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迷いの冬で章
196話
【ピギャァァーーー!!】
「う……あ、もう朝か」
朝っぱらから盛大な鳴き声が聞こえたので、目を覚ましてみれば、コカトリスの雛が盛大にもっふもふに羽毛に空気を入れて膨らませて、ウルトラモフモフになっていた。
朝日が窓から差し込み、その白いモフモフがより一層目立つというか、寝ぼけていたら巨大な饅頭にしか見えない。
…‥‥昨夜、バルション学園長に頼み込んで、この孵化した雛の飼育許可をもらい、さっそく今晩の枕に使用させていただいたのだが‥‥‥物凄い高級枕のような柔らかさをルースは味わい、これが真の寝心地なのかと感動を覚えたほどである。
【ピギャァ!ピギャァ!!】
元気よく布団の上で跳ねながら鳴くコカトリスの雛。
「‥‥‥ああ、お腹が減ったのか」
どうやら朝食を要求しているようで、あーんとくちばしを開けておねだりしていた。
さりげなく尻尾の方にあるもう一つの頭でもある蛇の頭の部分は、こちらは完全に花提灯を出して寝ていたのだが‥‥‥こっちはこっちでぐっすり寝ているのか。
とにもかくにも、朝食をとるために着替えたルースは、コカトリスの雛を連れて寮の食堂に訪れた。
【ピギャァァ!】
「ほいっと、これがちょうどいいんだよな?」
ちょっと大きな皿の上に、土と木、火などの魔法を複合して作り上げた様々な種類の石を置いてみると、おいしそうにバリバリと雛は食べ始めたのであった。
どうやらコカトリスは石化のブレスを吐くけれど、それは単なる攻撃手段というわけではなく、自身の食べ物を得るために使用するものでもあるらしい。
とはいえ、その辺のものを食べるために石化されても困るし、そもそもまだ幼い雛はブレスが扱えていないようなので、解決策として複合魔法で様々な石を作ってみたが‥‥‥これが思いのほか、成功したようである。
【ピギャァ!ピギャァ!】
おいしそうにぼりぼりと石を食べる雛。
石を食べているのだと思わなければ、物凄く可愛らしい光景なのだが…‥‥
――――――石ヲ砕イテ食ベルッテ事ハ、ソレダケ口ハ強イッテ事ダヨネ?
「バト、その事を考えるなよ……」
横にいつの間にかいたバトがつぶやいた言葉に対して、ルースは呆れたように答えるのであった。
甘噛みはくすぐったいのだが、本気噛みだったら骨砕けるよな。
そんなことはさておき、エルゼ達も起床してきたようで、食堂へ姿を現し、朝食を持ってルースの元へやって来た。
「おはよう、ルース君!」
「おはよう、良く眠れたか?」
「ああ。よく眠れたよ。あの雛の枕心地がすごく快適だったんだよな」
たわいもない返答を帰し、未だにバクバクと石を食べ続ける雛を横目に、ルースたちは朝のおしゃべりを始めた。
「で、一応あの雛は許可をもらって飼うことが許されたんだけどさ、ちょっと相談があるんだよね」
「「相談?」」
「あの雛の名前をどうしようかって悩んでいるんだよね」
今のところ、いくつかの候補をルースは考えていた。
モフモフ饅頭、シラタマちゃん、マシュマロンなど、見た目から考えついた名前を出してみたが、どれが良いのかわからないのである。
「そうなの‥‥‥ルース君が名付けるのであればどれも素晴らしいけれども…‥‥そうね、確かに難しいわね」
「ああ、名は一生付き合う物でもあるし、慎重に考えて損はないな」
――――――ウンウン、ソノ通リダヨー。
ルースの考えた名前の候補に、エルゼ達はニコッと笑ってどれも良いと言いつつ、やはり迷うようだ。
「ルース君の考えたもので言うのならば、『雪球ちゃん』も可愛いわね』
「あれ?そう言えば名前に関してふと持ったが、あの雛はオスなのか?メスなのか?そこが分からないと名づけが難しいだろう」
「ん?ああ、メスらしい」
実は昨晩、性別がどうなのか気になったので、寝る前にタキを召喚して尋ねたのである。
彼女は長年生きているし、経験が豊富そうなので、見分け方についても知っているのかと思って呼んでみたら、どうやら知っていたようだ。
なんでもコカトリスの場合、その尻尾の蛇の色で性別が分かるそうなのだ。
あの雛の尻尾の蛇の色は赤色。
赤や黄色と言った暖色系であればメス、その反対に青などの寒色系であればオスらしいのだ。
「とまぁ、そんな知識をもらったから、あの雛がメスっぽいのでそこから考えていたんだよね」
そんな知識をもらったのでタキにお礼を言ったら、今度何かしてほしいと言ってきたので、それまでにその何かについて考えてもらうことで送還したが、とにもかくにもあの雛がメスと分かれば、女の子らしい名前を付けたい。
「そうですか‥‥‥あれ?なんか今、聞き逃せないようなことがあったような」
「その何かについては、タキの方で決めてもらうのか?」
「うん」
――――――抜ケガケシナイヨウニ言ッテオカナイト。
何か今、バトが小さくつぶやいたが‥‥何のことだろうか。
ま、それはいいとして、ルースたちは雛の名前について話し合った。
そして、結果として‥‥‥
「なぁ、お前の名前って『ウルトラモフモフホワイトボールコカトリスノーン』でいいか?」
【…‥】
尋ねて見たら、可愛らしい顔から、物凄く渋い顔になった。
どうやらお気に召さなかったようで、顔で抗議しているようだが‥‥‥そんなに気に入らなかったのだろう。
「まぁ、今のは冗談だ。本当は『マシュマロスノー』、縮めて『マロ』でいいかな?」
【‥‥‥ピギャァ!!】
どうやら気に入ったようで、渋い顔から一転し、嬉しそうな声を上げた。
可愛らしいコカトリスの雛、マロはすりすりと擦りつけてきて、その可愛らしさゆえに、後日ファンが出来たそうだが、それはまた別のお話である。
「‥‥‥まぁ、メスでもルース君をたぶらかすような奴じゃなくて良かったわね」
「ああ、まったくだ。モンスターならばタキとヴィーラの二体で十分だしな」
――――アレナラ安心。
なにやら後方で、エルゼ達が言っているようだが…‥‥何の話だろうか?
とにもかくにも、皆にマロは受け入られたようであった。
「う……あ、もう朝か」
朝っぱらから盛大な鳴き声が聞こえたので、目を覚ましてみれば、コカトリスの雛が盛大にもっふもふに羽毛に空気を入れて膨らませて、ウルトラモフモフになっていた。
朝日が窓から差し込み、その白いモフモフがより一層目立つというか、寝ぼけていたら巨大な饅頭にしか見えない。
…‥‥昨夜、バルション学園長に頼み込んで、この孵化した雛の飼育許可をもらい、さっそく今晩の枕に使用させていただいたのだが‥‥‥物凄い高級枕のような柔らかさをルースは味わい、これが真の寝心地なのかと感動を覚えたほどである。
【ピギャァ!ピギャァ!!】
元気よく布団の上で跳ねながら鳴くコカトリスの雛。
「‥‥‥ああ、お腹が減ったのか」
どうやら朝食を要求しているようで、あーんとくちばしを開けておねだりしていた。
さりげなく尻尾の方にあるもう一つの頭でもある蛇の頭の部分は、こちらは完全に花提灯を出して寝ていたのだが‥‥‥こっちはこっちでぐっすり寝ているのか。
とにもかくにも、朝食をとるために着替えたルースは、コカトリスの雛を連れて寮の食堂に訪れた。
【ピギャァァ!】
「ほいっと、これがちょうどいいんだよな?」
ちょっと大きな皿の上に、土と木、火などの魔法を複合して作り上げた様々な種類の石を置いてみると、おいしそうにバリバリと雛は食べ始めたのであった。
どうやらコカトリスは石化のブレスを吐くけれど、それは単なる攻撃手段というわけではなく、自身の食べ物を得るために使用するものでもあるらしい。
とはいえ、その辺のものを食べるために石化されても困るし、そもそもまだ幼い雛はブレスが扱えていないようなので、解決策として複合魔法で様々な石を作ってみたが‥‥‥これが思いのほか、成功したようである。
【ピギャァ!ピギャァ!】
おいしそうにぼりぼりと石を食べる雛。
石を食べているのだと思わなければ、物凄く可愛らしい光景なのだが…‥‥
――――――石ヲ砕イテ食ベルッテ事ハ、ソレダケ口ハ強イッテ事ダヨネ?
「バト、その事を考えるなよ……」
横にいつの間にかいたバトがつぶやいた言葉に対して、ルースは呆れたように答えるのであった。
甘噛みはくすぐったいのだが、本気噛みだったら骨砕けるよな。
そんなことはさておき、エルゼ達も起床してきたようで、食堂へ姿を現し、朝食を持ってルースの元へやって来た。
「おはよう、ルース君!」
「おはよう、良く眠れたか?」
「ああ。よく眠れたよ。あの雛の枕心地がすごく快適だったんだよな」
たわいもない返答を帰し、未だにバクバクと石を食べ続ける雛を横目に、ルースたちは朝のおしゃべりを始めた。
「で、一応あの雛は許可をもらって飼うことが許されたんだけどさ、ちょっと相談があるんだよね」
「「相談?」」
「あの雛の名前をどうしようかって悩んでいるんだよね」
今のところ、いくつかの候補をルースは考えていた。
モフモフ饅頭、シラタマちゃん、マシュマロンなど、見た目から考えついた名前を出してみたが、どれが良いのかわからないのである。
「そうなの‥‥‥ルース君が名付けるのであればどれも素晴らしいけれども…‥‥そうね、確かに難しいわね」
「ああ、名は一生付き合う物でもあるし、慎重に考えて損はないな」
――――――ウンウン、ソノ通リダヨー。
ルースの考えた名前の候補に、エルゼ達はニコッと笑ってどれも良いと言いつつ、やはり迷うようだ。
「ルース君の考えたもので言うのならば、『雪球ちゃん』も可愛いわね』
「あれ?そう言えば名前に関してふと持ったが、あの雛はオスなのか?メスなのか?そこが分からないと名づけが難しいだろう」
「ん?ああ、メスらしい」
実は昨晩、性別がどうなのか気になったので、寝る前にタキを召喚して尋ねたのである。
彼女は長年生きているし、経験が豊富そうなので、見分け方についても知っているのかと思って呼んでみたら、どうやら知っていたようだ。
なんでもコカトリスの場合、その尻尾の蛇の色で性別が分かるそうなのだ。
あの雛の尻尾の蛇の色は赤色。
赤や黄色と言った暖色系であればメス、その反対に青などの寒色系であればオスらしいのだ。
「とまぁ、そんな知識をもらったから、あの雛がメスっぽいのでそこから考えていたんだよね」
そんな知識をもらったのでタキにお礼を言ったら、今度何かしてほしいと言ってきたので、それまでにその何かについて考えてもらうことで送還したが、とにもかくにもあの雛がメスと分かれば、女の子らしい名前を付けたい。
「そうですか‥‥‥あれ?なんか今、聞き逃せないようなことがあったような」
「その何かについては、タキの方で決めてもらうのか?」
「うん」
――――――抜ケガケシナイヨウニ言ッテオカナイト。
何か今、バトが小さくつぶやいたが‥‥何のことだろうか。
ま、それはいいとして、ルースたちは雛の名前について話し合った。
そして、結果として‥‥‥
「なぁ、お前の名前って『ウルトラモフモフホワイトボールコカトリスノーン』でいいか?」
【…‥】
尋ねて見たら、可愛らしい顔から、物凄く渋い顔になった。
どうやらお気に召さなかったようで、顔で抗議しているようだが‥‥‥そんなに気に入らなかったのだろう。
「まぁ、今のは冗談だ。本当は『マシュマロスノー』、縮めて『マロ』でいいかな?」
【‥‥‥ピギャァ!!】
どうやら気に入ったようで、渋い顔から一転し、嬉しそうな声を上げた。
可愛らしいコカトリスの雛、マロはすりすりと擦りつけてきて、その可愛らしさゆえに、後日ファンが出来たそうだが、それはまた別のお話である。
「‥‥‥まぁ、メスでもルース君をたぶらかすような奴じゃなくて良かったわね」
「ああ、まったくだ。モンスターならばタキとヴィーラの二体で十分だしな」
――――アレナラ安心。
なにやら後方で、エルゼ達が言っているようだが…‥‥何の話だろうか?
とにもかくにも、皆にマロは受け入られたようであった。
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