちは始末された。

 生き残った神が必死になって命乞いをして、元の世界に還せない召喚だったので、どうにかして都合のいい世界へ送ったようである。


「それが、僕等とどんな関係が?」
「‥‥‥その神殺しが出来た存在は、名乗っていたんだよ」
「なんて?」
「『万能家事戦闘人型ゴーレム09』…‥‥聞き覚えがあるはずだよね?」

…‥‥その名称、確かに聞き覚えがあり過ぎた。

 というか、聞いてなんか神殺しが出来たのも納得できた。


「‥‥‥ワゼ、確かその名称って」
「ええ、行方不明になりつつ、現在もデータを送信している09デス」

 思いっきり、身内でした。




「‥‥‥まぁ、そんなわけで、そんなものを作り上げた世界には、絶対面白い奴か、強い奴がいると目星をつけてね。念のためにその世界へ向かうために管理している神と交渉して、今回来たわけさ☆」

 まだまだ針がたっぷりと刺さりつつも、心が折れていたはずなのに回復したらしいロキ。

 原因が身内にあったのを聞くと、こちらとしては何ともいえないが‥‥‥聞く限り、09は多分立派にやっているようなので問題は無さそうである。多分。

「まぁ、そのせいでその09が向かった世界もちょっとばかり異常が起きたけど‥‥‥」
「…‥‥身内の者がすいまセン」
「いや、あれは勝手に召喚して、この世界へ返せない最下級神のせいだから、責任は誰にもないよ」

 何にしても、原因を聞くとちょっと頭が痛くなりそうである。


「というかワゼ、09もシスターズだったはずだけど、神殺しできる状態なのか?」
「α、βモード検証のための試作機体でもあり、新型の武器なども多数装備していたのですが…‥‥一応、半分近く私と同じ機能にしてますからネ。自己改良・進化プログラムなども考慮いたしますと、神々の世界の力なども少々使ったら‥‥‥可能と言えば可能デス」

 何気にとんでもない奴を作ってないか、このメイド。

「まぁ、でも姿の記録とかはあったけど‥‥‥そのメイドの方が、09のモデルなの?」
「そうですガ?」
「ふーん、結構似ているとはいえ、やっぱ違うね。どことは言わないけどあっちはバイーンってすごかったのに、こっちだと完全に断崖絶ぺ、」






‥‥‥‥その後の発言が、続くことはなかった。

 なぜそういう風に作ったのかは、無意識のコンプレックスなどが原因なんだろうけれど、一つ言わせてもらおう。

 09はワゼの半分以上の力で神殺しができているというだけあって、ワゼ自身も神殺しは可能だったようだ。

 そして今、目の前で華麗に神が爆散し、新たな神殺しが産まれた瞬間を目撃してしまったのであった…‥‥




‥‥‥流石に神殺しは不味いと思ったので、神関係として悪魔なら何とかできないかと、悪魔ゼリアスの元へ緊急搬送したが‥‥‥うん、多分一命をなんとか取り留めるであろう。
 
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