屋上の合鍵

守 秀斗

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第2話:屋上の合鍵を作る

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 次の日。
 今朝も会話無しの朝食を終えると夫はさっさと家を出て行く。もう、お見送りする気もなくなったわ。そして、私も出社。いつも通りのつまらない仕事。でも、夫との生活よりはマシ。そして、昼食の時間。同じ課の女性の同僚と近くのカフェへ。

「どうしたの、進藤さん。最近、元気ないけど」

 今までもずっと元気ないけどね。

「あの……夫とうまくいってないんです」
「そう、でも、どうして」
「よくわからないんです。なんで結婚したのかしらって思うようになって」
「うーん。旦那さんとは話合ったの」
「何度か私の方から言ったんですけどね。でも、相手にしてくれなくて」

 そう、全然相手にしてくれないの。私のことどう思っているのかしら。体が目当てだったのかしら。でも、体の相性が悪かったんで、がっかりって感じなのかなあ。でも、夫はあまりあっちの方も強くないのよねえ。私は満足したことは一度もないわ。そして、私は元カレとの行為を思い出す。情熱的に抱いてくれた。かなり激しく、快感を味あわせてくれたわ。いろんな体位を思い出してしまう。そして、いろんな恥ずかしい行為も。そこで、私はハッと気付く。何てはしたない女なのかしら。昼食をとっている最中にあの行為のことを考えるなんて。顔が少し赤くなってしまった。

「でも、子供が出来たら旦那さんも変わるんじゃないの」
「……無理ですね」
「え、なんで」
「……その、ないんです」

 同僚は黙ってしまった。そういうことねって顔をしてる。こんなことまで言うことはなかったかしら。悩みすぎて、つい、言ってしまった。恥ずかしいわ。

「けど、夫婦は話し合うことが大切よ」
「そうですよね」

 話し合ってくれるかなあ、我が夫は。

 その後、近くの合鍵屋さんに例のマンションの屋上への鍵を持って行く。わずか十分で合鍵を作製してくれた。元々大した鍵ではないからね。本物は今日の夜にでも、落ちてましたってメモを付けて管理人室のポストに入れて置くつもりよ。また、ストレスがたまったら合鍵を持って、屋上へ行って、あの大パノラマ的風景を見ようかなと思っている。これくらいのことしてもいいでしょ。

 そして、午後。また、つまらない仕事をこなす。お金を貰っているんだから仕方ないわね。そして、今日もわざと残業。家に帰るのが嫌だから。情けないわね、こんなことになって。

 適当なところで仕事を終えて、自宅のマンションに帰る。夫はいつも通り、さっさと寝ている。そして、私も一人で夕食をとり、シャワーを浴びてベッドに入る。一人のベッド。寂しいわ。そして、元カレとの行為をまた思いだしてしまった。ちょっと乱暴な気がしたけど、でも、元カレのがっしりした体で抱かれるとすごく気持ち良かった。そして、いろんな格好でしたなあ。元カレは乱暴に扱ってるような感じでも、最後は私を満足させてくれた。いつも、絶頂へと突き上げてくれた。あの人と結婚すれば良かったかなあ。なんでケンカしちゃたんだろう。別れちゃったんだろう。今、元カレは何をしているんだろう。一緒にいると楽しかったのになあ。やっぱり愛は金で買えないかあ。そうかもしれない。

 元カレとの行為を思い出して、体が熱くなる。私はベッドの下の奥に置いてある秘密の箱を開ける。この箱の存在は夫も知らない。見せたことはない。いろんな大人のおもちゃ。セクシーな衣装。そして、古いデジカメ。そのデジカメを点けてみる。私の恥ずかしい画像がいっぱい入っているの。元カレが撮影したいって言うから応じたの。何で女はこんな恥ずかしい写真を撮影させるんだろう。もう愛は盲目って感じかしらね。当時は大好きだったから、もう何でも言うことは聞くって感じだったなあ。全裸写真がいっぱい。四つん這いになったり、大股を広げてあそこをさらしている画像もあった。今見ると恥ずかしいわ。他にもいろんなセクシーな衣装を無理矢理着せられたり、そして、大人のおもちゃを自分で入れるよう要求されたり。全部従ったわ。動画もあった。自分で慰めている。喘ぎ声を出して、あそこに出し入れしている恥ずかしい動画。ケンカになった時、このデジカメは取り返したのは正解だったわね。リベンジポルノとかでネットに流されたら生きていけないわって画像や動画ばかり。でも、なんで削除しないでそのまま残しているのかしら。思い出のために取っておいたのかしらね。そして、そんな画像や動画を見ているうちに私は我慢できなくなった。

 起き上がって、パジャマと下着を脱ぎ捨てる私。部屋の隅に置いてある全身が映る鏡。それに自分を映す。でも、もっと大きな鏡がほしいと思ったりして。私っていやらしいな。けど、すでにあそこが濡れているわ。私は胸をさわり、あそこをいじる。なんていやらしい女なの。でも、夫が相手にしてくれないんだもん。自分でするしかないじゃないの。

 私は自らあそこの穴に指を挿入し、もう片手で敏感な女の突起をゆるゆるとさわる。そして、元カレとの行為を思い出す。今、私のあそこをさわっているのは元カレ。

「ああ……いいわ……」

 あんまり大声は出せないわね。そして、もっと奥の方まで指を入れて中を擦る。鏡には自分でいやらしい行為をしている女が映っている。顔を淫らに上気させ、開け放しの口から涎が垂れてきた。それが乳房に滴り落ちる。いやらしい光景。

「いい、気持ちいい、もっとして……ああ、もっと……お願い、激しくして……」

 だんだんと激しくなっていく私の指の動き。ああ、そろそろいきそうだわ。ああん、男の人に抱かれたい、厚い胸に顔をうずめたいの。あそこに熱くて太いものを挿入されて激しくしてもらいたいの。いっぱいあそこに出してもらいたい。

「い、いく、いくう……」

 私は絶頂へ達してしまう。そして、床にへたり込む。そして、しばらく裸のままボーっとしている。夫がいるのになんだか情けないわね。
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