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壮年期 28
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「…右翼は敵の兵数が多いのに少し優勢っぽい気がする」
「敵に新兵が多いのか、こちら側の指揮官が有能なのか…」
「…左翼の方は敵の兵数が少ないのに劣勢ですね。敵の精鋭が多いのでしょうか?」
「…うーん…全体的に見るとやっぱりこっち側が不利な状況だ」
…戦場を走り回って現場の大体の状況は把握出来たが、結局感想は最初から変わらずこっち側の形勢不利のまま。
分身の俺らが兵を率いて介入しない限りは敵軍の侵攻の勢いは止められないだろう…という想定のまま、日が沈み始めた時間帯に分身の俺らは宿営地へと戻る。
「…我々の戦いはどう見えましたかな?率直な感想を聞かせてくれないかね?ラスタの客人殿」
宿営地の中へと入ると大将を任されてるっぽい多分50代ぐらいであろう白髪のおじさんが挨拶もせずに急に話しかけて来た。
「状況はあまり良くないですね。このまま劣勢の状態が続くようであれば敵軍の侵攻を止められないと思います」
「はっはっは!我々を舐めてもらっては困るな。貴殿らラスタの手を借りるまでもない、このまま大人しくアーデンの戦い方を見ていたまえ」
「はあ…応援してますので頑張って下さい」
「…殊勝な態度だな。ラスタにも貴殿らのような者がいるとは…では失礼させてもらう」
分身の俺の報告におじさんは豪快に笑うも目は笑っておらず、敵意を向けながら馬鹿にするように言うので分身の俺が適当に返すと意外そうな顔で呟いて去って行く。
「…やけに自信に溢れてましたね…」
「ただの過信か、何か策があるのか、意地を張ってるだけか、周りを気にして鼓舞してるのか…」
「まあなんにせよアーデンのお手並みを見せてもらうとしようじゃないか」
分身のお姉さんが微妙な顔で呟き、分身の俺が適当な予想を話すと分身の女性は期待を込めるように言う。
「そうだね。もしかしたら俺みたいに釣りの戦法を狙う可能性もあるし」
「劣勢に見せかけた方が退却がより自然に見えますからね」
分身に俺の肯定しながらの予想に分身のお姉さんも賛同するように言う。
「とはいえただの強がりだったらマジでヤバいな…その場合はせめて立て直しが出来る範囲で退いて欲しいけど…」
「あたしらには関係無いんじゃないか?あんたなら首都防衛戦からでも巻き返せるだろう?」
「…流石にある程度の戦力は必要だと思いますよ。でないと追い返した時に疑われそうですし」
分身の俺が嫌な予想からの希望を呟くと分身の女性は笑って返し、分身のお姉さんが否定的に予想を話す。
「まあこれ以上は考えても仕方ないし、飯にしよう」
「そうですね。お腹空いてきました」
「あたしもだ」
時間も時間なので分身の俺が提案すると分身の二人も賛同し、使用を許可されたテントに入って夕飯を食べる事にした。
その翌日。
少し離れた場所から戦場での戦いを見物していたが、状況は変わらずに中央は若干不利でのジリ貧状態が続くのみ。
右翼と左翼の状況も昨日とほとんど変わらない。
…全く面白味の無い状況が続き、開始一時間ぐらいで見るのに飽きた分身の俺が暇つぶしにスクワットを始めると…
分身の女性は木刀での素振りをし始め、分身のお姉さんも本を読み始める。
…結局、戦況に何も変化が無いまま昼になり夕方になり…
辺りが暗くなると両軍共に戻って行くので分身の俺らも宿営地へと戻った。
「…うーん…ずっとあんな感じだったら見てて暇だから辛いな…」
「「確かに」」
分身の俺が夕飯を食べながら微妙な顔で呟くと分身の二人も同意する。
やっぱり翌日も同じ状況が続き、分身の俺は分身の女性と木刀で手合わせをしながら暇を潰す。
「…負傷者の数が日に日に増えていきますね…」
「戦場なんてそんなもんでしょ。普通の回復術師なら一日にそう何人も治せるものじゃないし」
「重傷者を優先して怪我を治してるんだから軽傷者達は当然後回しさ」
辺りが暗くなった時間帯に宿営地へと戻ると分身のお姉さんが救護テントや兵達の状況を見ながら呟き、分身の俺が適当に流すように返すと分身の女性も賛同した。
「逆に重傷者や中傷者を切り捨てて軽傷者を優先して大量に治すようになってきたらいよいよヤバい状況…って事だよ」
「…そうですね。一人でも多くの戦力が必要な激戦に陥っている、って事ですし…」
「でも猟兵隊ではこんな光景一度も見た事がないね。アーシェや医療部隊の団員達が優秀だから重傷者でも直ぐに治るし」
分身の俺の逆説的な言い方に分身のお姉さんはなんとも言えない顔で肯定し、分身の女性が思い出すように自分達のケースと比べるように言う。
「いやー、そもそも先生に並ぶほどのヒーラーや優秀なヒーラー達は首都の防衛に回ってるからこんな所には来ないでしょ」
「万が一にでも逃げ遅れたり、不測の事態が起きて死なれたら大変ですから出撃は許可されないと思います」
「…それもそうか。どこの国でも凄腕の魔法使いは王都を守る精鋭の一員だからね。こんな使い潰しの捨て石のような役割はさせて貰えないか」
分身の俺が否定するように常識的な通例を話すと分身のお姉さんが賛同して理由を告げ、分身の女性は納得しながら皮肉だか嫌味っぽい事を呟く。
「まあだからこそこんな前線や最前線に出て来る先生がめちゃくちゃな例外で凄い事なんだけど」
「だっていざとなれば坊ちゃんやヘレネーが絶対に守ってくれますし」
「そもそもあたしら死んでも問題ない身だからね。本当にどうしようも無い時は自害でもして自力で分身を解くさ」
分身の俺の冗談で弄るような発言に分身のお姉さんが笑いながら返し、分身の女性は洒落にならない事を軽い感じで笑って言う。
「敵に新兵が多いのか、こちら側の指揮官が有能なのか…」
「…左翼の方は敵の兵数が少ないのに劣勢ですね。敵の精鋭が多いのでしょうか?」
「…うーん…全体的に見るとやっぱりこっち側が不利な状況だ」
…戦場を走り回って現場の大体の状況は把握出来たが、結局感想は最初から変わらずこっち側の形勢不利のまま。
分身の俺らが兵を率いて介入しない限りは敵軍の侵攻の勢いは止められないだろう…という想定のまま、日が沈み始めた時間帯に分身の俺らは宿営地へと戻る。
「…我々の戦いはどう見えましたかな?率直な感想を聞かせてくれないかね?ラスタの客人殿」
宿営地の中へと入ると大将を任されてるっぽい多分50代ぐらいであろう白髪のおじさんが挨拶もせずに急に話しかけて来た。
「状況はあまり良くないですね。このまま劣勢の状態が続くようであれば敵軍の侵攻を止められないと思います」
「はっはっは!我々を舐めてもらっては困るな。貴殿らラスタの手を借りるまでもない、このまま大人しくアーデンの戦い方を見ていたまえ」
「はあ…応援してますので頑張って下さい」
「…殊勝な態度だな。ラスタにも貴殿らのような者がいるとは…では失礼させてもらう」
分身の俺の報告におじさんは豪快に笑うも目は笑っておらず、敵意を向けながら馬鹿にするように言うので分身の俺が適当に返すと意外そうな顔で呟いて去って行く。
「…やけに自信に溢れてましたね…」
「ただの過信か、何か策があるのか、意地を張ってるだけか、周りを気にして鼓舞してるのか…」
「まあなんにせよアーデンのお手並みを見せてもらうとしようじゃないか」
分身のお姉さんが微妙な顔で呟き、分身の俺が適当な予想を話すと分身の女性は期待を込めるように言う。
「そうだね。もしかしたら俺みたいに釣りの戦法を狙う可能性もあるし」
「劣勢に見せかけた方が退却がより自然に見えますからね」
分身に俺の肯定しながらの予想に分身のお姉さんも賛同するように言う。
「とはいえただの強がりだったらマジでヤバいな…その場合はせめて立て直しが出来る範囲で退いて欲しいけど…」
「あたしらには関係無いんじゃないか?あんたなら首都防衛戦からでも巻き返せるだろう?」
「…流石にある程度の戦力は必要だと思いますよ。でないと追い返した時に疑われそうですし」
分身の俺が嫌な予想からの希望を呟くと分身の女性は笑って返し、分身のお姉さんが否定的に予想を話す。
「まあこれ以上は考えても仕方ないし、飯にしよう」
「そうですね。お腹空いてきました」
「あたしもだ」
時間も時間なので分身の俺が提案すると分身の二人も賛同し、使用を許可されたテントに入って夕飯を食べる事にした。
その翌日。
少し離れた場所から戦場での戦いを見物していたが、状況は変わらずに中央は若干不利でのジリ貧状態が続くのみ。
右翼と左翼の状況も昨日とほとんど変わらない。
…全く面白味の無い状況が続き、開始一時間ぐらいで見るのに飽きた分身の俺が暇つぶしにスクワットを始めると…
分身の女性は木刀での素振りをし始め、分身のお姉さんも本を読み始める。
…結局、戦況に何も変化が無いまま昼になり夕方になり…
辺りが暗くなると両軍共に戻って行くので分身の俺らも宿営地へと戻った。
「…うーん…ずっとあんな感じだったら見てて暇だから辛いな…」
「「確かに」」
分身の俺が夕飯を食べながら微妙な顔で呟くと分身の二人も同意する。
やっぱり翌日も同じ状況が続き、分身の俺は分身の女性と木刀で手合わせをしながら暇を潰す。
「…負傷者の数が日に日に増えていきますね…」
「戦場なんてそんなもんでしょ。普通の回復術師なら一日にそう何人も治せるものじゃないし」
「重傷者を優先して怪我を治してるんだから軽傷者達は当然後回しさ」
辺りが暗くなった時間帯に宿営地へと戻ると分身のお姉さんが救護テントや兵達の状況を見ながら呟き、分身の俺が適当に流すように返すと分身の女性も賛同した。
「逆に重傷者や中傷者を切り捨てて軽傷者を優先して大量に治すようになってきたらいよいよヤバい状況…って事だよ」
「…そうですね。一人でも多くの戦力が必要な激戦に陥っている、って事ですし…」
「でも猟兵隊ではこんな光景一度も見た事がないね。アーシェや医療部隊の団員達が優秀だから重傷者でも直ぐに治るし」
分身の俺の逆説的な言い方に分身のお姉さんはなんとも言えない顔で肯定し、分身の女性が思い出すように自分達のケースと比べるように言う。
「いやー、そもそも先生に並ぶほどのヒーラーや優秀なヒーラー達は首都の防衛に回ってるからこんな所には来ないでしょ」
「万が一にでも逃げ遅れたり、不測の事態が起きて死なれたら大変ですから出撃は許可されないと思います」
「…それもそうか。どこの国でも凄腕の魔法使いは王都を守る精鋭の一員だからね。こんな使い潰しの捨て石のような役割はさせて貰えないか」
分身の俺が否定するように常識的な通例を話すと分身のお姉さんが賛同して理由を告げ、分身の女性は納得しながら皮肉だか嫌味っぽい事を呟く。
「まあだからこそこんな前線や最前線に出て来る先生がめちゃくちゃな例外で凄い事なんだけど」
「だっていざとなれば坊ちゃんやヘレネーが絶対に守ってくれますし」
「そもそもあたしら死んでも問題ない身だからね。本当にどうしようも無い時は自害でもして自力で分身を解くさ」
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