子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 123

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…そして三日後。


「…ん?なんかあったのかな?」

「祭りの準備とかですかね?」


宿屋から出るとなにやら街中が騒がしいので俺が疑問を聞くとお姉さんが予想を返す。


「祭りか…どんな祭りなんだろ」

「あ、団長。ちょうどいい所に」


楽しみだな…と思いながら呟くと団員が駆け寄るように話しかけてきた。


「どうした?」

「なんか今この町の近くに軍が展開してるらしく、しばらくの間は町から出れないって」

「ええ?軍が?なんで?」

「さあ?とりあえずギルドの人達や町民達は何も分からないんだと」


俺の問いかけに団員が報告し、理由を尋ねるも不明らしく不思議そうな感じで答える。


「…困ったな…明日までには解決してもらわないと修行が…」

「…町から出れない、って事は軍の戦闘が予想される…って事ですよね?」

「あー、内戦ね…全く迷惑な」


俺が困惑しながら呟くとお姉さんは少し考えて理由を予想するように確認するので俺は嫌な顔で返した。


「今の所この町が標的にされてるという話はないが…状況次第ではどうなるか…」

「…近くでぶつかり合うのか、この町に来るのかは分からないって事か…」


団員の難しい顔での予想に俺も難しい顔をしながら呟く。


「…万が一の事があるだろうし…念の為、最悪の事態に備えよう。みんなに近くの軍が去るまでは戦闘態勢を整えて維持するよう伝えてきて」

「了解だ」


俺が少し考えて指示を出すと団員は了承して早足で他の隊長の所へと向かう。


「もしかしたら防衛戦になる可能性も…?」

「あるかもね。こんな防備が薄い所じゃ俺ら猟兵隊でも敵の数によっては多少の被害は免れないかも」

「最低限の魔物の襲撃にしか備えてなさそうでしたから…」


お姉さんの予想に俺が肯定しながら予想し返すとお姉さんはこの町に入った時の事を思い出すように呟いた。


「しかし国内が荒れてると大変だ」

「どこの国も内戦ばっかりで嫌な世の中になってきましたね」

「全くだ。俺らの国も今はまだ落ち着いてるとはいえ、火種はそこかしらで燻ってるからなぁ…またいつ燃え盛るか…」

「昔は平穏だったんですけどねぇ…」


俺は刺客達から聞いた情報を思い出しながらため息混じりに呟くとお姉さんも同意するように言い、俺が同意すると思い出を語るように呟きながらため息を吐く。


「俺らが子供の頃は準備期間だったんじゃない?半世紀以上も前から水面下では争ってたんでしょ?」

「…話で聞く感じではそうみたいですけど…本当かどうかは分からないですよ?」

「…ソレが本当だったら二世代三世代跨ぐレベルで準備してたって事だからなぁ…そこまで時間かけてるわけだから落とし所見つけるのも大変そうだし、泥沼化で長引きそう…」


俺の予想での確認にお姉さんは噂話である事を強調しながら返し、俺は少し考えてそう直ぐには解決しない問題である事を察する。


「…坊ちゃんの領地が巻き込まれたらたまったもんじゃないですね」

「うーん…ガウならまだ魔法協会も実験で使ってる土地があるからまあまあ穏便に済ませれそうだけど…ローズナーが標的になったらマジで俺が出向いて相手を徹底的に潰しにいかないと」


お姉さんが矛先を心配するように言うので俺は若干扱いに差をつけながら返す。


「それはローズナー領が急激に発展してきてるからですか?」

「うん。魔法協会側がガウでの実験の成果をローズナーに全てぶち込んでるおかげで経済成長率がエグくて税収も大変な事になってるらしいし」

「…あれだけお金を注ぎ込めばどんな田舎の領地でも都会並に発展すると思いますが…」


お姉さんの意地悪するような笑みでの確認に肯定して理由を話すと微妙な表情で呟かれた。


「まあだから狙われる可能性は無くは無いよね」

「…人類の歴史を見れば人がお金と手間暇をかけて苦労して育てた領地を横から奪って美味しいトコだけを頂く卑劣な貴族も居ましたし…ラスタに居るかどうかは分かりませんが」

「…逆に考えると、反撃の大義名分が手に入るから相手の領土に攻め込んで奪うって事も出来るわけじゃん?」

「なるほど。流石は坊ちゃん!やられたらやり返す、倍返しですね!」


俺が可能性の話をするとお姉さんは難しい顔で歴史の話を始め、俺も歴史を思い出して思いついた事を言うとお姉さんが意外そうに褒めてくる。


「ただ防衛するだけじゃ被害だけ被って泣き寝入りするのと変わらないからね。あと周りへの牽制の意味合いにもなるし」

「…でもよく考えたら坊ちゃんぐらい強くないと難しくないです?そもそも坊ちゃんの強さは周りに知られてるでしょうからわざわざそんな刺激するような事をするとも思えないですし…」


俺の正当化するような詭弁的な発言にお姉さんは冷静になって現実を見るかのように返した。


「でもこの前ローズナーの方でなんかなかったっけ?」

「あー…そういえばありましたね。あんな田舎になんで…?って思ってましたけど、その時から既に経済成長中でしたっけ?」

「多分そうじゃない?」


俺が否定するようにこの前の事を話すとお姉さんは思い出すように確認し、俺は適当な感じで肯定する。


「じゃあダルベル伯爵はソレを狙って…?でも本格的な軍事行動じゃなかったのでは?」

「分身の俺が出向いたら直ぐに撤退して行ったはずだから斥候かなんかかな?いや、でもあれから何も無いしな…」

「…実はただの嫌がらせとか?」


お姉さんの考えながらの確認に俺が思い出すように言うと、笑いながら予想した。


「…だとしたらマジで迷惑。ウチの領民を不安にさせる行動は控えて欲しいもんだ」

「全くですね。周りからの評価も落ちるでしょうし」


俺が嫌な顔をしながら言うとお姉さんも頷きながら同意する。
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