子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

文字の大きさ
33 / 480

学生期 弐

しおりを挟む
…それから半年後。


「…えー、ここでみなさんにお知らせがあります」


去年のように一年が始まる時期に入学式が行われると、式が終了した後に理事長が壇上に上がって報告を始める。


「今日から臨時教員が一名、増える事になりました。ではどうぞ」

「…みなさん初めまして。魔法協会から派遣されてきました、『アーシェ・クライン』と申します。主に重傷の人の治療を担当する事になってますので、よろしくお願いします」


理事長が紹介するように言うと…元家庭教師の先生が壇上に立ち、自己紹介をしながら俺を見て手を振った。


「…なんか俺達とそんな歳が変わらん先生がやって来たな」

「魔法協会から派遣されてきたってどういう事だ?」

「っていうかこっち見て手を振ってなかったか?俺の気のせい?」


式が終わったので教室に戻ってる最中にクラスメイト達があのお姉さんについて話し始める。


「えー…みなさん、今年もよろしくお願いします。早速ですが、転入生を紹介したいと思います」

「転入生?」

「転入って事は試験を突破してきたのか?」

「転入試験って結構ハードルが高いって噂じゃなかった?」


教室に着くと担任が壇上で挨拶をした後に意外な報告をするのでクラス内がザワザワと騒がしくなった。


「静かに。ではどうぞ」

「あ…初めまして。『カルド・ソレバ』って言います。よろしくお願いします」


担任のドアを開けながら合図に緊張した面持ちの男子が入ってきて自己紹介をすると軽く頭を下げる。


「では席は…」

「先生。ココ空いてます」

「リデックの後ろなら大丈夫だと思います」


担任が空いてる席を見ながら迷ってると隣の席の男子生徒が笑いながら俺の後ろの席を指差し、逆隣の男子生徒も笑いながら推した。


「じゃあソコで。リデック君なら色々と教えてくれるでしょう。分からない事があれば彼に限らず、気軽にみんなに尋ねて下さいね」

「はい」


担任は転入生の席を決めると説明するように告げる。


「そういや、リデック。良く考えたら転入生と席交換した方が良くね?」

「は?」

「いやほら、やっぱ前の奴に聞くより振り返って後ろの奴に聞く方が聞き易いだろ?」

「…まあ俺はどっちでも構わないけど」


前の席の男子生徒が思いついたようにアドバイスしてくるので俺は席を一つ後ろにズレる事に。


「おう、転入生こっちこっち。なんか分からない事があったら俺らかリデックに聞いてくれ」


隣の席の男子生徒は歩いてる転入生を手招きで呼んで俺の前の席を指差して言うと…


「あ…ありがとう。よろしく」

「おう」

「答えられる範囲でしか答えられないけどな」


転入生はその席に座ってお礼と挨拶を言うので俺は注意するように返す。


「では授業を始めます」

「はーい」

「ふー…」

「え?」


担任が授業の開始を告げるとみんなが席を立って移動し始め、転入生は困ったようにみんなを見る。


「今日の授業は実技だからな。移動しようぜ」

「実技?」

「まあ『魔法』の訓練だな」

「あ、なるほど」


隣の席の男子生徒が説明しながら立ち上がると転入生は不思議そうに聞くので俺が答えると納得したように席から立ち上がった。


「実技の時は外の訓練場でやる事になってんだ。この学校は敷地が超広いから訓練場の数も多くてな」

「へー」

「周りに被害が出ないように、ってこんな山奥に学校を作ったんだと。確か山三つ分ぐらいの土地があるって言ってたっけ?」

「あと誘拐とかの問題が起きないように…だな。貴族の跡取りが誘拐とかされたら大変だし」


男子生徒達が転入生に学校の敷地内の広さと理由を教えるので俺は他にも理由がある事を話す。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。 しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。 全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。 超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!? 万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。 一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。 「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」 ――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。 これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...