悪役令嬢の居場所。

葉叶

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番外編

幼少期の3人

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「おねーちゃん!ゆりとあそぼー!?」

「るり、きょうはさんぽしよ?」

両側からグイグイ引っ張られて半泣きの女の子が目に入ってないのか
両側で火花を散らしあう二人

「きょうはサブローにあいにいくからどちらともあそばないよ」

女の子がそういった瞬間引っ張っていた男の子と女の子の目にどんどん涙が溜まっていく。

「ないてもだめだよ!
そういうのなきおとしっていうんだよ!
たまにはふたりであそびなよ!」

そう言ってタタッと走っていってしまった女の子を目で追い女の子がいなくなった瞬間二人は睨み合った

「ゆりちゃんのせいでるりがサブローとうわきしにいった!」

「ゆりのせいじゃないもん!
まさとくんのせいだもん!!
おねーちゃんはゆりのおねーちゃんなのっ!
まさとくんののじゃないのっ!!
それにサブローはわんこだからうわきじゃないんだよ!!」

「るりは僕のだよ!
いぬでもうわきはうわき!!」

ほっぺたを膨らませて睨み合う二人

「違うもん!まさとくんのばか!」

女の子は落ちていたつみきを男の子に向かって投げた

「いたっ…なにすんだよ!」

男の子と女の子は取っ組み合いの喧嘩になり物音に驚いて様子を見に来た両親に止められるまで続いた。

それが一日だけでは終わらず
1週間
1ヶ月と日を重ねるごとに喧嘩はエスカレートして二人は生傷が耐えなかった。
それに痺れを切らした女の子は二人の前に仁王立ちして

「わたしらんぼうなこきらいっ!
なかよくできないならわたしふたりとあそばないから!!」

そう言って家から出ていってしまった。

嫌いと言われた二人はこの世の終わりでも来たかの様に絶望した表情で固まっていた。

それからどれくらい時間が経ったろうか

「ゆりちゃん…ほんとうにイヤだけど
るりのまえではなかよくしよ?」

「ゆりもイヤだけど
おねーちゃんにきらわれたくないからなかよくする…おねーちゃんのまえでだけ…」

二人は向き合いながら渋々握手をして
手を繋いで庭で犬と戯れていた瑠璃の元へ向かった

「サブローこしょぐったいって!あははっ
…ふたりともなに?」

「るり、ゆりちゃんとなかなおりしたから
えっと…そのっ…ふぅっ…っうぇえええん」

「まさとくんとちゃんとなかよくするからっ…
ゆりのこと嫌わないでぇええええ」

二人して大号泣しながら瑠璃に抱きついた。
瑠璃は二人が泣き止むまで二人を抱きしめてホッと一息ついた。

だけど、この時の瑠璃はこんな事がこれからまだ何度も起きるとは思ってもいなかったのであった。

二人が本当の協定を結ぶのはまだ先のお話。

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