子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

文字の大きさ
104 / 480

青年期 40

しおりを挟む
…翌日。


朝から父親から呼び出しを食らったので家に帰ると…


「兄さんお帰り」

「お兄様!騎士になられたんですって?」


珍しく弟と妹が二人一緒に帰って来ていた。


「ああ、お前ら帰ってたのか。なんか知らんが西の国境から王都に戻るや否や叙任式の案内がきてな」

「…ココから西の国境まではどんなに早くても3日はかかると思うんだけど…叙任式って確か防衛に成功した翌日だよね?」

「えーと…報酬貰った次の日だから…多分そう」

「…おかしくない?」


俺が適当な感じで説明すると弟に確認され、曖昧な感じで肯定すると納得出来ないような感じで聞く。


「…確かに…もしかしてお兄様が参加出来ない状況なのを知ってて嫌がらせを…?」

「さあ?とりあえず叙任式のやつは南の国境を防衛した功績で、って話だったから本来ならもっと後にやる予定だったんじゃね?たまたま俺が王都に居たから直ぐにやっただけで」


妹の予想に俺も適当な感じの予想を話す。


「でも兄さんはどうやって王都にすぐ戻って来れたの?」

「変化魔法でドラゴンに変身して飛んだ」

「ドラゴンに!?」

「ドラゴン!?」


弟が不思議そうに疑問を聞いてくるので方法を話すと妹にも驚かれる。


「急げば音の速度なんて簡単に超えられるし、普通に飛んでも王都までは一時間もかからんかったぞ」

「い、一時間で国の端まで移動できるの…?」


俺の説明と体験談を聞いて弟は驚愕しながら呟いた。


「帰る時に寮まで送るか?多分10分15分で着くと思うけど」

「いいの!?やったー!」

「流石お兄様!是非お願いしますわ!」


実際に体験させるために俺が提案すると弟と妹は嬉しそうに喜ぶ。


「帰るのは明日の夜か?」

「うん。本当は移動時間を考えて昼過ぎには帰る予定だった」

「結構遠いからな…5時間ぐらいだっけ」

「それぐらい。早いと4時間半ぐらいで着くけど」


俺の確認に弟は予定を話すので距離や時間を考えながら尋ねると笑いながら肯定する。


「あとお兄様、お昼ご飯のことなのですが…」

「何か食べたいのがあるのか?」

「お兄様が作る物ならなんでも!」


妹が話題を変えて遠慮するように言うので俺が尋ねると俺の料理を要求された。


「なんでも、か…じゃあ簡単に馬肉の刺身と猪の水炊きとかかな」

「あ、今回は揚げ物は無いんだ」


俺の適当に決めたメニューを聞いて弟が少し残念そうな顔で言う。


「この前の叙任式の時に父さんに魔物の肉をほとんど渡したから手持ちにカースホースとブルボアとアラジカの肉しか残ってなくてな」

「…仕方ないだろう。普段から毎日のように確認されている上に式典の場で直接催促されてしまったのだ…」

「私も夫人達と顔を合わせる度に確認されるのよ。こちらから連絡すると毎回言ってるのに…」


俺が揚げ物を除外した理由を話すと父親が言い訳をするような感じでため息を吐きながら呟き、母親も愚痴るように呟いた。


「まあ学園でもウチの飲食店で食事した事を自慢気に話す伯爵家の先輩とかもいるし…」

「私も年齢性別問わず『どうやったら予約が取れるのか』と、よく聞かれますの」

「へー…俺が在籍してた頃は俺は一度も聞かれた事ねぇけどな…」

「…そうなの?」


弟と妹も両親に共感するように学校での事情を話すので俺が意外に思いながら言うと弟は驚いたように聞いてくる。


「おう。まあそもそも貴族の子息令嬢達とはほとんど接点が無かったんだが」

「ああ…兄さん一般クラスだったから…」

「ある意味羨ましい…侯爵令嬢や伯爵家のご子息達に印象を悪くする事なくやんわり断るのはとても面倒な事ですし…」

「分かる分かる。暗に特別扱いしろって言うならまだマシな方で直接特別扱いしろって言ってくる人もいたりするし」

「あの人達は『材料が足りない』と何度言っても理解しようとしませんもの」


…弟と妹は両親と同じくお互いに愚痴で盛り上がり始め、いつのまにか俺一人だけ蚊帳の外状態になってしまった。


「…あ。そういえば兄さんに聞きたい事があったんだけど…」

「なんだ?」

「噂では兄さんが兵を率いて防衛した…って聞いたんだけど、どこまでが本当なの?」


愚痴を言ってスッキリしたのか弟は話題を変えるように聞き、俺が聞き返すと侯爵の所での話を確認してくる。


「俺は噂の内容を知らんからどこまでって言われてもな…とりあえず初日に人材不足で傭兵達の指揮を任されて、確かその翌日に全ての兵の指揮を任された」

「…そんなことある?」

「流石はお兄様…!凄い…!」


俺の話を聞いて弟が驚きながら聞くと妹は目を輝かせながら褒めてきた。


「まあ最後は一騎打ちで終わりよ。辺境伯のトコでもそうだったけど」

「あ!それ!疑問に思ってたんだけど、一騎打ちなんて戦場で実際に起こるものなの?」

「俺の方から何回も申し込んでるからな。流石に相手も最初は無視するけど敗勢になると万が一を狙って受けざるを得なくなるし」


雑に話を締めくくると弟が食い気味で聞いてきたので…


俺は一騎打ちに至るまでの経緯と状況を軽く説明する。


「へー、そうだったんだ」

「俺としてはお互いに兵の損害が出る前に、最初の申し入れの時に受けて欲しいんだけどな。それまでの時間も無駄になるし」

「流石にそれは無理でしょ」


意外そうに呟く弟に効率重視の希望的な考えを言うも微妙に笑いながら否定された。


「戦争とか戦いってのはそんな単純なモンじゃねぇからな…大将同士の一騎打ちで勝負がつくんなら軍とか不必要になっちまう、ってのが…な」

「軍略、戦略、戦術…人数が揃う事で意味を持って効果的になる事もあるからね」

「ふっ…お前達が居ればもしもの時の領内も安心だな」


俺と弟が戦いについて話しているとその様子を見ていた父親が嬉しそうに笑う。


「まあ兄さん一人居れば十分だよね。僕の出番なんてあるかな?」

「相手が搦め手を使って来た場合にはお前の出番だろ。もし俺が誘き出されて離された場合は戻るまで防衛しないといけないんだぞ」

「それだって少しの間だと思うけど…まあ何があるか分からないからね」


弟の笑いながらの仕事を押し付けるような発言に俺が反撃すると少し反論するように呟いて俺の意見に賛同する。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。 しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。 全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。 超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!? 万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。 一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。 「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」 ――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。 これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

処理中です...