子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 39

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それから三日後。


「お。きたきた…意外と早かったね」

「ああ、関所をスムーズに通れてな…それより、騎士になったと言うのは本当か?」

「なんか三日前に叙任式があった、って噂を聞いたけど…」

「まさか西の国境から王都までを一日で移動したわけじゃあるまい?」


ギルドの人から連絡があったので建物の中に入って集まってるハンター達に声をかけるとみんな不思議そうな顔で確認してくる。


「ちょっと急いでね」

「…どんなに急いでも、最短距離を突っ切ったとしても一日で着く距離ではないはずなんだが…」

「まあまあそんな事はさて置き…一応昨日書類が認可されたから、今日から傭兵団である『猟兵隊』を結成出来る事になった」


拠点はアッチ。と、俺は知り合いのハンター達の疑問をボカして流すように報告して拠点がある方向を指差す。


「ほお、『猟兵隊』か。中々良い名だな」

「『ハンターズ』じゃシンプル過ぎて微妙だったからちょっと捻った。まあ意味は一緒だから『狩人集団』とか『ハンターの集い』とか好きに呼んでよ」


ハンターの一人が名称を褒めるので俺は拠点に案内するように歩き出しながら話した。


「『ハンターズ』の方がシンプルで分かり易いが…それだとハンター以外は居ないと勘違いされそうだな」

「え、そうだよ?ハンターかシーカー以外は入れる予定無いけど」

「…そうなのか?」

「意外…誰でも良いと思ったのに…」


男の発言に俺が肯定しながら予定を話すと他のハンター達が驚いた様に言う。


「俺もそうしようかと思ったけど、そこらのごろつきとかが入って来ると困るからね。特に戦場だと信用や信頼の置けない人とは一緒に戦えないし」

「「「…確かに…」」」


俺が理由を話すとみんな納得したように頷きながら呟く。



…そんなこんな知り合いのハンター達と話しながら移動する事、約20分後。



「この柵の中が俺らの拠点になる」

「…この柵の中って…」

「もしかして、とんでもなく広いんじゃないか?」


王都から離れた場所に作った拠点に案内すると左右に続く2mほどの柵を見ながらハンターの人達が驚く。


「とりあえず買えるだけの土地を買ったから…10ヘクタールぐらいかな?もうちょい行くかも」

「な…!」

「ど、どのくらいの広さだ…?」

「あ。一応今は柵の設置と本部の建物を作って貰ってるからしばらくはテントで我慢してね」


俺が適当な感じで説明するとみんな絶句したような反応をするので俺は両手を合わせてみんなにお願いするように言う。


「あ、ああ…問題は無いが…」

「というか…どうやって中に入るんだ?」

「こっちこっち」


知り合いのハンター達は左右に続く柵を見ながら困惑するので俺は手招きして門の所まで案内した。


「…凄い広さだな…奥の柵が見えん…」

「俺は1000とか2000坪ぐらいでも広過ぎるんじゃないかと思ったけど…同行者のお姉さんに『広ければ広いほど良い』って言われちゃって」

「ま、まあそれはそうだが…」

「だがいくらなんでも、これは…」


拠点の中に入ると知り合いのハンターの一人が周りを見ながら呟くので、俺が理由を話すとやっぱりみんなは困惑した様子を見せる。


「とりあえずテントはアッチの方に用意してあるから、足りなくなったら言って」

「あ、ああ…」

「…傭兵団の今後の活動方針とかは決まっているのか?」


俺の案内しながらの説明にハンターの一人が疑問を尋ねてきた。


「うーん…いつも通りの生活でいいんじゃない?傭兵としての仕事が無い時はハンターとして活動してるでしょ?」

「そうだね」

「確かに」

「基本的に内戦には参加しないつもりだから…また外敵が攻めて来た時に傭兵団として参加しよう」

「分かった」

「了解だ」


俺が尋ねるように聞くとハンター達が賛同するので軽く傭兵団としての方針を説明すると他のハンター達も賛同してくれる。


「あとこの傭兵団のルールとして『ハンターやシーカーの義務と心得をダンジョンの外でも守る事』…にしたからさ」

「ふむ…異論は無いな」

「俺もだ」

「僕も」

「まあ他にも私闘の禁止とか後から色々追加する予定だけど…ちゃんと決まったらまた報告するよ」


俺の釘を刺すように説明するとみんな了承してくれるので俺は補足するように告げた。


「…こんなに広い拠点だと開発にも時間がかかるだろうな…何か手伝う事はないか?」

「え。いいの?」

「ああ、今日から世話になるんだ。人手は多い方が良いだろう?」

「…そうだね。一日も早く住居を作って欲しいし」

「僕らが手伝う事で早く終われば他の施設とかも作れるだろうから」

「…暇や時間がある時は極力手伝おう」


男が周りを見ながら尋ねてくるので俺が確認すると男は頷き、他のハンター達もその意見に賛同し始める。


「じゃあ時間が出来た時に柵の設置の方を手伝ってもらって良い?拠点の範囲を分かりやすくする事を最優先した方が良いと思うし」

「分かった」

「了解だ」

「俺は少しギルドの方へ行く。後から来る予定の他の傭兵達への説明と案内があるのでな」

「あ、僕も」

「ならば僕もそちらへ回ろうか」


俺の指示にハンター達が了承すると男が別行動を告げ、なにやら二手に分かれて行動するようだ。


「さて、俺も宿屋に戻ろうかな…本部が完成するまでは宿屋か実家にいるから。なにかあったら知らせてね」

「うん」

「実家、と言えばゼルハイト家か…」

「まあ今は親に呼び出されない限りは宿屋にいるんだけど」


王都のギルドへと向かうメンバーと一緒に行く前に緊急時のために宿屋と実家の場所が書かれた紙を渡すと…


男がなにやら考え込みながら呟くので俺は適当な感じで宿泊先を教える事に。
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