子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

文字の大きさ
430 / 480

壮年期 4

しおりを挟む
…そして二週間後。


政府から手紙が来てライツと同盟を結ぶ事にしたとの報告が。


「…ほう?これはまた…」


どうやらライツの王女が王都での調印式に参加するために来るらしいので『使節が領内を安全に通れるよう手段を尽くせ』と書かれている。


が、俺の領内は元から国内で一番治安が良くて仕事が腐るほどあり、食うに困ったり金に困って賊に堕ちる事も無いので特に何もする事が無い。


他の貴族が刺客を仕向ける可能性も考えられるけども…


まあ流石にライツが護衛をつけると思うし、代行達も護衛をつけると思うから何かあれば直ぐに俺に報告が来るだろう。


それから二日後。


「団長、ライツと同盟を結ぶって聞いたんだが…」

「その噂は本当なのか?」


ライツとの同盟が噂でも流れるようになり、団員や隊長達が自室まで真偽の確認をしに来た。


「一応本当らしいよ。ライツの王女がココの王都に調印式に参加するために来るんだって」

「そうか。本当だったのか」

「同盟って事はしばらくの間は戦わなくて良いんだよな?」

「でもなんで今のタイミングなんだ…?休戦協定の期間はまだ一年以上あるはずなのに…」


俺が肯定して情報を話すと隊長の一人が喜び、団員の一人も喜びながら確認すると別の隊長が不思議そうに疑問を呟く。


「新しい王が平和推進派か、他の国と戦争が始まったから手が回らなくなる前に手を打ったか…パッと思いつくのはそこらへんだね」

「「「「なるほど…」」」」

「…でも平和主義なら王女が逃げないわけだし、やっぱり他の国と戦争中なんじゃない?」


俺の予想にみんなが納得して呟き、少しして隊長の一人が予想の一つを排除するかのように言う。


「まあ何にせよ戦わずに済むならソレに越した事は無いからありがたい事だ」

「「「確かに」」」

「しばらくの間は町の開発、発展に専念出来そうだ」

「ウチはライツの国境に近いから行商人用の宿屋を増やそうかな?」

「あー…ウチは畑が多いから商業よりも農業に力入れないと…」


俺が話を纏めるように告げるとみんなが納得し、隊長の一人が内政面の話を持ち出すと他の隊長達も町の開発について話し始める。


「調印式が終わってライツとの同盟が正式に結ばれたら猟兵隊は一月ぐらい休もうか。どうせ今も護衛とか巡回ぐらいしか依頼は無いし」

「…そうしてくれると助かるが…」

「確かにありがたいではあるが、大丈夫なのか?」

「団長なら一人でも大体の問題を解決出来ると思うけど…そういう時に限って何か起きない?」


俺の配慮した提案に隊長は何故か微妙そうな…心配したような顔になった。


「大丈夫大丈夫。でももし何かあったら呼び戻すかもしれない。例えば中央騎士団が急に攻めて来たとか、東方騎士団が教会騎士団と結託して攻めて来るとか」

「中央騎士団はまず間違いなくあり得ないが、東方騎士団や教会騎士団は…」

「無い、とは言い切れんな…」

「中央騎士団は王族直轄で陛下や王子達の指示で動くからよっぽどの事が無い限り団長が標的になる事は無いけど…教会騎士団は…団長、めちゃくちゃ教会側から敵視されてるからなぁ」


俺が楽観的に冗談でも言うように可能性の低い想定を話すと、隊長達は前半は同意するも後半については微妙な顔をしながら困ったように返す。


「そもそも不正を許さずに法に則って取り締まってるだけで親の仇がごとく敵視されるってのも不思議なものだね。別に活動を邪魔してるわけじゃないし、教えを否定してるわけでもないのに」

「…だよなぁ」

「それは『腐ってる』としか言いようがないな」

「神の教えを悪用する者どもには天罰が降って欲しいものだが…」


実質的に無宗教に近い俺は大司教などの権威を悪用する奴らを馬鹿にするように言うと…


みんなは微妙な顔をしながら表立てて賛同や同意はせず、曖昧な感じで悪用する人達を非難するように言う。


「…ココには厄災の魔女と呼ばれてたのが居るから猟兵隊の集合が間に合わなかったら多分大惨事になると思う。大惨事ってか凄惨な事態?」

「その名は聞いた事無いが、この前現場に行ってみたんだがとんでもない事になっていたな」

「あ、俺も見に行った!確かにとんでもなかったな」

「俺も見に行った。なんだこれ!?って思ったぜ…一体何があったんだ?って」

「まさかあんな事になってたなんて思いもしなかった」


俺が万が一の時の最悪の想定を話すと隊長の一人が広範囲に広がってるクレーターを確認しに行った事を告げ、他の団員達や隊長達も感想を話し始めた。


「団長よくあんなのと戦って生き残れたものだな。流石はマスタークラス」

「まあね。ヒくほど強かったし、まず間違いなく俺が今まで戦って来た中ではぶっちぎりに一番強い人間だと断言出来るレベルだったけど…まあ駆け引きとか戦闘経験は俺の方が上だったって事よ」


そもそも条件次第では何人か勝てそうなのが思い当たるからね。と、弄るような感じで褒めてくる団員に俺は女の実力を評価しながらもボケるように返し…


補足するように帝国の女の子や連邦の男を思い浮かべながら、女はとんでもない強さを持っていても無敵ではない事を告げる。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。 しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。 全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。 超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!? 万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。 一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。 「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」 ――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。 これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

処理中です...