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第4章 集大成・ウィンターカップ
第228話 それぞれの大会前
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チーム メンバープロフィール
劉 子轩
北陵高等学校2年
203㎝92kg
誕生日:8/30
血液型:B
特徴:他の北陵の選手と同じく坊主頭だが、まばらに茶髪気味なのが特徴。中国からの留学生であり中学までは中国で生まれ育った。
パワーと機動力はあまりないものの、高い身長と長い手足、そして外からも打てるシュート力で内外で脅威となる。
性格的にはフレンドリーで社交的。日本語の発音では小さい「つ」の発音が特に苦手との事。
特技:長座体前屈
趣味:ヨガ
得意教科:英語
苦手教科:現代文
得意なプレイ:ミドルシュート、ポストプレー
バスケを始めたきっかけ:中学の時に身長が高いのを理由にスカウトされて
密かな悩み:日本人のチームメイトが変な日本語をたまに教えてくる
-----------------------------
新城「気をつけ!ありがとうございました!」
星垓メンバー「「「ありがとうございました!!!」」」
合同練習が終了。
岩倉「逆ブロックだけど、絶対勝ち上がれよ新城」
新城「お前らこそな。洛阪食って決勝まで来いよ」
霧谷「新城、髙木」
新城「ん?」
髙木「どうした?霧谷」
霧谷「昨年も全国に出てるから知ってるだろうが…忠告がある」
新城「なんだ?」
霧谷「ウインターカップの舞台は東京体育館…日本でも有数のデカい体育館だ」
髙木「ああ」
霧谷「デカい体育館だけに天井も高く、いつもと違う雰囲気で試合する事になる。あの独特の空気は何度経験してもすげえもんだ。
その上1、2年生の時に感じる会場の空気と…今年、3年が感じる空気は、3年にとっては最後でもあるせいか、全く違って感じるらしい。会場の空気に飲まれたら…東京体育館に棲んでる魔物が牙を剥く。
特にお前らはシードだ。初戦の入り方1つで全然違う結果になるはずだ。緊張しすぎず、気を抜きすぎず…そこのコンディションに1番気を配れ」
髙木「…わかった」
新城「ありがとな、霧谷」
霧谷「まあ、俺も見たいからな。お前らとメインコートで一緒に試合するのを」
※ウインターカップは1つの会場で行う為、初日からしばらくは3面コートで大会が進行するが、大会5日目、女子準決勝、男子準々決勝からは1面のみで試合が行われる。
会場全ての目が1つの試合に注目する為、会場の雰囲気もプレッシャーも圧倒的に強まる。
涼真「霧谷さん」
霧谷「おう」
涼真「願わくば、決勝で会いましょう」
霧谷「おう」
涼真と霧谷、拳をぶつけ合う。
-月刊バスケットボール、編集部-
村上「今年も年末が近づいて…高校生にとっては1番熱い冬が来る訳だな」
中嶋「そうですね」
山下「組み合わせも出ましたし、今から楽しみです」
村上「注目はやはり第1シード、インターハイ王者の洛阪の3連覇&3冠なるか、だな」
中嶋「今年に入ってカップ戦も含め、ほぼ全試合圧勝で勝ちに勝ってますからね。可能性は充分あります。
ですが…それをストップする可能性のあるチームの1つと準々決勝で当たる可能性がある、と」
山下「舟栄ね」
中嶋「控えも台頭してきてチーム力は上がり調子、特にエースの霧谷君は並々ならぬ闘志を燃やしてるって話です」
村上「左上ブロックは洛阪と舟栄の一騎討ちに静岡の氷成、東京の京洋が待ったをかけられるか…という展開かな」
中嶋「個人的には左下ブロックが読めませんね…シードの屋代工業の前評判が高いとは言え、県予選で大濠との熾烈な戦いを制している博多第一、国体で秋田を崖っぷちまで追い詰めた香川…豊誠学園、北信越地区特有の粘り強さと全国屈指のディフェンス力を誇る東裁大諏訪…」
山下「2人はどこが勝ち上がると思います?」
中嶋「あえて言うなら、組織力では屋代が強いと思いますね。ですがインターハイで絶対的エースがおらず、個の力での打開ができない弱点を露呈した。博多にはその点、由崎、田中といったU-18級のプレイヤーに上杉君というオールラウンドな得点源、留学生センターと個の力が揃っている。加えてU-18の監督でもある井ノ澤監督の元、組織力も抜群…」
村上「諏訪も屋代と似とるよな。スーパースターはいないが組織でのディフェンス力は素晴らしい。しかも留学生だろうと苦にしない」
中嶋「豊誠学園は…どちらかと言うと個の突破力のチームですね。古沢、間島、菊田といった強力なプレイヤーがいますし」
村上「ベスト8をかけた対決は『個vs組織』になりそうだ。順当にいけば準々決勝は博多と屋代…博多がベスト4といった所か」
山下「右上は、シードの星垓と北陵の一騎討ちになりそうですかね」
村上「順当ならばな」
中嶋「星垓は昨年負けている明桜が控えてますからね。東北でも屋代と並ぶ実力校ですし」
村上「だが、より勝ち上がりに苦労しそうなのは北陵かもしれん。新潟の開志は高さでは劣るがシュート力、機動力で北陵よりも上だからな。北信越大会で当たった時も北陵が最終的に勝ったもののいい試合をしてる。
だが俺が気になるのは…紅泉だ」
山下「紅泉?」
村上「近畿大会では洛阪に次ぐ2位。怪我でベストメンバーが揃った試合がこの1年なかなかない中で、だ。それに…フィジカルも強くラフプレーも辞さない程激しいディフェンスが特徴のチームだ。北陵には嫌な相手かもしれん」
中嶋「確かに…強いんですがあまりいい噂は聞きませんね。激しいというか…あれはその…乱暴とも言えます」
山下「むぅ…」
村上「右下は愛和が頭1つ抜けとるな」
中嶋「攻撃力では全国屈指…泰正学園、柴田、日南学園、深谷と強豪は揃ってますけど愛和の圧倒的な攻撃力に対抗できるチームは…」
村上「ま、今我々がしたのはあくまで夏、秋のチームを見ての予想でしかない。3年生最後の大会、今までも信じられないような様々なドラマを生み出してきた。それがウインターカップだ」
-北陵高校-
堂林は、1人更衣室で瞑想していた。
ガチャッ
更衣室の扉が開く。
筒井「なんだ、まだ着替えてなかったのかよ堂林」
三上「風邪ひくぞ」
堂林「…」
返事がない。
鳴沢「…ただのしかばねのようだ」
堂林「誰が屍だ」
ビクッ…!
鳴沢、突然の返事に驚く。
鳴沢「聞こえてんなら返事しろよ」
そこに再び更衣室の扉が開く。
入ってきたのは、光山と柳川、そして劉の2年生勢。
柳川「あれ?堂林さん何してんすか」
劉「と(っ)くに帰(っ)たと思(っ)たのに」
光山「…ウインターカップの事っすか」
堂林「…ああ」
堂林、ようやく立ち上がり着替えるためにロッカーへ。
堂林「今年の夏は準々決勝で星垓に負け…秋も準々決勝で神奈川に負け…」
筒井「…そうだったな」
三上「んでまたこのウインターカップ、準々決勝の相手は星垓の可能性大。ホントにくじ引きなのか?って疑うような組み合わせ、巡り合わせだよ」
鳴沢「北条の怪我の状態も気になるけどな」
筒井「噂じゃ復帰して前にも増して気合い入ってるとかなんとか」
堂林「…関係ねえな。相手が誰だろうと、状態がどうだろうと」
バタン
堂林、ロッカーの扉を閉める。
堂林「確かに準々決勝はリベンジのチャンスだ。けど、俺たちの目標はそこじゃない。優勝だろ」
筒井「…そうだったな」
堂林「前を見すぎても、見なさすぎてもいけねえ。どこが相手だろうと全力で勝つ!それだけだ」
-愛和工業大学附属高校-
ダム!!
体育館に残っているのは、武田1人。
武田はボールを2つ使い、ハンドリング強化の練習に励んでいた。
※1年生という事もあり、練習のためのボール1つ確保するだけでも大変なのだが今は誰もいない為贅沢に2つ使っている。
ダム!ダム!
武田(お互い勝ち上がれば準決勝で対決だ!涼真!強敵ばっかだけど…負けるんじゃねえぞ?)
ダム…!ダム…!
ガラッ!!
体育館の扉が開けられる。
「あ、武田いた」
武田「竹花か。どした?」
ダムダム…
竹花「どうした?じゃねえよ。お前がいないせいで全員が飯食えないんだけど!?」
※愛和工業大学附属のスポーツ科の寮では夕食は基本全員揃わないと始まらない
武田「あ、そういう事か。悪い」
竹花「悪い、じゃねえよこれで何度目だ!?」
武田「えーっと…19回目だったと思う!」
竹花「数えられる程覚えてんならいい加減学習しろや!」
バコッ!
竹花、武田に蹴りを入れる。
武田「ヘイヘイ、わかったよ」
武田、着替えに更衣室へ。
武田(いよいよ来週…12月23日からウインターカップ…中学のジュニアオールスター以来か…またあそこで試合するんだな…東京体育館!)
-洛阪高校-
スパッ!!!
高松「ふぅ…」
高松、シューティングの自主練を終え、タオルで汗を拭う。
塚森「おーい高松、そろそろ体育館閉めんぞ」
既に着替え終わっている塚森、体育館の入口から高松を呼ぶ。
大谷「いい加減切り上げてはよ着替えろよ高松」
田村「お前が着替えねえと寮に戻れねえんだよ」
高松「悪い…」
高松、言いつつバッシュの紐を緩める。
高松「なんつーか…落ち着かなくてな」
塚森「…」
大谷「…」
田村「…」
高松「優勝候補筆頭なんて雑誌やらネットで騒がれても、俺たちは所詮心臓1つの1人の人間で高校生なんだよな」
優勝候補筆頭の洛阪と戦う相手にはその名前すら重圧となり、のしかかる。
だが、優勝を期待され負ける事を許されない彼らの感じるプレッシャーはその比ではない。
高松「優勝して当たり前、負ければ非難の嵐…勝っても嬉しいというよりホッとする感じ…キツいもんだな、頂に立ち続けるってのも」
田村「けどそれは、お前が選んだ道だろ?中学の時から」
塚森「中学か…懐かしいな。全中で高松のいる東福岡にボロボロにやられたのはいい思い出だ」
(そして未だに、たまにムカつく)
大谷「中2、中3と同じ中学生相手には無敗、洛阪では1年の時のインターハイ決勝で博多第一に負けた1度きり…」
田村「まあその時は…U-16の大会とインターハイが被ったせいで決勝に高松がいなかったけどな」
塚森「そう考えると、中1の時の全中準決勝で庄内六中に負けた以外で中高って負けてないのか」
高松「そういやそうだな」
高松、身支度を終える。
高松「高校3年間の集大成…どうせなら最後も頂に立ってやる。どいつと当たろうと、死に物狂いで俺達を頂から蹴落とそうと挑んでくる。それを全て蹴散らし…雄々しく頂に立ってやる。
んで大学からは…また頂点への挑戦だ」
塚森「まさか…関東1部とはいえ中堅の法帝大学を選ぶとはね…」
高松「だって、そうしなきゃ本物の強い奴らとは戦えないだろ」
4人は寮へと帰っていく。
高松「挑戦こそが、俺の生き甲斐なんだよ。その為にもウインターカップ、優勝して3冠取ってやる。これもまた試練であり挑戦さ」
……To be continued
劉 子轩
北陵高等学校2年
203㎝92kg
誕生日:8/30
血液型:B
特徴:他の北陵の選手と同じく坊主頭だが、まばらに茶髪気味なのが特徴。中国からの留学生であり中学までは中国で生まれ育った。
パワーと機動力はあまりないものの、高い身長と長い手足、そして外からも打てるシュート力で内外で脅威となる。
性格的にはフレンドリーで社交的。日本語の発音では小さい「つ」の発音が特に苦手との事。
特技:長座体前屈
趣味:ヨガ
得意教科:英語
苦手教科:現代文
得意なプレイ:ミドルシュート、ポストプレー
バスケを始めたきっかけ:中学の時に身長が高いのを理由にスカウトされて
密かな悩み:日本人のチームメイトが変な日本語をたまに教えてくる
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新城「気をつけ!ありがとうございました!」
星垓メンバー「「「ありがとうございました!!!」」」
合同練習が終了。
岩倉「逆ブロックだけど、絶対勝ち上がれよ新城」
新城「お前らこそな。洛阪食って決勝まで来いよ」
霧谷「新城、髙木」
新城「ん?」
髙木「どうした?霧谷」
霧谷「昨年も全国に出てるから知ってるだろうが…忠告がある」
新城「なんだ?」
霧谷「ウインターカップの舞台は東京体育館…日本でも有数のデカい体育館だ」
髙木「ああ」
霧谷「デカい体育館だけに天井も高く、いつもと違う雰囲気で試合する事になる。あの独特の空気は何度経験してもすげえもんだ。
その上1、2年生の時に感じる会場の空気と…今年、3年が感じる空気は、3年にとっては最後でもあるせいか、全く違って感じるらしい。会場の空気に飲まれたら…東京体育館に棲んでる魔物が牙を剥く。
特にお前らはシードだ。初戦の入り方1つで全然違う結果になるはずだ。緊張しすぎず、気を抜きすぎず…そこのコンディションに1番気を配れ」
髙木「…わかった」
新城「ありがとな、霧谷」
霧谷「まあ、俺も見たいからな。お前らとメインコートで一緒に試合するのを」
※ウインターカップは1つの会場で行う為、初日からしばらくは3面コートで大会が進行するが、大会5日目、女子準決勝、男子準々決勝からは1面のみで試合が行われる。
会場全ての目が1つの試合に注目する為、会場の雰囲気もプレッシャーも圧倒的に強まる。
涼真「霧谷さん」
霧谷「おう」
涼真「願わくば、決勝で会いましょう」
霧谷「おう」
涼真と霧谷、拳をぶつけ合う。
-月刊バスケットボール、編集部-
村上「今年も年末が近づいて…高校生にとっては1番熱い冬が来る訳だな」
中嶋「そうですね」
山下「組み合わせも出ましたし、今から楽しみです」
村上「注目はやはり第1シード、インターハイ王者の洛阪の3連覇&3冠なるか、だな」
中嶋「今年に入ってカップ戦も含め、ほぼ全試合圧勝で勝ちに勝ってますからね。可能性は充分あります。
ですが…それをストップする可能性のあるチームの1つと準々決勝で当たる可能性がある、と」
山下「舟栄ね」
中嶋「控えも台頭してきてチーム力は上がり調子、特にエースの霧谷君は並々ならぬ闘志を燃やしてるって話です」
村上「左上ブロックは洛阪と舟栄の一騎討ちに静岡の氷成、東京の京洋が待ったをかけられるか…という展開かな」
中嶋「個人的には左下ブロックが読めませんね…シードの屋代工業の前評判が高いとは言え、県予選で大濠との熾烈な戦いを制している博多第一、国体で秋田を崖っぷちまで追い詰めた香川…豊誠学園、北信越地区特有の粘り強さと全国屈指のディフェンス力を誇る東裁大諏訪…」
山下「2人はどこが勝ち上がると思います?」
中嶋「あえて言うなら、組織力では屋代が強いと思いますね。ですがインターハイで絶対的エースがおらず、個の力での打開ができない弱点を露呈した。博多にはその点、由崎、田中といったU-18級のプレイヤーに上杉君というオールラウンドな得点源、留学生センターと個の力が揃っている。加えてU-18の監督でもある井ノ澤監督の元、組織力も抜群…」
村上「諏訪も屋代と似とるよな。スーパースターはいないが組織でのディフェンス力は素晴らしい。しかも留学生だろうと苦にしない」
中嶋「豊誠学園は…どちらかと言うと個の突破力のチームですね。古沢、間島、菊田といった強力なプレイヤーがいますし」
村上「ベスト8をかけた対決は『個vs組織』になりそうだ。順当にいけば準々決勝は博多と屋代…博多がベスト4といった所か」
山下「右上は、シードの星垓と北陵の一騎討ちになりそうですかね」
村上「順当ならばな」
中嶋「星垓は昨年負けている明桜が控えてますからね。東北でも屋代と並ぶ実力校ですし」
村上「だが、より勝ち上がりに苦労しそうなのは北陵かもしれん。新潟の開志は高さでは劣るがシュート力、機動力で北陵よりも上だからな。北信越大会で当たった時も北陵が最終的に勝ったもののいい試合をしてる。
だが俺が気になるのは…紅泉だ」
山下「紅泉?」
村上「近畿大会では洛阪に次ぐ2位。怪我でベストメンバーが揃った試合がこの1年なかなかない中で、だ。それに…フィジカルも強くラフプレーも辞さない程激しいディフェンスが特徴のチームだ。北陵には嫌な相手かもしれん」
中嶋「確かに…強いんですがあまりいい噂は聞きませんね。激しいというか…あれはその…乱暴とも言えます」
山下「むぅ…」
村上「右下は愛和が頭1つ抜けとるな」
中嶋「攻撃力では全国屈指…泰正学園、柴田、日南学園、深谷と強豪は揃ってますけど愛和の圧倒的な攻撃力に対抗できるチームは…」
村上「ま、今我々がしたのはあくまで夏、秋のチームを見ての予想でしかない。3年生最後の大会、今までも信じられないような様々なドラマを生み出してきた。それがウインターカップだ」
-北陵高校-
堂林は、1人更衣室で瞑想していた。
ガチャッ
更衣室の扉が開く。
筒井「なんだ、まだ着替えてなかったのかよ堂林」
三上「風邪ひくぞ」
堂林「…」
返事がない。
鳴沢「…ただのしかばねのようだ」
堂林「誰が屍だ」
ビクッ…!
鳴沢、突然の返事に驚く。
鳴沢「聞こえてんなら返事しろよ」
そこに再び更衣室の扉が開く。
入ってきたのは、光山と柳川、そして劉の2年生勢。
柳川「あれ?堂林さん何してんすか」
劉「と(っ)くに帰(っ)たと思(っ)たのに」
光山「…ウインターカップの事っすか」
堂林「…ああ」
堂林、ようやく立ち上がり着替えるためにロッカーへ。
堂林「今年の夏は準々決勝で星垓に負け…秋も準々決勝で神奈川に負け…」
筒井「…そうだったな」
三上「んでまたこのウインターカップ、準々決勝の相手は星垓の可能性大。ホントにくじ引きなのか?って疑うような組み合わせ、巡り合わせだよ」
鳴沢「北条の怪我の状態も気になるけどな」
筒井「噂じゃ復帰して前にも増して気合い入ってるとかなんとか」
堂林「…関係ねえな。相手が誰だろうと、状態がどうだろうと」
バタン
堂林、ロッカーの扉を閉める。
堂林「確かに準々決勝はリベンジのチャンスだ。けど、俺たちの目標はそこじゃない。優勝だろ」
筒井「…そうだったな」
堂林「前を見すぎても、見なさすぎてもいけねえ。どこが相手だろうと全力で勝つ!それだけだ」
-愛和工業大学附属高校-
ダム!!
体育館に残っているのは、武田1人。
武田はボールを2つ使い、ハンドリング強化の練習に励んでいた。
※1年生という事もあり、練習のためのボール1つ確保するだけでも大変なのだが今は誰もいない為贅沢に2つ使っている。
ダム!ダム!
武田(お互い勝ち上がれば準決勝で対決だ!涼真!強敵ばっかだけど…負けるんじゃねえぞ?)
ダム…!ダム…!
ガラッ!!
体育館の扉が開けられる。
「あ、武田いた」
武田「竹花か。どした?」
ダムダム…
竹花「どうした?じゃねえよ。お前がいないせいで全員が飯食えないんだけど!?」
※愛和工業大学附属のスポーツ科の寮では夕食は基本全員揃わないと始まらない
武田「あ、そういう事か。悪い」
竹花「悪い、じゃねえよこれで何度目だ!?」
武田「えーっと…19回目だったと思う!」
竹花「数えられる程覚えてんならいい加減学習しろや!」
バコッ!
竹花、武田に蹴りを入れる。
武田「ヘイヘイ、わかったよ」
武田、着替えに更衣室へ。
武田(いよいよ来週…12月23日からウインターカップ…中学のジュニアオールスター以来か…またあそこで試合するんだな…東京体育館!)
-洛阪高校-
スパッ!!!
高松「ふぅ…」
高松、シューティングの自主練を終え、タオルで汗を拭う。
塚森「おーい高松、そろそろ体育館閉めんぞ」
既に着替え終わっている塚森、体育館の入口から高松を呼ぶ。
大谷「いい加減切り上げてはよ着替えろよ高松」
田村「お前が着替えねえと寮に戻れねえんだよ」
高松「悪い…」
高松、言いつつバッシュの紐を緩める。
高松「なんつーか…落ち着かなくてな」
塚森「…」
大谷「…」
田村「…」
高松「優勝候補筆頭なんて雑誌やらネットで騒がれても、俺たちは所詮心臓1つの1人の人間で高校生なんだよな」
優勝候補筆頭の洛阪と戦う相手にはその名前すら重圧となり、のしかかる。
だが、優勝を期待され負ける事を許されない彼らの感じるプレッシャーはその比ではない。
高松「優勝して当たり前、負ければ非難の嵐…勝っても嬉しいというよりホッとする感じ…キツいもんだな、頂に立ち続けるってのも」
田村「けどそれは、お前が選んだ道だろ?中学の時から」
塚森「中学か…懐かしいな。全中で高松のいる東福岡にボロボロにやられたのはいい思い出だ」
(そして未だに、たまにムカつく)
大谷「中2、中3と同じ中学生相手には無敗、洛阪では1年の時のインターハイ決勝で博多第一に負けた1度きり…」
田村「まあその時は…U-16の大会とインターハイが被ったせいで決勝に高松がいなかったけどな」
塚森「そう考えると、中1の時の全中準決勝で庄内六中に負けた以外で中高って負けてないのか」
高松「そういやそうだな」
高松、身支度を終える。
高松「高校3年間の集大成…どうせなら最後も頂に立ってやる。どいつと当たろうと、死に物狂いで俺達を頂から蹴落とそうと挑んでくる。それを全て蹴散らし…雄々しく頂に立ってやる。
んで大学からは…また頂点への挑戦だ」
塚森「まさか…関東1部とはいえ中堅の法帝大学を選ぶとはね…」
高松「だって、そうしなきゃ本物の強い奴らとは戦えないだろ」
4人は寮へと帰っていく。
高松「挑戦こそが、俺の生き甲斐なんだよ。その為にもウインターカップ、優勝して3冠取ってやる。これもまた試練であり挑戦さ」
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