異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第8章 国立学校編

クラスの遠征当日 2

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それから俺達はぞろぞろとダンジョンの中へと入っていく。

もちろん1階層だからたいした魔物が出るわけでもなく、落ち着いてマール先生がダンジョンについての講義を行っている。……俺は前回の時にスコットさん達に教わったから知ってるもんね!

そうやって色々な講義をしているのを眺めていると、ふと気付いたことがある。

王族3人の側に騎士たちがゆっくりと近づいているのだ。

始めは全体を守るために囲うように立っていたのだが、今は生徒の中に混じりながらさり気なく少しずつ近づいている。

講義を受けている皆は全く気づいてなかったようだが、ボ~ッと少し離れたところから眺めていた俺は気づいたんだよね。

俺もさり気なくセイン達に近づくと、俺に気づいたセインが「早く来いよ!」と俺を手招きする。

その拍子にセインも騎士たちのことに気づいたようだ。

「……君達、そんな近くで守ってなくても良いですよ?シエルがいるからね。どちらかというと中心にいる俺達より、外側にいるやつを守ってやってくれないか。」

クロードも騎士たちが意外と近くにいたことに驚いたようだが、そんな事を言って3人を遠ざけようとした。

すると明らかに少し動揺したミラー騎士団長。

他の2人は全く表情を変えずに黙って立っている。

「いえ、我々はあなたたちを守ることが仕事ですので、そこにいるシエル殿は外側で護衛をしてください。」

ハッとしたミラー騎士団長は、俺に向かってそんな事を言ってきた。……俺、このクラスの生徒なんだけど?

俺がなんともいえない表情をしていたことで、俺から目を逸らしたミラー騎士団長。……この人、こんな人だったっけ?

俺が不思議そうに首を傾げた時、ちょうど先生の講義が終わった。

「さあ皆さん、ここから先は実際のダンジョンへと足を踏み入れてみましょう。低階層ならば私たちや護衛の方でも対処は簡単ですので、安心してくださいね。でも1つ約束してください。万が一魔物が出現して恐怖を感じたとしても、慌てふためいて勝手に何処かへ行かないでください。逆にその方が危険なので。良いですね?絶対にどこかへ逃げないでください。もちろん魔物のランクが弱いようであれば君達にも戦ってもらおうかと思っていますが……まず遠征1回目はどんな所なのかを感じてもらう事がメインですので、無理はしないでくださいね。」

そう説明をしたマール先生に続いて、リッキーが手を挙げた。

「はいっ、こっち注目!先ほどのマール先生からの忠告通り、絶対に少数で何処かへと行くんじゃないぞ~?防衛はシエルが結界を張れるから安心して良いぞ!その代わり、お前達は絶対にはぐれるなよ?流石に散らばってしまうと結界を張ろうにも張りづらいからな?」

リッキーが声を張り上げて皆に大事なことを伝える。

流石にここまで言えば、皆も従ってくれるだろう。

「ほら、お前達も我々だけじゃなく皆を守るためにも、ここではなく外側へ移動しなさい。」

改めてクロードが、いつの間にかさらに近づいていた騎士たちに言う。

すると渋々ではあったが、騎士の3人は生徒の集団から離れて外側に出た。

これでしばらくは外側を守ってくれることだろう。



それからしばらく集団でダンジョンを進む。

今のところ出てくる敵は本当に弱い敵だけなので、先生も何人かで一匹を倒す様に指示を出した。


ちなみに俺は王族3人組の護衛兼クラスメイトとして一緒に行動している。

そのせいか、騎士団長からの無言の圧力がすごい……。

騎士団3人組はやたらとセイン達の傍に行きたがるのでマール先生からも度々注意を受け、とうとう最終的に王族3人組とは別行動を強いられている。

確かに騎士団は王族を守るのが仕事の騎士もいるが、今回は俺たちスノーホワイトだけではこの数の生徒を囲みきれないので、協力してもらいたい所だ。

「それにしてもシエルはこうやって冒険者としてダンジョンに来ると顔つきも変わるんだな。」

クロードはまじまじと俺の顔を見て、そんな事を言った。え?そんな違うかな?

俺がそう返答すると、クロードだけではなく他の2人も「確かに引き締まった表情をしてる」と言った。

そうだよね、確かにここは命のやりとりを常にしている場所だから気を抜けない。

……それに、ついこの前とても悲惨な状態の騎士を見ていたのだから、無意識にそうなってしまうのだろう。

俺は軽く息を吐くと、周りを見た。

周りではあちこちで数人で一匹の魔物を相手に戦っているのが見える。

とりあえず危険そうなグループはいなさそうだ。



そうやって徐々にだが、2階層に向けて進んでいく。

そろそろあの角を曲がると2階層への階段が見えるはず。

良かった、この階層はあまり変わってなさそうだ。

俺はそれを確認できてホッとする。

流石に学校行事で使うんだから、極端に変化してしまった階層には連れては行かないだろう。

「さあ、皆!そろそろ次の階層への階段が出てくるはずだから、もう少し頑張れ!」

マール先生はそう言ってみんなを励ます。

どうやら体力のない者が半数ほどいるようで、まだ1階層だというのに疲れ切った顔をしている。

……少し回復しておくかな?

俺はこっそりとクラスメイトの皆に回復魔法を使用する。

さすがに大人はまだまだ元気だろうから、今回は生徒のみだ。

するとあちこちから「あれ、傷がなくなった!」とか「なんか疲れが取れたんだけど?」という声が聞こえる。……よしよし、これで皆まだ戦えるね?

俺はこっそりとニヤリと笑うと、隣にいたクロードが呆れた顔で「もしかして……みんなを回復させた?」と聞いてきた。ん?もちろん回復したよ?

親が不思議そうな顔をしていると、セインが「さすがにこの人数を1度に回復するのは規格外過ぎんだろ?」と苦笑いをする。

ま…まぁ……みんな元気になったし、誰がやったのかなんて知らないんだから、大きな声で言わなければ問題なし!だよね……?
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