クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
496 / 562

496

しおりを挟む
「裏から行っていいか?」

「じゃあ私は先行ってるから後から私の部屋に来てね」

「オッケー」


俺の確認に佐藤は察したように気を利かせてくれるので城門の所で一旦分かれて俺はいつものように裏庭を通る。


「おおっ!ウミハラ殿!久しぶりですな!」

「そうか?」

「ウミハラ殿、戻っておられたのですね」

「まあちょっと用があるから」

「おっ!兄ちゃん、久しぶりだな!」


毎回の巡回兵の声かけに適当に返して中に入ると料理長がやって来た。


「そうか?この前来たばっかじゃね?」

「『この前』と言うほど期間が空いてりゃ『久しぶり』とも言いたくなるさ」

「そんなもんか?…とりあえず10体で足りる?」

「ああ、十分だ。いつもありがとよ!」

「じゃ、頑張って」


俺は手伝い兼ワイン作りの作業員としての魔導兵を料理長に預けて佐藤の部屋へと向かう。


「海原、やっぱコッチ」

「は?まあどこでもいいが」


佐藤の部屋へと向かってると廊下で佐藤が別の場所へと案内するようなので俺はとりあえずついて行く。


「…失礼します」


佐藤はどっかの部屋のドアをノックすると挨拶しながら中へと入る。


「おっ。今回は王妃が対応してくれるんだ」

「旦那や他の者達は忙しくて手が空きませんので」


俺が中に入ってソファに座ってる人物を見て話しかけると佐藤がめっちゃ睨んでくるが王妃はにこやかな笑顔で返す。


「お忙しい中お手を煩わせてしまい申し訳ありません。私が対応できていれば…」

「構いませんよ。コレも仕事の一つですからね。では…」


佐藤の謝罪にも王妃は笑顔で返してテーブルの上に書類を広げた。


「メルゲン公国を含む5カ国の土地建物を金貨1400万枚相当を用意しました。ご確認を」

「…おっ、アンダルもあんじゃん」

「ソレで思い出した」

「なるほどね…オッケー。じゃあ……はい」

「では…」


王妃から渡された書類を見ながら言うと佐藤が急に行動に思い立った理由を話すので、俺は納得しながら書類にサインをして渡すと王妃が確認し始める。


「…確かに。これで契約による報酬の受け渡しは完了、という事でよろしいですね?」

「多分」

「…『多分』じゃなくて『ありがとうございました』でしょ」

「ほほほ…では私はこれで」


王妃の確認に何て言えばいいのか分からず適当に返すと佐藤から小声で注意され、王妃はその様子を見て笑うと退室して行った。


「もう。王妃様の前なんだからもうちょっとちゃんとしてよ」

「別に他に誰もいねーから良くね?王妃も慣れた事だから気にしねぇだろ」

「…海原のそーいうトコさぁ…ホント…」


王妃が居なくなった後にも佐藤が注意するように言うので俺がそう返すと佐藤は呆れたようにため息混じりに呟く。


「公的な場では気をつけてよ。王妃とか王様も人の目があると処罰せざるを得なくなるんだからね」

「大丈夫大丈夫。そーいう場には行かねーから」

「…まあ確かに来ないでくれた方が何も問題は起きないからその方がいいのかもしれないけど…」


佐藤の三度目の注意と釘刺しに俺が楽観的に言うと微妙な顔をしながら呟いた。


「とりあえず用は済んだし帰るか。今ならまだデザートには間に合うだろうし」

「うん」


俺は時間を見て予想しながら話し、佐藤と共に新大陸の家へと帰宅する事に。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~ 大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。 話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。 説明口調から対話形式を増加。 伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など) 別視点内容の追加。 剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。 高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。 特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。 冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。 2021/06/27 無事に完結しました。 2021/09/10 後日談の追加を開始 2022/02/18 後日談完結しました。 2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として

たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。 だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。 一度目では騙されて振られた。 さらに自分の力不足で全てを失った。 だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。 ※他サイト様にも公開しております。 ※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※ ※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

どうやら俺は、魔王を倒した英雄の両親より強いらしい。~オリハルコンを斬ってくっつけたら試験無しで王立学園に入学、いろいろやらかすハメに

試運転中
ファンタジー
山を割るほどに剣を極めたおとん「ケン」と、ケガなど何でも治してしまうおかん「セイ」。 そんな二人に山で育てられた息子「ケイ」は、15歳の大人の仲間入りを機に、王都の学園へと入学する。 両親の素性すらも知らず、その血を受け継いだ自分が、どれほど常軌を逸しているかもわからず。 気心の知れた仲間と、困ったり楽しんだりする学園生活のはずが…… 主人公最強だけど、何かがおかしい!? ちょっぴり異色な異世界学園ファンタジー。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

処理中です...