11 / 66
土の王国編
え、私襲われた?
しおりを挟む
「お気をつけていってらっしゃいませ」
使用人たちに見送られながら私たちは馬車で出発した。メンバーは当初の予定通り私とアリスとクロードとメアリー。私が異世界転生したということはアリスには秘密にされている。気が付かないアリスもそれで良いのかと心配にはなるけど。
「初めは土の国へ向かうのですよね? 初めてでとても楽しみです!」
アリスは馬車の中でそう言ってはしゃぐ。御者を務めるクロード以外の馬車の中にいる私たちは旅のしおりのようにした道順マップを見ている。
「一面とうもろこし畑で迫力満点の国よ。私も楽しみ」
「土の王家の家紋ですね! 早く着くと良いですね!」
「クロード。アリスがもっと速度を上げろって言ってるわよー」
「はっ! ただいま!」
「ち、違いますから! クロード、安全運転でお願いします」
そう言って和やかな雰囲気のままクローバーや菜の花が一面に植えられている草原を走り続ける。予定では途中で昼食をとり、日が高いうちには到着できるはず。
懐中時計を見ると時刻は午前12時。そろそろ昼食の時間と思ったその時。
「な、なにごとですか?!」
馬車が突然止まった衝撃に体が流されながらアリスが言う。
「レジーナ様、アリス様。中でそのまま」
外の御者席からクロードが言う。メアリーはその言葉を聞いて即座に飛び出す。アリスはクロードの言う通りにそのまま席に座り直したが、私は気になって御者席に通じる窓から外を覗いた。
不自然に硬直した2頭の馬。そしてその先には10人の武器を持った男たちが立ちはだかっている。
「そこの馬車ぁ! 命が惜しけれりゃ金になるもん全部置いてけぇ!」
先頭に立つ一際体の大きな男が声を張る。典型的な盗賊団だ。ほんの少しテンションが上がる。
「お姉さま、なんだか楽しそうですね」
「だって盗賊よ。初めて本物を見たわ」
私の言葉にアリスは少し呆れた様子。でも仕方ないじゃない。私は小さい頃から強盗とかテロリストに遭遇したらどうしようなんて妄想をしてたような人なんだから。
「どんな魔法を使って馬を止めたのかは知らないが、フルハイム家の馬車と知った上での狼藉か?」
クロードは御者席から降りると直剣を抜いて言った。メアリーはそんなクロードの隣に立って同じく直剣を抜く。
「は? 知るかよ。こっちは生活がかかってるんでな。抵抗するなら殺してでも奪うだけよ」
10人の男たちはリーダー格の男の言葉を皮切りに一斉にこちらへと襲いかかってきたのだった。
使用人たちに見送られながら私たちは馬車で出発した。メンバーは当初の予定通り私とアリスとクロードとメアリー。私が異世界転生したということはアリスには秘密にされている。気が付かないアリスもそれで良いのかと心配にはなるけど。
「初めは土の国へ向かうのですよね? 初めてでとても楽しみです!」
アリスは馬車の中でそう言ってはしゃぐ。御者を務めるクロード以外の馬車の中にいる私たちは旅のしおりのようにした道順マップを見ている。
「一面とうもろこし畑で迫力満点の国よ。私も楽しみ」
「土の王家の家紋ですね! 早く着くと良いですね!」
「クロード。アリスがもっと速度を上げろって言ってるわよー」
「はっ! ただいま!」
「ち、違いますから! クロード、安全運転でお願いします」
そう言って和やかな雰囲気のままクローバーや菜の花が一面に植えられている草原を走り続ける。予定では途中で昼食をとり、日が高いうちには到着できるはず。
懐中時計を見ると時刻は午前12時。そろそろ昼食の時間と思ったその時。
「な、なにごとですか?!」
馬車が突然止まった衝撃に体が流されながらアリスが言う。
「レジーナ様、アリス様。中でそのまま」
外の御者席からクロードが言う。メアリーはその言葉を聞いて即座に飛び出す。アリスはクロードの言う通りにそのまま席に座り直したが、私は気になって御者席に通じる窓から外を覗いた。
不自然に硬直した2頭の馬。そしてその先には10人の武器を持った男たちが立ちはだかっている。
「そこの馬車ぁ! 命が惜しけれりゃ金になるもん全部置いてけぇ!」
先頭に立つ一際体の大きな男が声を張る。典型的な盗賊団だ。ほんの少しテンションが上がる。
「お姉さま、なんだか楽しそうですね」
「だって盗賊よ。初めて本物を見たわ」
私の言葉にアリスは少し呆れた様子。でも仕方ないじゃない。私は小さい頃から強盗とかテロリストに遭遇したらどうしようなんて妄想をしてたような人なんだから。
「どんな魔法を使って馬を止めたのかは知らないが、フルハイム家の馬車と知った上での狼藉か?」
クロードは御者席から降りると直剣を抜いて言った。メアリーはそんなクロードの隣に立って同じく直剣を抜く。
「は? 知るかよ。こっちは生活がかかってるんでな。抵抗するなら殺してでも奪うだけよ」
10人の男たちはリーダー格の男の言葉を皮切りに一斉にこちらへと襲いかかってきたのだった。
2
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
ゲームの悪役貴族に転生した俺、断罪されて処刑される未来を回避するため死ぬ気で努力したら、いつの間にか“救国の聖人”と呼ばれてたんだが
夏見ナイ
ファンタジー
過労死した俺が転生したのは、大好きな乙女ゲームの悪役貴族アレン。待つのはヒロインたちからの断罪と処刑エンド!?冗談じゃない!
絶対に生き延びて平穏な老後を送るため、俺はゲーム知識を総動員して破滅フラグ回避に奔走する。領地を改革し、民を救い、来るべき災厄に備えて血の滲むような努力を重ねた。
ただ死にたくない一心だったのに、その行動はなぜか周囲に「深謀遠慮の聖人」と勘違いされ、評価はうなぎ登り。
おまけに、俺を断罪するはずの聖女や王女、天才魔導師といったヒロインたちが「運命の人だわ!」「結婚してください!」と次々に迫ってきて……!?
これは、破滅を回避したいだけの悪役貴族が、いつの間にか国を救う英雄に祭り上げられ、ヒロインたちに溺愛される勘違い救国ファンタジー!
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね
星井ゆの花
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』
悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。
地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……?
* この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。
* 2025年12月06日、番外編の投稿開始しました。
離婚と追放された悪役令嬢ですが、前世の農業知識で辺境の村を大改革!気づいた元夫が後悔の涙を流しても、隣国の王子様と幸せになります
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リセラは、夫である王子ルドルフから突然の離婚を宣告される。理由は、異世界から現れた聖女セリーナへの愛。前世が農業大学の学生だった記憶を持つリセラは、ゲームのシナリオ通り悪役令嬢として処刑される運命を回避し、慰謝料として手に入れた辺境の荒れ地で第二の人生をスタートさせる!
前世の知識を活かした農業改革で、貧しい村はみるみる豊かに。美味しい作物と加工品は評判を呼び、やがて隣国の知的な王子アレクサンダーの目にも留まる。
「君の作る未来を、そばで見ていたい」――穏やかで誠実な彼に惹かれていくリセラ。
一方、リセラを捨てた元夫は彼女の成功を耳にし、後悔の念に駆られ始めるが……?
これは、捨てられた悪役令嬢が、農業で華麗に成り上がり、真実の愛と幸せを掴む、痛快サクセス・ラブストーリー!
追放された悪役令嬢(実は元・最強暗殺者)ですが、辺境の谷を開拓したら大陸一の楽園になったので、今更戻ってこいと言われてもお断りです
黒崎隼人
ファンタジー
元・凄腕暗殺者の私、悪役令嬢イザベラに転生しました。待つのは断罪からの破滅エンド?……上等じゃない。むしろ面倒な王宮から解放される大チャンス!
婚約破棄の慰謝料に、誰もが見捨てた極寒の辺境『忘れられた谷』をせしめて、いざ悠々自適なスローライフへ!
前世の暗殺スキルと現代知識をフル活用し、不毛の地を理想郷へと大改革。特製ポーションに絶品保存食、魔獣素材の最強武具――気づけば、谷は大陸屈指の豊かさを誇る独立領に大変貌!?
そんな私の元に現れたのは、後悔と執着に濡れた元婚約者の王太子、私を密かに慕っていた騎士団長、そして「君ごとこの領地をいただく」と宣言する冷徹なはずの溺愛皇帝陛下!?
いえ、求めているのは平穏な毎日なので、求婚も国の再建依頼も全部お断りします。これは、面倒事を華麗に排除して、最高の楽園を築き上げる、元・暗殺者な悪役令嬢の物語。静かで徹底的な「ざまぁ」を添えて、お見せしましょう。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
婚約破棄&追放コンボを決められた悪役令嬢ですが、前世の園芸知識と植物魔法で辺境を開拓したら、領地経営が楽しすぎる!
黒崎隼人
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王太子から婚約破棄と追放を告げられた公爵令嬢イザベラ。
身に覚えのない罪を着せられ、送られた先は「枯れ谷」と呼ばれる痩せ果てた辺境の地だった。
絶望の淵で彼女が思い出したのは、「園芸」を愛した前世の記憶。
その瞬間、あらゆる植物を意のままに操る【植物魔法】が覚醒する。
前世の知識と魔法の融合。
それは、不毛の大地を緑豊かな楽園へと変える奇跡の始まりだった。
堆肥作りから始まり、水脈を発見し、見たこともない作物を育てる。
彼女の起こす奇跡は、生きる希望を失っていた領民たちの心に光を灯し、やがて「枯れ谷の聖女」という噂が国中に広まっていく。
一方、イザベラを追放した王国は、天候不順、食糧難、そして謎の疫病に蝕まれ、崩壊の一途を辿っていた。
偽りの聖女は何の力も発揮せず、無能な王太子はただ狼狽えるばかり。
そんな彼らが最後に希望を託したのは、かつて自分たちが罪を着せて追放した、一人の「悪役令嬢」だった――。
これは、絶望から這い上がり、大切な場所と人々を見つけ、幸せを掴み取る少女の、痛快な逆転譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる