クラスまるごと異世界転移

八神

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…それから一時間後。


「出来た?」

「おう。ほい」

「あ!ありがと!じゃあ…はい。みんな分も預かってきたから」


家に来た飯島の確認に俺が新しく作った武器防具と預かった武器防具を渡すと飯島はお礼を言いながらパーティメンバーの分も纏めて金を払う。


「…はいはい、まいど」

「流石にステータスが高いね。しかもソレで付与効果もあるなんて…」

「そういやアレから他のクラスメイトとかに会った?井上除いて」

「ううん。噂は聞いたけど直接は会ってないなぁ…」


装備を確認する飯島に俺が尋ねると意外な返答が。


「噂?」

「『アンダル』に居た時に多分女子らしき冒険者の話を聞いたんだけど、運悪く滞在中には会えなかった」

「アンダル…どこの国だ?」

「モニクァの隣。ワウシャープからは二つ隣かな」


飯島の話を聞いて国の場所を確認するも多分俺の家が無いであろう場所だった。


「モニクァの隣か…」

「あ、じゃあ僕は行くね。みんなも早く装備を見たいだろうし」

「おう、じゃーな」

「バイバイ」


どうやら飯島は一刻も早く戻りたいらしく俺が飯に誘う前に急いで帰って行く。





ーーーーーー





「…あ、そーいやさっき委員長から聞いたんだけど、どっかの国でクラスの奴の噂を聞いたらしいぜ?」

「噂?」

「マジで?」


昼飯を食ってる最中に俺はふと思い出したので話の流れを変えるように言うと藤原と柴田が興味津々に聞いてくる。


「どっか国って…名前とか聞いてないの?」

「確か…アンダルとか言ってたような…」

「『アンダル』?」

「どこだ?」

「あっ!!」


深山の問いに俺が思い出しながら言うと柴田と藤原は不思議そうに返し…佐藤が急に声を上げて立ち上がった。


「どしたの?」

「何か思い出した?」

「…そういや抜け殻の報酬の残り…用意出来たのに、渡すの忘れてた…」


清水と住吉が聞くと佐藤は俺を見ながら気まずそうに呟く。


「抜け殻の報酬の残りって…まだあったのかよ?」

「そーいやあったな。 最近金に困る事が無かったからすっかり忘れてたわ」

「多分ギルや王様達も新大陸の事で忙し過ぎてソコまで頭回ってないハズ…海原、今大丈夫?」


柴田の確認に俺も今思い出したように返すと佐藤はまだ食事中だというのに席を離れて確認してくる。


「おいおい、まだ飯食ってる最中だぜ?」

「でも午後から仕事あるんでしょ?また忘れたら大変だから覚えてる内に渡しとかないと」

「そんな急ぐ事か?」

「飯食ってさっさと終わらしゃ良くね?」

「もう二週間近く前から『後ででもいいや』って言って今になってるんだからね?覚えてる内にやらないと他の仕事で頭がいっぱいになってまた忘れるって」


俺が拒否るように言うも佐藤に急かされ柴田と藤原が楽観的に言うが佐藤は急ぐ理由を話し出す。


「…しゃーねぇ、じゃあ今行くか。藤、頼む」

「おう。行ってら」


無理やり納得させられた俺はため息を吐いて立ち上がり藤原にお願いしてスキルの連携で佐藤と共に王都内の拠点へと移動した。
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