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迷いの冬で章
閑話 とある国王陛下と王子たち
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―――――我が名はハイドラ=バルモ=グレイモ。
このグレイモ王国の現国王なのだが、ただ今会議室内では皆が難しい顔をしていた。
この会議室、本来であれば貴族たちが国政を行うための場なのだが、ここに集められたのは、余が信頼できる重臣たちばかりである。
そして中でも、今回の議題に関して、最も険しい顔をしているのは、余の親戚でもある公爵家‥‥‥カイゼル=バルモ=ミストラルであった。
今回の議題、内容がかなり重要であり、その為にハイドラ国王に取って信頼のおける臣下たちの中でも、最も信頼のおける者たちばかりを急きょ招集したのだが…‥‥やはり、ミストラル公爵が渋い顔をするであろうという事は、予想ができていた。
「‥‥‥では、国王陛下はその案を通したいと?」
しばしの無言の圧力が会議室内に浸透し、ようやく公爵が口を開いて尋ねてきた。
「ああ、その通りだ。来週には発表したいのだが…‥‥どうだろうか?」
「ふむ……我々も狙っていた人物に対して、まさか陛下が自ら動かれるとは少々予想外でしたが‥‥‥王命であるのならば、問題はないかと思われますな」
「ただ、それはあくまできちんと陛下の命令を受け入れられる者たちに限ってであり、当然反発する者がでるのは間違いないでしょう」
意見が色々出るが、やはり一番問題なのはその反発する者たちである。
迂闊に抑え込めば反乱が起きる可能性があるし、かと言って何もしなければ問題を起こすとしか思えない。
何か問題が起きてしまえば、それこそ面倒ごとになり、下手すればフェイカーからの攻撃を受ける可能性も出てきてしまうのである。
「一応、本人たちは納得済みだが…‥‥」
「それでも、肝心のその相手の方が納得するかどうかというのも疑問ですよね?」
国王の言葉に対して、ミストラル公爵が口を挟んだ。
やはりというか、国益などを考えれば反対しないのだろうが…‥‥別の点でやや反発されているようである。
ここで下手に出れば敵対され、そうなればそこからいろいろと面倒ごとが起きるのもまた事実。
頭を悩ませつつ、ハイドラ国王はある事を思いついた。
「いや、納得する手段はあるだろう」
「というと?」
「好条件を出しまくるとのいうのはもちろんだが…‥‥最終的にはやはり相手の気持ち。そこに誘導できるように、それとな~~~~く雰囲気を創り出せばいいだけの話だ。また、本人たちに他からも口を出せる話し合いの場を設けさせれば、大丈夫だ…‥‥と思いたい」
「…‥‥」
国王のその言葉に、その場に居た全員は考えこみ‥‥‥そして渋々と了承した。
「そうであれば、それでいいと思われます」
「異議なし」
「色々と言いたいことがありますが‥‥‥まぁ、王命とあらば逆らうこともありません」
「ですが国王陛下」
「「「「何かあれば、率先して動いてくださいね?」」」」
「…‥‥はい」
一応、この場にいるのは国王の信頼のおける臣下たちのはずなのだが…‥‥皆から目を向けられ、告げられたその言葉に思わずハイドラ国王は身を縮め、小さく答えた。
仮にも国のトップだが、臣下たちからのプレッシャーがすごかったのである。
何にせよ、全会一致でその会議は終わるのであった‥‥‥‥。
丁度その会議が終わったころ、王城のある一室に集まっている者たちがいた。
「‥‥‥なぁ、なんでここに我々が集まったのか理解できているな?」
「ああ、同じ意見でな」
「普段は王位を争うべきなのだろうが…‥‥皆が一つにまとまらなければいけない事態になったからな」
そこに集まっていたのは、この国の第1王子アレス=バルモ=グレイモ、第2王子ハルバーン=バルモ=グレイモ、第3王子ギェーア=バルモ=グレイモであった。
彼らは本来、この国の次期国王の座を争うべき王子たちであったが、とある共通点があったがゆえに、互いに蹴り落とそうなどというドロドロとした醜い争いにまではいかなかった。
だがしかし、今回はそのとある共通点に関することが起き、その為に一旦争いを止め、共同戦線を張ることにしたのである。
いくら国益につながりそうで、この国の安寧にもなるかもしれないとしても‥‥‥‥やはり、受け入れがたいことはあるのだ。
次期国王になるのであれば、切り捨てていかねばならないことだってあるはずだ。
けれども、切り捨てられないことだってあるのだ。
その為、彼らは互に意思を確かめあい、暗黙の了解を互いに取って、心を一つにする。
失敗すれば王籍剥奪の可能性もあるが、それでもかまわない。
彼らにとって、大事なのは自分たちの権力ではなく‥‥‥‥愛すべき妹たちなのだ。
「いくら父上が決めたことでも」
「やはりまだまだ早いし、できればもっとそばにいて欲しい」
「その為にも、ここはやはり」
「「「我々が行動を起こさねば、誰がやるのだというのか!!」」」
声を合わせ、その決断の強さを測り、そして互いに認めあう。
…‥‥重度のシスコン王子たちによる企みは、その日から念入りに練られていくのであった。
このグレイモ王国の現国王なのだが、ただ今会議室内では皆が難しい顔をしていた。
この会議室、本来であれば貴族たちが国政を行うための場なのだが、ここに集められたのは、余が信頼できる重臣たちばかりである。
そして中でも、今回の議題に関して、最も険しい顔をしているのは、余の親戚でもある公爵家‥‥‥カイゼル=バルモ=ミストラルであった。
今回の議題、内容がかなり重要であり、その為にハイドラ国王に取って信頼のおける臣下たちの中でも、最も信頼のおける者たちばかりを急きょ招集したのだが…‥‥やはり、ミストラル公爵が渋い顔をするであろうという事は、予想ができていた。
「‥‥‥では、国王陛下はその案を通したいと?」
しばしの無言の圧力が会議室内に浸透し、ようやく公爵が口を開いて尋ねてきた。
「ああ、その通りだ。来週には発表したいのだが…‥‥どうだろうか?」
「ふむ……我々も狙っていた人物に対して、まさか陛下が自ら動かれるとは少々予想外でしたが‥‥‥王命であるのならば、問題はないかと思われますな」
「ただ、それはあくまできちんと陛下の命令を受け入れられる者たちに限ってであり、当然反発する者がでるのは間違いないでしょう」
意見が色々出るが、やはり一番問題なのはその反発する者たちである。
迂闊に抑え込めば反乱が起きる可能性があるし、かと言って何もしなければ問題を起こすとしか思えない。
何か問題が起きてしまえば、それこそ面倒ごとになり、下手すればフェイカーからの攻撃を受ける可能性も出てきてしまうのである。
「一応、本人たちは納得済みだが…‥‥」
「それでも、肝心のその相手の方が納得するかどうかというのも疑問ですよね?」
国王の言葉に対して、ミストラル公爵が口を挟んだ。
やはりというか、国益などを考えれば反対しないのだろうが…‥‥別の点でやや反発されているようである。
ここで下手に出れば敵対され、そうなればそこからいろいろと面倒ごとが起きるのもまた事実。
頭を悩ませつつ、ハイドラ国王はある事を思いついた。
「いや、納得する手段はあるだろう」
「というと?」
「好条件を出しまくるとのいうのはもちろんだが…‥‥最終的にはやはり相手の気持ち。そこに誘導できるように、それとな~~~~く雰囲気を創り出せばいいだけの話だ。また、本人たちに他からも口を出せる話し合いの場を設けさせれば、大丈夫だ…‥‥と思いたい」
「…‥‥」
国王のその言葉に、その場に居た全員は考えこみ‥‥‥そして渋々と了承した。
「そうであれば、それでいいと思われます」
「異議なし」
「色々と言いたいことがありますが‥‥‥まぁ、王命とあらば逆らうこともありません」
「ですが国王陛下」
「「「「何かあれば、率先して動いてくださいね?」」」」
「…‥‥はい」
一応、この場にいるのは国王の信頼のおける臣下たちのはずなのだが…‥‥皆から目を向けられ、告げられたその言葉に思わずハイドラ国王は身を縮め、小さく答えた。
仮にも国のトップだが、臣下たちからのプレッシャーがすごかったのである。
何にせよ、全会一致でその会議は終わるのであった‥‥‥‥。
丁度その会議が終わったころ、王城のある一室に集まっている者たちがいた。
「‥‥‥なぁ、なんでここに我々が集まったのか理解できているな?」
「ああ、同じ意見でな」
「普段は王位を争うべきなのだろうが…‥‥皆が一つにまとまらなければいけない事態になったからな」
そこに集まっていたのは、この国の第1王子アレス=バルモ=グレイモ、第2王子ハルバーン=バルモ=グレイモ、第3王子ギェーア=バルモ=グレイモであった。
彼らは本来、この国の次期国王の座を争うべき王子たちであったが、とある共通点があったがゆえに、互いに蹴り落とそうなどというドロドロとした醜い争いにまではいかなかった。
だがしかし、今回はそのとある共通点に関することが起き、その為に一旦争いを止め、共同戦線を張ることにしたのである。
いくら国益につながりそうで、この国の安寧にもなるかもしれないとしても‥‥‥‥やはり、受け入れがたいことはあるのだ。
次期国王になるのであれば、切り捨てていかねばならないことだってあるはずだ。
けれども、切り捨てられないことだってあるのだ。
その為、彼らは互に意思を確かめあい、暗黙の了解を互いに取って、心を一つにする。
失敗すれば王籍剥奪の可能性もあるが、それでもかまわない。
彼らにとって、大事なのは自分たちの権力ではなく‥‥‥‥愛すべき妹たちなのだ。
「いくら父上が決めたことでも」
「やはりまだまだ早いし、できればもっとそばにいて欲しい」
「その為にも、ここはやはり」
「「「我々が行動を起こさねば、誰がやるのだというのか!!」」」
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