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最終章 人質でなくなった王女と忘れない王太子
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シャッターの下りたお店ばかりの中、ポツンポツンと開いているお店もあった。
「支援金はまだ支給してないけど、税金は大幅に引き下がると通知を出したんだ。それで、店を再開しようとしている人達が、商店街に戻ってきて店を開けてくれている。やっぱり、人が居て、物が流通して、売る人がいて買う人がいないと、経済は成り立たない。ディリオンが国債をランバラルドのお金で買って資金がきたら、支援金も支給できて、もっと活気が出ると思う」
そう言いながら町を歩くライリー殿下は、たまにすれ違う人に声を掛けられていた。
「ライリー殿下は、この町を知っているのですか?」
「こら、今日はライだって。うん、そう。たまにライの姿で町を歩いていた。やっぱり、現状を知ることは大事だろう?」
私がただオロオロとしている間に、この人は町に出てこの国の様子を見ていてくれたんだ。
なんてすごい人なんだろう。
他国の民をも大切にして、ここまで骨を折ってくれて。
「ライリー殿下は、生まれながらの王様ですね。ランバラルドの民は幸せです。あなたの治める国で、生きていける民は幸せです」
ライリー殿下は優しい瞳を私に向けた。
「違うよ。オレも、最初からこんな風に考えられたわけじゃないんだ。もう忘れてしまうくらい遠い昔に、ある人に教わったんだ。上に立つ人が困った人を放っておいたらダメだって、そう教えてくれた」
「その人はお父様?」
「いや……。もうずっと前で、いつだったかどこでだったかも覚えていないんだけど。留学先の見学に行った時だったかなあ……」
「でも、その話を聞いて、自分のものにしたのはライリー殿下だわ。やっぱり、あなたはすごい人です」
「いやあ~。ロッテにそんなに褒められると照れるなあ。あ、ロッテ、ここだよ。ブレンダさんが言っていたカフェ」
ライリー殿下に手を引かれて、木目調カントリー風のドアを開けると、そこはランバラルドで入ったカフェとは、また趣の違うカフェだった。
赤いチェックのテーブルクロスが掛かったテーブルと、フリルのエプロンをつけた可愛い女の子の店員さんが見えた。
「いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ」
「ロッテ、せっかくだから、窓際に行こう」
ライリー殿下は私の手を引いて、窓際の席に座った。
窓からは、道行く人がよく見えた。
「メニューをどうぞ。まだ、今日再開したばかりなので、無いものもあるんですけど…。お飲み物はコーヒーがちょっと無理で、紅茶かオレンジジュースになってしまうんですが」
店員さんが、メニュー表を持って席に来てくれる。
「ロッテ、チョコレートケーキがあるよ! 好きだったろう、それにしたら? オレはチーズケーキ。紅茶で大丈夫だよ」
「はいっ、チョコレートケーキにします。私も紅茶で」
程なくして、店員さんが持ってきてくれたチョコレートケーキは、ランバラルドで食べたものとは少し違っていて、味も違った美味しさがあった。
食べながら話をしていると、ライリー殿下が窓の外に視線を向けた。
「あ、見て。あんなに小さな子がお店手伝ってる。5.6歳くらいかな。キャベツ持って店に並べてるよ。あの子は大きくなったらお店を継ぐのかな。その頃には、もっとお店がでかくなってたりしてね」
「そうですね。こうやって、外の人を眺めていると、がんばろうっていう気になりますね。あの子が、大きくなった時に、がんばっただけお店も大きくできる。そんな国にしたいです」
私がそう言うと、ライリー殿下は私の顔をじっと見た。
「……? 私の顔に何かついていますか?」
「いや、なんでもない……」
カフェを出た後も、開いているお店を見て回ったりしているうちに時間が過ぎて行き、気がつくと夕方になっていた。
ノックをしても執務室から出で来ない私を心配したアーサーが、合鍵を使ってドアを開けて、私がいないと大騒ぎになっていることを知らない私達は、急いでお城に帰るのだった。
「支援金はまだ支給してないけど、税金は大幅に引き下がると通知を出したんだ。それで、店を再開しようとしている人達が、商店街に戻ってきて店を開けてくれている。やっぱり、人が居て、物が流通して、売る人がいて買う人がいないと、経済は成り立たない。ディリオンが国債をランバラルドのお金で買って資金がきたら、支援金も支給できて、もっと活気が出ると思う」
そう言いながら町を歩くライリー殿下は、たまにすれ違う人に声を掛けられていた。
「ライリー殿下は、この町を知っているのですか?」
「こら、今日はライだって。うん、そう。たまにライの姿で町を歩いていた。やっぱり、現状を知ることは大事だろう?」
私がただオロオロとしている間に、この人は町に出てこの国の様子を見ていてくれたんだ。
なんてすごい人なんだろう。
他国の民をも大切にして、ここまで骨を折ってくれて。
「ライリー殿下は、生まれながらの王様ですね。ランバラルドの民は幸せです。あなたの治める国で、生きていける民は幸せです」
ライリー殿下は優しい瞳を私に向けた。
「違うよ。オレも、最初からこんな風に考えられたわけじゃないんだ。もう忘れてしまうくらい遠い昔に、ある人に教わったんだ。上に立つ人が困った人を放っておいたらダメだって、そう教えてくれた」
「その人はお父様?」
「いや……。もうずっと前で、いつだったかどこでだったかも覚えていないんだけど。留学先の見学に行った時だったかなあ……」
「でも、その話を聞いて、自分のものにしたのはライリー殿下だわ。やっぱり、あなたはすごい人です」
「いやあ~。ロッテにそんなに褒められると照れるなあ。あ、ロッテ、ここだよ。ブレンダさんが言っていたカフェ」
ライリー殿下に手を引かれて、木目調カントリー風のドアを開けると、そこはランバラルドで入ったカフェとは、また趣の違うカフェだった。
赤いチェックのテーブルクロスが掛かったテーブルと、フリルのエプロンをつけた可愛い女の子の店員さんが見えた。
「いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ」
「ロッテ、せっかくだから、窓際に行こう」
ライリー殿下は私の手を引いて、窓際の席に座った。
窓からは、道行く人がよく見えた。
「メニューをどうぞ。まだ、今日再開したばかりなので、無いものもあるんですけど…。お飲み物はコーヒーがちょっと無理で、紅茶かオレンジジュースになってしまうんですが」
店員さんが、メニュー表を持って席に来てくれる。
「ロッテ、チョコレートケーキがあるよ! 好きだったろう、それにしたら? オレはチーズケーキ。紅茶で大丈夫だよ」
「はいっ、チョコレートケーキにします。私も紅茶で」
程なくして、店員さんが持ってきてくれたチョコレートケーキは、ランバラルドで食べたものとは少し違っていて、味も違った美味しさがあった。
食べながら話をしていると、ライリー殿下が窓の外に視線を向けた。
「あ、見て。あんなに小さな子がお店手伝ってる。5.6歳くらいかな。キャベツ持って店に並べてるよ。あの子は大きくなったらお店を継ぐのかな。その頃には、もっとお店がでかくなってたりしてね」
「そうですね。こうやって、外の人を眺めていると、がんばろうっていう気になりますね。あの子が、大きくなった時に、がんばっただけお店も大きくできる。そんな国にしたいです」
私がそう言うと、ライリー殿下は私の顔をじっと見た。
「……? 私の顔に何かついていますか?」
「いや、なんでもない……」
カフェを出た後も、開いているお店を見て回ったりしているうちに時間が過ぎて行き、気がつくと夕方になっていた。
ノックをしても執務室から出で来ない私を心配したアーサーが、合鍵を使ってドアを開けて、私がいないと大騒ぎになっていることを知らない私達は、急いでお城に帰るのだった。
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