悪役令嬢の居場所。

葉叶

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番外編 もしも壺に落ちて居なかったら。

3 七五三

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七五三 当日。

「うぅー…何でこんな日に仕事ぉおおお!!
さ、さっちゃん!ごめんね!すぐ帰ってくるから!晩御飯は豪勢にするから…こんなパパを許してくれぇえええええ」

叫びながら引きずられ家から出ていく千歳。

「いってらっしゃーい」

笑顔で手を振る幸。

「幸、それじゃあ軽くご飯食べて着替えるか」

「うん!」

サンドイッチを食べて司にこの前決めた着物を着せてもらう。

「幸、良く似合ってるぞ」

「さち、かわいい!?」

「おぉ、めっちゃ可愛いわ。」

崩れない程度に頭を撫でると、えへへと照れながら笑う幸。

「それじゃあ、行くか」

「うん!」

千歳の職場までのワープゲートに入ると白い翼を生やした人達が慌ただしく動いていた。

「幸、おいで」

柔らかい笑顔で両手を広げられ、幸はその腕の中に飛び込んだ。

「思ったより人多いから、こっからは抱っこしてく。」

「ちぃぱぱどこー?」

キョロキョロと辺りを見渡すけど、似たような姿の人が多く幸には見つけられなかった。

「千歳パパは、あっちだな。」

司は、スタスタと歩き大きな扉を少しだけ開けた。

「幸、しぃーだぞ。」

コクコク頷いて司と一緒に少し開けた扉の隙間から中を除くと
中には見えないスピードで書類を捌く千歳がいた。
見た事がない真面目な顔で黙々と書類を捌く千歳。

クイッと司の服を幸が引っ張る。
首を傾げながら司がしゃがむと

「ちぃぱぱカッコイイねぇ」

小さな声で耳元で囁く幸。
家では泣くか叫ぶか笑うかの千歳。
幸にとって真面目な顔は中々のレアな顔だった。

「ん!?今さっちゃんの声が聞こえた気がする!!
僕帰らなきゃ!!」

突然スクッと立ち上がり扉をバンっと開ける千歳。

「わぁっ!?」

その音にビックリして思わず声を漏らす幸。

「え!?な、何で此処にさっちゃんが!?
え!?」

「幸がお前の仕事姿が見たいって言うから連れてきた。」

「も、もももしかして僕が今日仕事だったのって……」

「俺が最高神様に頼んだ。」

焦りまくる千歳に、シレーッとした顔で答える司。

「ちぃぱぱカッコよかったぁ
キリってしてた!キリって!」

先程の千歳を真似しながらキャッキャ笑う幸。

「か、かっこいい……
ぽ、本当に!?僕かっこいい?」

「かっこいい!」

ニコっと笑う幸を抱き締めて、嬉しすぎて幸をぐるぐる回す。
幸は楽しくて更に笑う。

「さてと、最高神様の所行くか」

「うん!行こうか」

「さち、まんなかー!
みぎが、ちぃぱぱ!ひだりが、つーぱぱ!」

二人と手を繋ぎニコニコしながら歩く幸を見て二人とも蕩けそうな笑顔で一緒に歩く。


そんな二人を見て顎がはずれそうな勢いで口を開け吃驚する天使たちが居たとか居なかったとか



その後。



「見て見て可愛いでしょ!最高神様!
僕とつっくんの娘だよ!」

「お久しぶりです。最高神様。
この度はそこのカスの我儘でご迷惑をかけてしまい申し訳ありません。」

「本当にお前ら見た目と中身が釣り合っとらんなぁ。」

カッカッカッと笑う燃えるような赤い髪をを持つ少年。

「つーぱぱ?だぁれ?」

キョトンとした顔をして司の服を引っ張る。

「幸、あの人は最「じぃじだぞー。ほら、おいで?」………だそうだ。行っておいで」

キョトンとしながらも、トテトテ歩いて赤髪の少年の元へと歩く幸。

「君に幸せな未来が訪れる事を祈ってるよ。」

チュッとオデコにキスをした。
キスされた所はじんわりと温かくて、幸は何だか不思議な気持ちになった。

「また会いに来ておくれ」

優しく頬を撫でられ

「うん!またあいにくる!
えーとね、やくそくのゆびきり!」

そう言って小指と小指を絡め

「ゆーびきりげんまん
うーそつーいたら、アッパーしてあたまグリグリしてきゅうしょけーりとーばす!ゆーびきった!」

「ちょっ!君達どんな事教えてるの!?」

「つっくん!つっくんが変な事するから幸が覚えちゃったじゃん!!」

「……全ては約束を破る奴が悪いので
破らなければいいと思いまーす」

「ます!」

少し気まずくなって顔を逸らす司とそれを真似する幸。

「それじゃあ、ソイツはこき使ってもらっていいんでお先に失礼します。」

「え!?僕も一緒にか「お前はまだ沢山仕事あるからな」

一緒に帰ろうとする千歳の方を青年の姿になった最高神が掴む。

「幸、バイバイは?」

幸を抱っこしていうと

「ちぃぱぱ、じぃじ!ばいばーい!」

満面の笑みで手を振る幸に思わず笑顔で手を振る千歳。

「ハッ…!い、いや僕帰るってぇええええ」

「さぁて、これで少しサボれるー!」

喜ぶ最高神と泣き叫ぶ千歳。
千歳は少しの間泣き叫び続けたとか

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