オタク眼鏡が救世主として異世界に召喚され、ケダモノな森の番人に拾われてツガイにされる話。

篠崎笙

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リヒト

異世界の食事事情

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正面からぎゅっと抱かれてるから。
僕の性器に、ゴリゴリとジャンの生殖器を擦り付けられて。

それで、僕のも勃起してしまって。
何故かこれを、気持ち良く感じてしまう。


「あ、……や、ゆび、入っ、」

太い指が、案外容易く入ってしまったのは。
例の分泌液とやらのせいだろうか?


『凄いな。話には聞いていたが。本当に、こうなるのか』
嬉しそうに呟いて。

指を出し入れされると、ぐちゅぐちゅと、いやらしい水音がする。


†‡†‡†


欲情、してるのか?
僕は。

好きでもない相手に抱かれても。
感じたら濡れて。男性器を受け入れ可能になるなんて、女の子みたいな体質にされたのか。
僕の気持ちとは関係なく。

ツガイにされたせいで?
そんなのって。


「はぅ、」
ぐぷりと、中指が根元まで入れられてしまった。

『ぐしょ濡れだな。これなら、すぐにでも抱けそうだ』
「ひぁ、やあっ、」

すぐにでも抱けるとかいう恐ろしい発言にびくっとして。
中の指を締め付けてしまった。

その直後、射精してしまった。

今のは、きっと前立腺のせいだ。刺激されて射精してしまったんだ。
決して感じたわけじゃない。

そう思い込もうとしてたのに。


「やあっ、」
じゅぶじゅぶと、二本に増えた指を抜き差しされて。

に感じてしまっている自分に気付かされた。

指二本だけで、もうすでに男性器を突っ込まれてるような圧迫感なのに。
それじゃ物足りないとすら思えてきている。


嘘だろ。
何もかも、はじめてなのに。

男の指突っ込まれて、それに感じてるなんて。

素っ裸の大男の腕に抱かれて。どこか安心感を覚えているとか。
そんなの、ありえない。


これはきっと、夢に違いない。


†‡†‡†


夢じゃなかった。
悲しいけどこれ現実なのよね。


お尻の穴にを挿入こそされなかったけど。
太ももでジャンの性器を挟んで、そこで擦られた。

いわゆるスマタ、というやつだ。

太ももで挟んだ状態でも、頭がにゅっと飛び出してたくらいだ。
あんなでかいのをお尻に突っ込まれたら、死んじゃう。

ジャンもそう思ったから、僕が大きくなるまで育てる、って言ったんだろう。
残念ながら、もう成長期は終わってるよ!


子供と勘違いされているうちに、何とかこの”ツガイ”って関係を解消することはできないのだろうか。
リセット魔法とかないのかな。

そしたらこっちの言葉がわからなくなるだろうけど。
使命が終わったら、わからなくなっても別に問題はないだろう。

どうせ、元の世界に帰るんだし。


救世主として召喚したんだから。
何かそういう特別なご褒美くらいくれてもいいと思う。

後で王様か補佐の人に聞いてみよう。


†‡†‡†


『おはよう』
頬にキスをされた。

窓から差し込む朝日。
外からは鳥の声。


僕はどうやらジャンに抱きしめられた状態で寝ていたようだ。
ジャンは微笑んでる。

なに、この……恋人同士の朝みたいな雰囲気は。

ツガイにされたけど。
夕べ、いかがわしいことされたけど。

……いやいや、ドキドキしたりしないから!


ざりっとした感触だったな、とジャンの顔を見たら。
もう無精ひげが生えていた。

伸びるの早いな……。

僕もこのくらい男性ホルモン過剰なら、ツガイになんてされなかったかもしれない。
男らしくないから目をつけられたんだろうし。


……なんかお腹すいたな、と思ったら。そういえば、昨日の夕方から、ご飯を食べてなかった。
メイベルのはからいでお茶とお菓子は食べたけど、さすがに足りない。

ジャンはお腹すいてないのかな? 僕が気絶してる間に食べてたりして。
この図体じゃ、ご飯いっぱい食べないともたないだろうし。


『どうした、まだ眠いのか?』
「お腹すいた……」

なら、まだ少し早いが朝ご飯をいただこう、と。
ジャンが裸のままベッドから出た。

動くとベッドが揺れる。
体重何十キロあるんだろう。百キロ超えてたりして。熊ならトンか。


うわ、もぶるんぶるん揺れてるのが後ろからでもわかるよ。
早く服を着てください。


†‡†‡†


ふと見れば、シーツも綺麗だし。
僕の身体もべたべたしていなかった。全裸のままだけど。

疲れて気を失っているうちに、シーツ交換とか、してくれたのかな?

……まあ汚したのはジャンだから、綺麗にするのは当然だ! と思っておく。
感謝なんか、しないからな。


ジャンはクローゼットから服を出して、僕に一式渡してくれた。
使用人が夜遅く持ってきて、クローゼットに入れておいてくれたらしい。

ひざ丈の白いスラックス、腰にはサッシュを巻く。
ひらひらしたシャツ、刺しゅう入りベスト、赤に金ボタン金モールのジャケット。

首には昨日ジャンがつけてたみたいな、ひらひらした布を巻いて。白い靴下、靴は黒の革靴か。
ナポレオンとか、中世の貴族みたい。


こんな派手な服を着ろって? お城をうろうろするなら、いい服を着ないとだめなのか。
貴族って面倒なんだな。

下着は無いんだ……?
え、シャツが下着代わりだって? なんか嫌だなそれ……。


ああ、ボタンやホックは存在するのか。
ジッパーはないけど。

スラックスは両脇で紐を結ぶタイプで。真ん中にはスリットが入ってた。

これ、サイズによってはうっかりスリットからポロリしちゃわない?
僕のはポロリするほどのアレじゃないけどね!


†‡†‡†


ふとジャンを見ると。ヒゲをちゃんと剃って、正装姿だった。
なんか悔しいけど。決まってるなあ。

森の小屋でヒゲモジャ、適当な皮の服だったのは、森を見廻るときにはクマに変身するので、ちゃんとした服を着るのが面倒だったからだそうだ。
しばらくは僕と行動を共にするので、見廻りの仕事はお休みだという。

単に、ジャンが原始的な生活を好んでいただけだったのか。

やっぱり多様なサンプルを見ないと。
この世界の文明・文化レベルは判断できないな。
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