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青年期 192
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…そして一月後。
どうやら北の国境付近ではライツの猛攻にどんどん押されているらしい。
ウィロー伯爵は派閥内の貴族達から兵を集めているが、それでもライツとの戦力比はあまり埋まっていないようだ。
「…規模がどんどん大きくなって来てるなぁ…」
「ウィロー伯爵の所ですか?」
「うん。こっち側が約二万八千に対してアッチは三万四千もいるみたい」
俺の呟きにお姉さんが確認して来るので俺は肯定して具体的な数字を教える。
「三万…!ドードルやソバルツの時並みの戦力ですね…」
「侯爵のトコは騎士団不在だったからめちゃくちゃ押し込まれてたし、辺境伯のトコも騎士団は参加してたけど奇襲の作戦が失敗してヤバかったね」
「どっちも坊ちゃんが戦況を変えて勝利してましたけど…よく考えたら坊ちゃんが傭兵として参加していなければ危なかったのでは?」
驚くお姉さんに俺が思い出しながら言うとお姉さんも当時の事を思い出すように俺を過大評価し、他を過小評価するような事を言い始めた。
「うーん…どうかな…?侯爵のトコは南方騎士団が来ればソバルツを国境まで追い返せただろうし、辺境伯のトコも…騎士団が半壊してたとは思うけど守りを固めてれば戦いが長引いただけで結局負けは無かったと思うよ」
「でも早く終わったのは坊ちゃんのおかげですよね?」
「それはそう」
「流石です」
俺の予想しながらの反論にお姉さんも更に反論するかのように確認してきたが、ソレは事実なので肯定すると…
何故かお姉さんはドヤ顔をしながら俺を褒めてくる。
「今回も敵対してなきゃ恩を売るために援軍を出してたけど…いや、そもそも伯爵達が敵対して毒まんじゅうを食べなければこんな事態にはなってないか」
「…そうですよね」
俺はもしも…仮に敵対しなかった場合の話をするも、結局はアッチの自業自得か…と思いながら言うとお姉さんも賛同した。
「まあもう失脚は時間の問題だし、もし今回仮に今の状況からライツを国境まで押し戻せたとしても…」
「確実に責任問題で追及されると思うので…最悪、爵位剥奪や領地を没収されるかもしれません」
「押し戻せなかった場合は爵位が剥奪されるだろうから権力や影響力は地に落ちるだろうね…可哀想に」
俺が伯爵の今の立ち位置について軽く話したらお姉さんも予想しながら言い、俺は少し同情するように返す。
「でもまだお家取り潰しではありませんし…坊ちゃんみたいに他にも爵位や領地を保有してるだけまだマシだと思います」
「…うーん…プライド的にどうかな?なんとか首の皮一枚繋がった状態で済んだとはいえ、元派閥のトップがこれから何も余計な事せずに慎ましく生きる…ってのも難しそうじゃない?」
「…確かに」
お姉さんの庇うような言い方に俺がまたなんかやらかしそう…と思いながら聞くとお姉さんは少し考えて賛同する。
…その一週間後。
俺の下へと衝撃的な報告が届いた。
「…はあ!?」
…どうやら北の国境付近での戦争にウィロー伯爵が敗北したらしい。
「…どうかしました?」
「…ウィロー伯爵がライツに負けたんだって」
「え!?」
不思議そうに聞いて来たお姉さんに俺は他にも届いた報告書を読みながらそう告げるとお姉さんも驚愕する。
「こんなに早くですか!?何かの間違いとかでは…!?」
「…諜報からの報告では一昨日ぐらいに急に伯爵側の兵の大部分が居なくなった…って」
「…え…?」
驚きながら確認してくるお姉さんに俺らの手の者から送られて来た報告書を読みながら負けた原因を伝えると、理解出来ない感じで呟いた。
「派閥の内部分裂か?それとも裏切り…?離反するにしてはタイミングが謎過ぎるし…とにかくヤバい事になったみたいだ」
俺は伯爵の兵が居なくなった理由を考えながらも対応策を取るために立ち上がる。
「ではこれからローズナー領へ?」
「うん。ライツが来るまでまだまだ時間がかかるだろうから特に急ぐ必要は無いけど…ある程度余裕を持って行動した方が良いでしょ」
「そうですね」
お姉さんの確認に俺が肯定して理由を話すとお姉さんは納得するように返した。
「…とりあえずこの展開は予想外だったな…本当ならウィロー領がライツの領土として奪われてから動くつもりだったけど…」
「…また何か計画を?」
部屋から出て予定や計画を繰り上げするように呟くと隣を歩くお姉さんが察したように確認してくる。
「そう。ライツがローズナーまで迫った時に、俺らがライツを国境まで追い返す代わりに奪い返した領土を全部寄越せ…って政府と交渉するつもりだった」
「…なるほど。だからウィロー伯爵の要請を頑なに断ってたんですね。坊ちゃんらしくないと思ってましたが、そんな考えがあったとは…」
俺が代行達と立てた計画の概要を話すとお姉さんは納得したような反応をして意外そうに呟く。
「ほら、自国民同士で奪い合うと『内戦』だけど、他国に奪われたものを奪い返したらただの『報酬』で印象が違うじゃん?意味は一緒だけど」
「…なぜそのような回りくどい事を?」
俺の適当な感じでの説明にお姉さんが不思議そうに聞いてきた。
「猟兵隊のみんなや領内の兵士達の士気管理のため。『内戦はしない』『自国民同士で争わない』って言ってる以上、防衛以外で矛盾するような事をしちゃうと不信感やモチベーションの低下とかを招く事態になりかねないし」
「なるほど…でも領内の兵はともかく、団員のみんなは黙って坊ちゃんの決定に従うと思いますけどね」
「まあ自国民同士で争いたくない、ってのはただの自己満足だよね。ぶっちゃけ」
俺が理由を話すとお姉さんは納得しながら呟いた後に笑って反論するように言い、俺は笑っておどけるような感じで自虐的に返す。
どうやら北の国境付近ではライツの猛攻にどんどん押されているらしい。
ウィロー伯爵は派閥内の貴族達から兵を集めているが、それでもライツとの戦力比はあまり埋まっていないようだ。
「…規模がどんどん大きくなって来てるなぁ…」
「ウィロー伯爵の所ですか?」
「うん。こっち側が約二万八千に対してアッチは三万四千もいるみたい」
俺の呟きにお姉さんが確認して来るので俺は肯定して具体的な数字を教える。
「三万…!ドードルやソバルツの時並みの戦力ですね…」
「侯爵のトコは騎士団不在だったからめちゃくちゃ押し込まれてたし、辺境伯のトコも騎士団は参加してたけど奇襲の作戦が失敗してヤバかったね」
「どっちも坊ちゃんが戦況を変えて勝利してましたけど…よく考えたら坊ちゃんが傭兵として参加していなければ危なかったのでは?」
驚くお姉さんに俺が思い出しながら言うとお姉さんも当時の事を思い出すように俺を過大評価し、他を過小評価するような事を言い始めた。
「うーん…どうかな…?侯爵のトコは南方騎士団が来ればソバルツを国境まで追い返せただろうし、辺境伯のトコも…騎士団が半壊してたとは思うけど守りを固めてれば戦いが長引いただけで結局負けは無かったと思うよ」
「でも早く終わったのは坊ちゃんのおかげですよね?」
「それはそう」
「流石です」
俺の予想しながらの反論にお姉さんも更に反論するかのように確認してきたが、ソレは事実なので肯定すると…
何故かお姉さんはドヤ顔をしながら俺を褒めてくる。
「今回も敵対してなきゃ恩を売るために援軍を出してたけど…いや、そもそも伯爵達が敵対して毒まんじゅうを食べなければこんな事態にはなってないか」
「…そうですよね」
俺はもしも…仮に敵対しなかった場合の話をするも、結局はアッチの自業自得か…と思いながら言うとお姉さんも賛同した。
「まあもう失脚は時間の問題だし、もし今回仮に今の状況からライツを国境まで押し戻せたとしても…」
「確実に責任問題で追及されると思うので…最悪、爵位剥奪や領地を没収されるかもしれません」
「押し戻せなかった場合は爵位が剥奪されるだろうから権力や影響力は地に落ちるだろうね…可哀想に」
俺が伯爵の今の立ち位置について軽く話したらお姉さんも予想しながら言い、俺は少し同情するように返す。
「でもまだお家取り潰しではありませんし…坊ちゃんみたいに他にも爵位や領地を保有してるだけまだマシだと思います」
「…うーん…プライド的にどうかな?なんとか首の皮一枚繋がった状態で済んだとはいえ、元派閥のトップがこれから何も余計な事せずに慎ましく生きる…ってのも難しそうじゃない?」
「…確かに」
お姉さんの庇うような言い方に俺がまたなんかやらかしそう…と思いながら聞くとお姉さんは少し考えて賛同する。
…その一週間後。
俺の下へと衝撃的な報告が届いた。
「…はあ!?」
…どうやら北の国境付近での戦争にウィロー伯爵が敗北したらしい。
「…どうかしました?」
「…ウィロー伯爵がライツに負けたんだって」
「え!?」
不思議そうに聞いて来たお姉さんに俺は他にも届いた報告書を読みながらそう告げるとお姉さんも驚愕する。
「こんなに早くですか!?何かの間違いとかでは…!?」
「…諜報からの報告では一昨日ぐらいに急に伯爵側の兵の大部分が居なくなった…って」
「…え…?」
驚きながら確認してくるお姉さんに俺らの手の者から送られて来た報告書を読みながら負けた原因を伝えると、理解出来ない感じで呟いた。
「派閥の内部分裂か?それとも裏切り…?離反するにしてはタイミングが謎過ぎるし…とにかくヤバい事になったみたいだ」
俺は伯爵の兵が居なくなった理由を考えながらも対応策を取るために立ち上がる。
「ではこれからローズナー領へ?」
「うん。ライツが来るまでまだまだ時間がかかるだろうから特に急ぐ必要は無いけど…ある程度余裕を持って行動した方が良いでしょ」
「そうですね」
お姉さんの確認に俺が肯定して理由を話すとお姉さんは納得するように返した。
「…とりあえずこの展開は予想外だったな…本当ならウィロー領がライツの領土として奪われてから動くつもりだったけど…」
「…また何か計画を?」
部屋から出て予定や計画を繰り上げするように呟くと隣を歩くお姉さんが察したように確認してくる。
「そう。ライツがローズナーまで迫った時に、俺らがライツを国境まで追い返す代わりに奪い返した領土を全部寄越せ…って政府と交渉するつもりだった」
「…なるほど。だからウィロー伯爵の要請を頑なに断ってたんですね。坊ちゃんらしくないと思ってましたが、そんな考えがあったとは…」
俺が代行達と立てた計画の概要を話すとお姉さんは納得したような反応をして意外そうに呟く。
「ほら、自国民同士で奪い合うと『内戦』だけど、他国に奪われたものを奪い返したらただの『報酬』で印象が違うじゃん?意味は一緒だけど」
「…なぜそのような回りくどい事を?」
俺の適当な感じでの説明にお姉さんが不思議そうに聞いてきた。
「猟兵隊のみんなや領内の兵士達の士気管理のため。『内戦はしない』『自国民同士で争わない』って言ってる以上、防衛以外で矛盾するような事をしちゃうと不信感やモチベーションの低下とかを招く事態になりかねないし」
「なるほど…でも領内の兵はともかく、団員のみんなは黙って坊ちゃんの決定に従うと思いますけどね」
「まあ自国民同士で争いたくない、ってのはただの自己満足だよね。ぶっちゃけ」
俺が理由を話すとお姉さんは納得しながら呟いた後に笑って反論するように言い、俺は笑っておどけるような感じで自虐的に返す。
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