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第1章 入学〜インターハイ予選
第30話 予期せぬ事態
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第1Q 残り6:58
湘洋大付属 6
星垓 9
星垓、10番のスリーが決まる。
湘洋大付属の攻撃。
平井「落ち着け。まだ第1Qだし2、3相手の策が上手くいったってだけの話だ。いつも通り攻めるぞ」
平井のところに徳山がスクリーンに来る。
マークする中澤、自分より16㎝も大きい徳山の巨体に阻まれ平井についていけず。
新城「チッ…」
新城、即座に平井のマーク。
平井、即座にインサイドへパス。
そこには中澤を押さえ込んだままインサイドへ向かう徳山。
いわゆる「ピック&ロール」のプレイ。
バスッ!
徳山、中澤との16㎝の差を活かしゴール下を沈める。
村上「ピック&ロールはスクリーンをかけるプレイヤーが長身であるほど、そしてオフェンス側の2人に身長差があるほど有効なプレイだが、相当この形は練習しているんだろう、綺麗なピック&ロールだったな
かといってインサイドを固めて外のプレイヤーにディフェンスが出なければ…そのままシュートを打たれる」
山下「ピック&ロールってどうやって止めれば…」
村上「いくつかあるが…まずはディフェンスがスクリーンにきてもひっかからなければいい…が、相手の身体が大きいためにこれは難しいだろう。
あとは、スクリーン後にパスをインサイドに通させないことだな」
ここから湘洋大付属はピック&ロールを中心に攻め立てる。
平井、日下部に徳山、中西といった長身のプレイヤーがスクリーンに行き、ディフェンスが入れ替わったところでインサイドへパスし、低身長のディフェンスと高身長のオフェンスという「ミスマッチ」を作り出す。
村上の言うように幾度かはパスを防ぎ止めることもできたが、湘洋大付属の高さの前にディフェンスで苦戦する。
加えてオフェンスでも、湘洋大付属の高さを意識してかシュートがリングの手前を弾く短いシュートになりがちであった。
真田の最初のスリーポイントのミスもまさにそれであった。
星垓は涼真の個人技や真田、中澤、新城がアウトサイドやミドルから決めて対抗するも逆転を許し、ジワジワと差を広げられる。
ブーッ!
第1Q終了
湘洋大付属 25
星垓 18
村上「湘洋大付属がインサイドを制圧したのかこの点差か…」
山下「さすが王者ですね」
村上「気になるのは星垓の7番だ。今日はアシストこそ伸びているがまだ無得点だ。星垓は4番、7番、13番の3人で常に合計60~70点は軽く稼いでる。7番が10分無得点なんてかつてなかったことなんじゃないか?」
その通りだった。
髙木はアシストこそこのQだけで5本記録していたが、得点はおろか、シュートも1度しかこのQ打っていないのだ。
髙木「くそ…」
(俺は何もできなかった…俺が1番チームでデカいのに…俺がやらなくちゃいけないのに…俺はビビっていた…シュートに行かれなかった)
唐沢「…」
唐沢は気落ちする髙木を見ている。
唐沢「相手のピック&ロールから多くの点を許してしまっていますね…」
新城「はい…」
唐沢「第2Q、2-3のゾーンを敷きます」
新城「ゾーンを?」
唐沢「湘洋大付属は今、徹底してインサイドを攻めています。ゾーンには外のシュートで対抗というのがセオリーですが、元々インサイド主体のチームですし湘洋大付属といえどアジャストするには時間を要するでしょう」
神崎「なるほど」
唐沢「そして、髙木くん」
髙木「は、はい!?」
唐沢「このゾーンは君の活躍なくしては成り立ちません。頭を切り替えて君がゴール下を守るんです」
髙木「…」
唐沢「君にしかできません」
髙木「はい!」
第2Q開始
湘洋大付属
G #6 平井 圭太郎 3年 181㎝
G/F #7 日下部 亘 3年 185㎝
F #4 徳山 勝美 3年 192㎝
C/F #15 織田 雄太 1年 196㎝
C #5 中西 岳 3年 201㎝
星垓
G #4 新城 敦史 3年 184㎝
G #10 真田 直斗 2年 183㎝
F #13 北条 涼真 1年 187㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
C #15 皆藤 賢 1年 198㎝
星垓は神崎に変え、皆藤を投入。
星垓オフェンスからスタート。
皆藤、真田のスクリーンで涼真が左コーナーでフリーに。
涼真、スリーポイントから一歩入ったところから長めのミドルシュート。
スパァッ!
星垓メンバー「いよっしゃあ!」
徳山「チッ…」
平井「気にすんな、一本取るぞ」
平井、ボールを運ぶ。
平井「む?ゾーンか?」
徳山「またゾーンか…」
日下部「俺たちはゾーンなんて慣れっこだってのによ」
平井「2番!」
村上「ナンバープレー(あらかじめ決められた動きをするプレイ)か?」
平井、ドリブルしたまま左ウイングに移動。
同時に左ウイングにいた織田がゴール下を通り右コーナーに切れていく。
右ウイングにいた日下部が更に平井にスクリーンをかける。
そんな間にもゴール下で徳山、中西がスクリーンをかけあう。
皆藤「どこだ…」
髙木「どこで決めにくる…」
日下部のスクリーンでフリーになった平井、ゴール付近に緩やかなパスを出す。
「!?」
星垓メンバーが虚を突かれたこのパス
スクリーンで動きやすくなった織田が空中で受け取る。
新城「なんだと!?」
真田「アリウープ…!?」
徳山「いけぇ!」
だが。
そこに青い影。
涼真「行かすか!」
涼真、ブロックに飛ぶ。
中西「なんて高さだ…」
だが。
ドッガアアアアアアァ!
涼真がブロックに行くもそれ以上のパワーで織田がボースハンドダンクを決める。
同時に涼真の身体が織田に接触。
ピピーッ!
審判の笛がファウルを告げる。
第2Q 残り8:24
湘洋大付属 27
星垓 20
バタァーン!
涼真「がはぁっ…」
涼真、バランスを崩しフロアに叩きつけられる。
木村「いやあああ!」
慎太郎「涼真!」
宮本「北条くん!」
涼真、倒れ伏したまま起き上がれない。
審判「レフェリータイム!」
村上「これは…」
山下「思わぬアクシデントですね…大丈夫でしょうか…」
審判「タンカだ!タンカ持ってきて!」
タンカが運び込まれる。
審判「どうやら脳震盪をおこしてる!」
観客もざわついている。
新城「涼真!」
髙木「まじかよ…」
そんな中、ファウルを受けた織田のフリースロー。
ザシュッ!
しっかりと沈める。
涼真に変わってコートに立つのは神崎。
引き続きディフェンスは2-3ゾーンで湘洋大付属を迎え撃つ。
第2Q 残り8:24
湘洋大付属 28
星垓 20
湘洋大付属
G #6 平井 圭太郎 3年 181㎝
G/F #7 日下部 亘 3年 185㎝
F #4 徳山 勝美 3年 192㎝
C/F #15 織田 雄太 1年 196㎝
C #5 中西 岳 3年 201㎝
星垓
G #4 新城 敦史 3年 184㎝
G #10 真田 直斗 2年 183㎝
F #9 神崎 健太 2年 190㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
C #15 皆藤 賢 1年 198㎝
平均身長だけ見れば、湘洋大付属191、星垓190.6と大差ない。
だが、得点源の1人である涼真を欠き、加えてゾーンを攻めることに長けた湘洋大付属には大した問題ではなかった。
徳山「このくらいのチーム、全国にはいくらでもあるぜ」
前半残りの8分間、星垓は完全に圧倒された。
オフェンスでもディフェンスでも、リバウンドでも技術でもメンタルでも、何もかもで。
前半が終わった時、星垓はもはやKO寸前な点差まで追い詰められていた。
前半終了
湘洋大付属 53
星垓 28
To be continued…
湘洋大付属 6
星垓 9
星垓、10番のスリーが決まる。
湘洋大付属の攻撃。
平井「落ち着け。まだ第1Qだし2、3相手の策が上手くいったってだけの話だ。いつも通り攻めるぞ」
平井のところに徳山がスクリーンに来る。
マークする中澤、自分より16㎝も大きい徳山の巨体に阻まれ平井についていけず。
新城「チッ…」
新城、即座に平井のマーク。
平井、即座にインサイドへパス。
そこには中澤を押さえ込んだままインサイドへ向かう徳山。
いわゆる「ピック&ロール」のプレイ。
バスッ!
徳山、中澤との16㎝の差を活かしゴール下を沈める。
村上「ピック&ロールはスクリーンをかけるプレイヤーが長身であるほど、そしてオフェンス側の2人に身長差があるほど有効なプレイだが、相当この形は練習しているんだろう、綺麗なピック&ロールだったな
かといってインサイドを固めて外のプレイヤーにディフェンスが出なければ…そのままシュートを打たれる」
山下「ピック&ロールってどうやって止めれば…」
村上「いくつかあるが…まずはディフェンスがスクリーンにきてもひっかからなければいい…が、相手の身体が大きいためにこれは難しいだろう。
あとは、スクリーン後にパスをインサイドに通させないことだな」
ここから湘洋大付属はピック&ロールを中心に攻め立てる。
平井、日下部に徳山、中西といった長身のプレイヤーがスクリーンに行き、ディフェンスが入れ替わったところでインサイドへパスし、低身長のディフェンスと高身長のオフェンスという「ミスマッチ」を作り出す。
村上の言うように幾度かはパスを防ぎ止めることもできたが、湘洋大付属の高さの前にディフェンスで苦戦する。
加えてオフェンスでも、湘洋大付属の高さを意識してかシュートがリングの手前を弾く短いシュートになりがちであった。
真田の最初のスリーポイントのミスもまさにそれであった。
星垓は涼真の個人技や真田、中澤、新城がアウトサイドやミドルから決めて対抗するも逆転を許し、ジワジワと差を広げられる。
ブーッ!
第1Q終了
湘洋大付属 25
星垓 18
村上「湘洋大付属がインサイドを制圧したのかこの点差か…」
山下「さすが王者ですね」
村上「気になるのは星垓の7番だ。今日はアシストこそ伸びているがまだ無得点だ。星垓は4番、7番、13番の3人で常に合計60~70点は軽く稼いでる。7番が10分無得点なんてかつてなかったことなんじゃないか?」
その通りだった。
髙木はアシストこそこのQだけで5本記録していたが、得点はおろか、シュートも1度しかこのQ打っていないのだ。
髙木「くそ…」
(俺は何もできなかった…俺が1番チームでデカいのに…俺がやらなくちゃいけないのに…俺はビビっていた…シュートに行かれなかった)
唐沢「…」
唐沢は気落ちする髙木を見ている。
唐沢「相手のピック&ロールから多くの点を許してしまっていますね…」
新城「はい…」
唐沢「第2Q、2-3のゾーンを敷きます」
新城「ゾーンを?」
唐沢「湘洋大付属は今、徹底してインサイドを攻めています。ゾーンには外のシュートで対抗というのがセオリーですが、元々インサイド主体のチームですし湘洋大付属といえどアジャストするには時間を要するでしょう」
神崎「なるほど」
唐沢「そして、髙木くん」
髙木「は、はい!?」
唐沢「このゾーンは君の活躍なくしては成り立ちません。頭を切り替えて君がゴール下を守るんです」
髙木「…」
唐沢「君にしかできません」
髙木「はい!」
第2Q開始
湘洋大付属
G #6 平井 圭太郎 3年 181㎝
G/F #7 日下部 亘 3年 185㎝
F #4 徳山 勝美 3年 192㎝
C/F #15 織田 雄太 1年 196㎝
C #5 中西 岳 3年 201㎝
星垓
G #4 新城 敦史 3年 184㎝
G #10 真田 直斗 2年 183㎝
F #13 北条 涼真 1年 187㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
C #15 皆藤 賢 1年 198㎝
星垓は神崎に変え、皆藤を投入。
星垓オフェンスからスタート。
皆藤、真田のスクリーンで涼真が左コーナーでフリーに。
涼真、スリーポイントから一歩入ったところから長めのミドルシュート。
スパァッ!
星垓メンバー「いよっしゃあ!」
徳山「チッ…」
平井「気にすんな、一本取るぞ」
平井、ボールを運ぶ。
平井「む?ゾーンか?」
徳山「またゾーンか…」
日下部「俺たちはゾーンなんて慣れっこだってのによ」
平井「2番!」
村上「ナンバープレー(あらかじめ決められた動きをするプレイ)か?」
平井、ドリブルしたまま左ウイングに移動。
同時に左ウイングにいた織田がゴール下を通り右コーナーに切れていく。
右ウイングにいた日下部が更に平井にスクリーンをかける。
そんな間にもゴール下で徳山、中西がスクリーンをかけあう。
皆藤「どこだ…」
髙木「どこで決めにくる…」
日下部のスクリーンでフリーになった平井、ゴール付近に緩やかなパスを出す。
「!?」
星垓メンバーが虚を突かれたこのパス
スクリーンで動きやすくなった織田が空中で受け取る。
新城「なんだと!?」
真田「アリウープ…!?」
徳山「いけぇ!」
だが。
そこに青い影。
涼真「行かすか!」
涼真、ブロックに飛ぶ。
中西「なんて高さだ…」
だが。
ドッガアアアアアアァ!
涼真がブロックに行くもそれ以上のパワーで織田がボースハンドダンクを決める。
同時に涼真の身体が織田に接触。
ピピーッ!
審判の笛がファウルを告げる。
第2Q 残り8:24
湘洋大付属 27
星垓 20
バタァーン!
涼真「がはぁっ…」
涼真、バランスを崩しフロアに叩きつけられる。
木村「いやあああ!」
慎太郎「涼真!」
宮本「北条くん!」
涼真、倒れ伏したまま起き上がれない。
審判「レフェリータイム!」
村上「これは…」
山下「思わぬアクシデントですね…大丈夫でしょうか…」
審判「タンカだ!タンカ持ってきて!」
タンカが運び込まれる。
審判「どうやら脳震盪をおこしてる!」
観客もざわついている。
新城「涼真!」
髙木「まじかよ…」
そんな中、ファウルを受けた織田のフリースロー。
ザシュッ!
しっかりと沈める。
涼真に変わってコートに立つのは神崎。
引き続きディフェンスは2-3ゾーンで湘洋大付属を迎え撃つ。
第2Q 残り8:24
湘洋大付属 28
星垓 20
湘洋大付属
G #6 平井 圭太郎 3年 181㎝
G/F #7 日下部 亘 3年 185㎝
F #4 徳山 勝美 3年 192㎝
C/F #15 織田 雄太 1年 196㎝
C #5 中西 岳 3年 201㎝
星垓
G #4 新城 敦史 3年 184㎝
G #10 真田 直斗 2年 183㎝
F #9 神崎 健太 2年 190㎝
C #7 髙木 悠介 3年 198㎝
C #15 皆藤 賢 1年 198㎝
平均身長だけ見れば、湘洋大付属191、星垓190.6と大差ない。
だが、得点源の1人である涼真を欠き、加えてゾーンを攻めることに長けた湘洋大付属には大した問題ではなかった。
徳山「このくらいのチーム、全国にはいくらでもあるぜ」
前半残りの8分間、星垓は完全に圧倒された。
オフェンスでもディフェンスでも、リバウンドでも技術でもメンタルでも、何もかもで。
前半が終わった時、星垓はもはやKO寸前な点差まで追い詰められていた。
前半終了
湘洋大付属 53
星垓 28
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