悪役令嬢の居場所。

葉叶

文字の大きさ
22 / 73
その頃国では…

第二王子side

しおりを挟む
何故だ!何故私がこんな目に合わなくてはならないのだ!

「離せ!貴様ら私にこんな事をしてタダで済むと思っているのか!?
兄上も何故そんな奴等と仲良く食事をしているのです!!!」

「何故、と言われても誘われたんだから断る訳にはいかないと思うが?
それに、お前にどんな事をしても彼等は許されるんだよ。それだけの事をお前達はしたんだから」

全てアイツのせいなのか!?
私とミサカに嫉妬をしミサカをイジメた悪女のせいなのか!?
兄上まで洗脳するなんて…!!

「あー、もう煩いなぁ。
見てわからない?今食事中なんだけどー?
セラー!おかわりー!
ちょっと、ミヤネもちゃんと食べなよね!
これから体力居るんだから!そんなひ弱じゃ僕の国へは来れないよ!?」

「は、はいっ
で、でも私まで食べていいのですか?」

「はい、只今お持ちしますね。
いいのですよ。貴方は貴方に出来る事を精一杯やってくれました。
これは、せめてものお礼です」

「…っありがとう…ございます…っ」

「セラ…コレ…僕好き…へへへ…」

「お口に合われたようで良かったです」

私の事など見えていないかのように食事を続ける人外共
兵士は何をしているんだ!こういう時の為に金を貰っているのではないのか!?

「ミサカ、大丈夫だよ。
私がきっと君を助けるから。」

横で縛られている愛しい人は、恐がっているのか青褪めている

「アハハハハッ
ちょっと!セッカ!今の聞いた!?
私がきっと君を助けるから…キリッ
どう!?似てた?」

ケタケタ笑いながら私のモノマネをする人外の子供。

「凄い!チナ…もっかい…もっかいっ」

「いいよー!
私がきっと君を助けるから…キリッ
あ、駄目!笑いがこみあげて来る…!
どうやって助けるつもりなのかなぁっ?アハハハ」

くぅっ!どこまで私を馬鹿にするのだ!!

「兄上!どうして兄上まで笑っているのです!
王子である私に対して余りにも無礼です!!」

「王子…?」

な、何故兄上はこんなにも怖い顔をしているのでしょうか

「お前は今迄少しでも努力をしたか?
私達王族は、国民の為に努力し続けなければいけない存在だ。
彼等は国を支える為働きそのお金を私達に渡してくれている。
そのお金は贅沢に使うものではなく彼らが暮らしやすくなるよう橋を作ったり道を舗装したり災害時に使うお金だ。
それをお前達は私達は王族なのだから当たり前だと言ったよな?
わざわざ平民を貶す為に街におりては問題を起こしていたよな?
お前はな、確かに王族ではあるが王族としての資質などない。
只のチンピラと同じなのだよ。」

「チ、チンピラ!?
どうしてそんな酷い事を言うのですか!?
彼等が私達に仕えるのは当然ではありませんか!
私達は王族で彼等は我等より下等な存在なのですから!!」

何故私達が彼等に感謝せねばならんのだ。
寧ろ、私に関われる事を感謝してもらわねばならぬわ!

「そこがまず間違いだと言っている。
同じ人間であるのだからどちらが上などないのだ。
私達は偶々王族として産まれただけだ。
そんな考えだから自分が何をしたか理解できないんだ。
お前たちのせいでこの国は滅ぶというのに。」

「何故です!?」

「はぁ…お前達には何度もティアラ・チュードリッヒには手を出すなと申してきたはずだ。
父上達が話さないから傲慢な
お前達が無謀な事をする前に何度も何度も言っただろう?
ティアラ・チュードリッヒは、この国の最重要人物であり彼女を守る事で私達は生かされているのだと。
それなのに、何度言っても態度を改める所かティアラ・チュードリッヒへの態度は悪化するばかり。
あげくは、彼女を襲おうとするなんて馬鹿な事までする始末。
私が彼女を助け出してなければ彼女が心にどれだけの傷を負ったと思っている。
合意もなしに婚前交渉などあってはならない事だと、馬鹿なお前でもわかっているだろう?」

心底軽蔑したような目で私を見る兄上。
何故そんな目で私を見るのかわからない。
私は間違った事など何もしてない。

「あれは、合意の上です!
それにアイツから誘ってきたのですよ!!」

「…本当に合意の上なら
何故彼女は目に涙をため震えていたんだ。
どうして唇が切れるほど唇を噛んでいたんだ?
彼女はお前達の玩具ではなく、一人の人間なのだと何度言えばわかる…!
お前達にはない人への思いやりを持っている優しい人間だと何度も告げた筈だ!!」

「そんな事私は知りませんよ。初めてだから緊張していたのではないですか?
それに、思いやりがある人間が何故イジメをするのです!
アイツがミサカをイジメていたのは事実ではありませんか!?」

「だから!それが間違いだと言っているんだ!
彼女はお前を愛してなどいない。ましてや、お前が浮気して嫉妬するなどありえない!
寧ろ婚約破棄出来て喜ぶだろう。
何故ティアラ・チュードリッヒとお前を父上が婚約させたと思う?
何故私ではなかったか…お前にはわかるか?」

「それは、私の方が相応しいからではないのですか?」

「はぁ…それは違う。
父上は、恐れたのだ。
私が実質国を運営し、父上はお飾りの国王だった。
実際城では父上の引退を急かす者すら現れてきていた。
だから父上は、私とティアラ・チュードリッヒが婚約し結婚すれば
私がこの国の権力だけではなく彼等と同盟を組み自分を追い出すと恐れたのだ。
故に、お前が選ばれた。馬鹿で野心などない子供なお前がな。」

「そんなの嘘です!父上は、私に相応しい女だから私と婚約させたと言っていましたっ!
それに、父上はお飾りの国王などではありませぬ!!」

「だからっ「はーい、そこまでー!
ミヤネはご飯食べようねぇ。
今いくつか聞き流せないこともあったし
セラー、ちょっとコイツ黙らしといてよー。
ご飯食べたらじっくり話さなきゃね。」

兄上の口に手を当てニッコリ笑う人外の子供。

「ングっ!?ンンーーーッ!!」

突然口に何かをはめられ何も話せない。
何故兄上はあんな見た事もない顔で嬉しそうに微笑んでいるのでしょう?
何故ミサカは私の方を見ないのでしょうか。

何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で!!!
昨日まで全てが上手くいっていた
これから自分で選んだ愛する人と幸せに暮していくはずだったのに!アイツが…アイツが全てを壊したんだ
アイツのせいで兄上もミサカも可笑しくなったんだ!

全てはアイツのせいだ…!
ティアラ・チュードリッヒが存在していたから…
ティアラ・チュードリッヒが全てを壊したんだ!!!


しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?

魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。 彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。 国外追放の系に処された。 そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。 新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。 しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。 夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。 ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。 そして学校を卒業したら大陸中を巡る! そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、 鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……? 「君を愛している」 一体なにがどうなってるの!?

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

モブ令嬢、当て馬の恋を応援する

みるくコーヒー
恋愛
侯爵令嬢であるレアルチアは、7歳のある日母に連れられたお茶会で前世の記憶を取り戻し、この世界が概要だけ見た少女マンガの世界であることに気づく。元々、当て馬キャラが大好きな彼女の野望はその瞬間から始まった。必ずや私が当て馬な彼の恋を応援し成就させてみせます!!!と、彼女が暴走する裏側で当て馬キャラのジゼルはレアルチアを囲っていく。ただしアプローチには微塵も気づかれない。噛み合わない2人のすれ違いな恋物語。

処理中です...