悪役令嬢の居場所。

葉叶

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いつから歪んだのか。

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昔、まだお母さんが生きていた時
どうして生涯の伴侶にお父さんを選んだのか聞いた事があった。
娘の私から見てお父さんはおっちょこちょいで頼りないけど、優しくてよく笑ってる人だった。
お母さんは美人で何でも出来る自慢のお母さん。
そんなお母さんがどうしてお父さんを選んだのか気になったんだ。

「おかあさん!
どうしておとうさんをえらんだの?
おかあさんモテモテなのに、どうしておとうさんだったの?」

「んー、この人の隣が…私の居場所だって思ったからかしらね。」

お母さんの膝で子供みたいにニマニマしながらすやすや眠るお父さんの頭を撫でながらお母さんは微笑んだ

「居場所ー?」

「そうよ。
修さんと出逢って思ったの。
修さんの隣りに居たいな。ここが私の居場所だなって
修さんと仲良くなって側に居ればいるほど
お母さんのその思いは大きくなったの。
お母さんの本能だったのか、単なる勘だったのかはわからないけど
間違いではなかったわ。
修さんは、とても優しく穏やかな人よ。
暖かく包み込む陽だまりの様な人。
ふふふ、瑠璃にはまだ難しいかもね。
でもね、いつか瑠璃にもそんな人が現れるわ」

「むー、よくわからないや」

私は、お父さんを見るお母さんが
お母さんを見るお父さんが好きだった。
お互いがお互いを想いあってるのがよくわかったから。
私の理想は昔からお母さん達で 
お母さんの言う居場所を見つけたかった。
此処が私の居場所だと本能で感じる場所に居たかった。

ただ、それだけだった。
居場所を…探してただけだった。
やっと…やっとお母さんの言っていた言葉の意味がわかった時には全てが遅かった。
全てが壊れ崩れていた。

私のせいで世界が壊れかけてしまった。
妹のいる世界まで壊れかけてしまった。
発端は女神でもその後の出来事は全て私のせいだ。
私が居るから真斗は暴走する。
私が居なければ。
私が元から存在しなければ…誰も傷つかない。






産まれてきて…ごめんなさい………






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