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土の王国編
え、私転生しても仕事してる?
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ひとまず寝室に帰してもらったのでベッドにうつ伏せになりながら考えごとをしていた。ゲームの中でいくら嫌われ者のレジーナとはいえ、その存在を抹消してしまったことに対する罪悪感が凄まじかった。
誰にも迷惑をかけないようにちゃんとしようとしてきた人生。私にどうにかできた問題ではないかもしれないけど、本物のレジーナ取り返しのつかない迷惑をかけてしまった。
「あー……」
うめき声を上げて落ち着こうとするけど、今回はあまり効果がない。
「冒険の目的の一つはレジーナに体を返すこと……かな」
私は元より死んだ人間。そんな人間が人様に迷惑をかけてはいけない。今まで以上にそう思ってしまう。しかしその一方で大好きだった聖王国の世界に来たことに対するワクワクが抑えられない。
良い感情と悪い感情が混ざり合ってちょっとしたパニック状態。
「あー……」
何度もうめき声を上げる。しかし何も解決しない。眠れない。
「そうだ!」
眠れない時は仕事をするに限る。寝室ではあるけれど紙とペンくらいはある。
「冒険のロードマップ作る。ちゃんとした計画を立てる」
そう呟いて私はカリカリと紙に今後の計画を立て始めたのだった。
***
夜が明けてメアリーが私を起こしに扉をノックする。
「失礼いたします。朝の支度を手伝いに……ってどうされたのですか!」
寝室に置かれた小さなデスクに高く積まれた紙。何度も推敲を重ね、記憶の限り聖王国の設定をメモし、書き上げたロードマップ。兼攻略本。
「あ、ちょっと今後の計画を……ね」
徹夜には慣れてる。
「レジーナ様。昨日クロードにお話された件は使用人の間で共有されております。ですから」
「七つの王国を訪ねて本当のレジーナに体を返す計画。まとめたわ。こっちがその計画だけをまとめた計画書。使用人たちで目を通しておいて。それとこっちは私がレジーナに体を返して消えるまでにやりたいことをまとめた計画書。あと、こっちが効率良く世界をまわるためのルート案。それと」
「お、お待ちください!」
メアリーは両手を突き出して私の発言を制止した。
「レジーナ様。私は今のあなたへ仕えることを決意して来ました。ですから消えると言われてハイそうですかとお答えすることができません」
メアリーは伏し目がちにそう言う。優しすぎるようなことを言う少女の姿に私は少し心を鎮めた。
「一緒にゆっくり今後のことを考えていきませんか? 一人でできないことを支えるために私は存在しておりますので。一緒に。一緒に進んでいただけませんか?」
メアリーは震えながら胸の家紋に手を当てて視線を落とす。昨日までのメアリーならば私に意見をするなどあり得なかったはずだ。中身が変わったとはいえ、おいそれと今までのやり方を変えるのは難しいはず。人生2周目みたいな私にはそれも分かる。そんな彼女が勇気を出して言ってくれた。私はそれに答えないといけない。
「私にはメアリーが必要なの。だからこれからも一緒にいてほしい。あと、今みたいに私を注意してくれてありがとう。心配してくれてありがとう」
「……はい」
メアリーは小さく返事をすると深呼吸をして目線を上げる。
「では朝の支度をしましょう」
「あ、でもやっぱり着替えとかは」
「いえ、これは私の仕事です」
そこだけはどうしても譲る気がないようで、またしても私は押し負けたのだった。
誰にも迷惑をかけないようにちゃんとしようとしてきた人生。私にどうにかできた問題ではないかもしれないけど、本物のレジーナ取り返しのつかない迷惑をかけてしまった。
「あー……」
うめき声を上げて落ち着こうとするけど、今回はあまり効果がない。
「冒険の目的の一つはレジーナに体を返すこと……かな」
私は元より死んだ人間。そんな人間が人様に迷惑をかけてはいけない。今まで以上にそう思ってしまう。しかしその一方で大好きだった聖王国の世界に来たことに対するワクワクが抑えられない。
良い感情と悪い感情が混ざり合ってちょっとしたパニック状態。
「あー……」
何度もうめき声を上げる。しかし何も解決しない。眠れない。
「そうだ!」
眠れない時は仕事をするに限る。寝室ではあるけれど紙とペンくらいはある。
「冒険のロードマップ作る。ちゃんとした計画を立てる」
そう呟いて私はカリカリと紙に今後の計画を立て始めたのだった。
***
夜が明けてメアリーが私を起こしに扉をノックする。
「失礼いたします。朝の支度を手伝いに……ってどうされたのですか!」
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「あ、ちょっと今後の計画を……ね」
徹夜には慣れてる。
「レジーナ様。昨日クロードにお話された件は使用人の間で共有されております。ですから」
「七つの王国を訪ねて本当のレジーナに体を返す計画。まとめたわ。こっちがその計画だけをまとめた計画書。使用人たちで目を通しておいて。それとこっちは私がレジーナに体を返して消えるまでにやりたいことをまとめた計画書。あと、こっちが効率良く世界をまわるためのルート案。それと」
「お、お待ちください!」
メアリーは両手を突き出して私の発言を制止した。
「レジーナ様。私は今のあなたへ仕えることを決意して来ました。ですから消えると言われてハイそうですかとお答えすることができません」
メアリーは伏し目がちにそう言う。優しすぎるようなことを言う少女の姿に私は少し心を鎮めた。
「一緒にゆっくり今後のことを考えていきませんか? 一人でできないことを支えるために私は存在しておりますので。一緒に。一緒に進んでいただけませんか?」
メアリーは震えながら胸の家紋に手を当てて視線を落とす。昨日までのメアリーならば私に意見をするなどあり得なかったはずだ。中身が変わったとはいえ、おいそれと今までのやり方を変えるのは難しいはず。人生2周目みたいな私にはそれも分かる。そんな彼女が勇気を出して言ってくれた。私はそれに答えないといけない。
「私にはメアリーが必要なの。だからこれからも一緒にいてほしい。あと、今みたいに私を注意してくれてありがとう。心配してくれてありがとう」
「……はい」
メアリーは小さく返事をすると深呼吸をして目線を上げる。
「では朝の支度をしましょう」
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「いえ、これは私の仕事です」
そこだけはどうしても譲る気がないようで、またしても私は押し負けたのだった。
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