悪役令嬢の居場所。

葉叶

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番外編 もしも壺に落ちて居なかったら。

2 七五三

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「つっくん!さっちゃんの七五三何がいいかな!?
可愛いのばっかりで迷っちゃう!」

いくつもの着物を手に持ちソファーに寝転ぶ司に近づく千歳。

「幸の好きな奴でいいだろ。
ってか、お前何処にお参り行くわけ?
神社?人界のなら俺達行けなくねぇか?」

通常神の子は七五三等のイベント事はやらない。
というのも、神に成長を祈ったりだとかするイベント事を神がやるのがおかしいからだ。
アレは人界だからこそのイベント。
神界では無縁のものだ。

「ん?さっちゃんを可愛くて着飾って最高神様の所に、可愛いでしょ?って自慢しに行く!!
後我が子が可愛いく育つ様にちょっと願ってもらう!
だって、3歳のときはやれなかったから今年こそはやらなきゃ!」

鼻息荒く言う千歳に少々…いやガッツリ引く司。
3歳の時は、司と千歳の仕事が忙し過ぎて行く暇がなかった。

「んぅ………つーぱぱぁ?」

「あぁ、幸起きたのか。
ごめんな?煩かったろ?」

司のお腹の上で寝ていた幸が目を擦りながら
ズリズリと司の顔の近くまで這い上がる
よしよしと頭を撫でられ気持ちよくて目を細める幸。

「さっちゃん!どれが着たい!?」

さっきより増えた着物を幸に見せる千歳。

「あれー」

ピッと指さしたのはピンク色の着物に色とりどりの花が散らばっている着物だった。

「つーパパ、さちおなかすいたぁ」

「あぁ、そういえばそんな時間か。
幸、何が食べたい?」

「えーとねぇ、さちすぺしゃるたべたい!」

ニマッと笑う幸の頭を撫でて

「おい、木偶の坊。
幸が幸スペシャルご希望だぞ。早く作れ。
ついでに俺の分も作れ」

「喜んで!待っててね!美味しいの作るからね!!」

目にも止まらぬ速さでキッチンへ走っていく千歳。

「つーぱぱ、さちアレ着るの?」

「そうだぞ?
アレを着て千歳パパの仕事場に行って
偉い神様に、これからも元気でいれますようにってお願いしに行くんだ。」

「ちぃぱぱのおしごとすがたみれる?」

「一緒に行くから見れないだろうな。
千歳パパが働いてる所見たいのか?」

「さち、みてみたい!
いつもおうちでつーぱぱがんばってるのさちおうえんしてる!
だけど、ちぃぱぱはおそとだからおうえんできない…
それに、つーぱぱおしごとしてるときすっごくかっこいいから、さち、ちぃぱぱのかっこいいところもみたい!」

フンスフンスと鼻息荒く語る幸。

「んー、そうだなぁ。
それじゃあ今度千歳パパが仕事してるの見に行くか。
あ、これは千歳パパには内緒だぞ?
内緒で行って千歳パパ吃驚させような」

「うん!さち、ないしょできるよ!
しぃーだよね!」

「そう、しぃーだぞ。」

二人で口元に手を持っていき、しぃーとし合って悪戯っ子みたいに笑う。

「出来たよー!
あれ?二人ともどうしたの?」

「なんでもなーい!ちぃぱぱには、しぃーなの!」

「え!?なになになに!?気になるんだけど!?」

「いいから食うぞー」

「え!?僕も仲間に入れてよ!?」

ワーワー叫ぶ千歳を司が鉄拳制裁して仲良く晩御飯を食べる3人。


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