異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第8章 国立学校編

クラスの遠征当日 3

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1階層を難なく通ってきた俺たちのクラスは、そのまま休憩もなしに2階層へとやってきた。

俺が2階層に来る直前にみんなに回復魔法を使ったからなのか、みんなは意外と元気に笑顔で歩いている。

「みんな~!疲れてきたらすぐに言うんだぞ~?疲れて動きが鈍くなってしまうと、自分だけじゃなくてグループの仲間にも迷惑がかかるからな。そうなる前に休憩を取っておかないとならない。まぁ君たちはほとんど貴族だから、冒険者になるのなんてリッキーくらい変わり者じゃないとならないから知らなくても問題はないだろう。それでも学校にいる間はこうやって度々遠征に出かけるから、その間だけでもしっかり覚えておけよ?それが元で命を落とす事やグループの仲間に取り返しのつかない身体的問題が発生することもあるのだから。」

マール先生はそう言って、少し遠い目をする。……先生に何かあったのかな?


それから俺達はそのまま集団状態で先へと進む。

魔物が集団で来た場合のみにクラスメイト達にも出番があるが、ほとんどはスコットさん達や騎士3人組だけで対処ができるので進むのがとても早い。

この頃になると皆もダンジョンという特殊空間にも慣れてきたのか、楽しく笑いながら仲間と歩いているようだ。

いや、別にそれが悪いってわけじゃないんだが……本来のダンジョンを知っているからこそ、気を抜くな!と思ってしまう。

そうやって談笑しながら進む皆を見ながら、俺はセイン達とゆっくり歩く。

さすがにローラは普段そんなに歩いていなかったからなのか、他の人達よりも疲れが酷いようだ。

段々と喋る元気もなくなってきたらしい。

「……もう疲れたわぁ……。ちょっと座って休んでもいいかしら?」

我慢の限界が来た彼女は、マール先生には聞こえてはいないけれども、ちゃんと言われた通りに「休憩したい」と伝えた。

なので俺が大きな声でマール先生に伝えると、先生からは「じゃあここで一旦休憩するぞ!」と声がかかる。

俺はこのタイミングで改めて薄っすらと回復魔法を全体にかける。

もちろんローラにはちゃんとした回復魔法をかけたけどね!

それからみんなが座れるように円形の大きな椅子をいくつも作り出し、みんなに座るよう促す。

やはり立ったままでは身体が休まらないからね!

「皆も痛いところがあったら俺のところに来てね!」

俺はバンザイをして両手を振り、みんなに声をかけた。

するとあちこちからクラスメイトが俺の前へとやってくる。

……え、こんなに痛いの我慢していた子がいたの!?


とりあえずみんなには俺の目の前に固まってもらい、俺はみんなの身体を癒すイメージで集団全体に魔法を使う。

みんなはその魔法を見て驚いているようだけど、俺から言わせればこの人数を1人1人癒していくよりは効率も魔力消費も良いのだ。

「……お前、どんだけ規格外なんだ?」

セインは間近で俺の魔法を見たりしているからなのか、呆れた顔でそんな事を言った。

いや、これは別に普通の事なんだけど?……とは思ったが、そんな事を言ったらまた何か言われるのであえて口にはしなかった。

「ところでローラはもう足が痛いのは治ったのか?」

俺はローラに向かってそう言うと、彼女は「ええ、ありがとう」と素直にお礼を言ってくれた。

そう、『あの夜』から、セインとローラの口調や考え方がかなり改善されたのだ。

2人とも、傲慢な考え方や口調が和らぎ、ある程度は謝ったりお礼を言ったりするようになった。

そんな2人の態度の変化にクラスメイトや先生方は驚いたり不思議がっていたが、その理由については皆で内緒を通している。


それからしばらく休憩をした後、また出発することになった。

ちなみに休んでいる間は、魔物が近寄らないようにちょっと広範囲に結界を張っておいたんだよね。

「さて、また出発しましょう。」

マール先生のかけ声に皆は返事をして椅子から立ち上がる。

みんなが立ったので椅子だった場所を元の状態に戻し、俺たちも出発する。

しばらく歩いているとローラが「まぁ、綺麗!」と言って、道端に綺麗な花が咲いているのに気づいて近寄っていく。……ん?あんな所に花なんてあったかな?

俺とセイン達はローラの向かった先へと一緒に歩いていく。

それを見たリッキーが慌てて俺に大きな声をかけた、

「シエル、ローラ嬢が危ないっ!」

「……えっ?」

俺はその声に反応してすぐさまローラに並ぶと、まさに今、まるでシャボン玉の表面みたいな七色に輝く透明な花びらの綺麗な花に触ろうとした手首を掴んだ。

が、ローラはそのまま花に触ってしまい、周りにいたセインとクロードと共に俺達は光りに包まれてしまう。

その光の中で、何かガラスのようなものが割れる音が聞こえたような気がした。

そして俺達はその次の瞬間、一瞬で別な場所へと転移してしまった。


……光が止むと、そこは全く見知らぬ場所だった。

今までいたダンジョン通路とはがらりと変わって、辺り一面森の中。

どうやら一気に数階分上の階へと来てしまったかのようだ。

「……この場所は一体どこだ?」

周りを見渡したクロードが、以前来たことがあると道中話した俺に聞いてくる。

……いや、一回しか来たことないし、よく分からないよ。

とりあえず俺も見渡すが、周りが『森』ということなら……5階層か25階層のどちらかだと思う。

3人にそう伝えると、3人共に驚いたようだ。

「一気にそんなに進んだのか!?あの綺麗な花はそんな効果があったのか……?」

セインはそんな事を言って俺をチラッと見る。

……いや、俺も知らないよ?初めての経験だし。

でもまぁ、こうやってフィールドフロアにいるってことは、ここには休憩所があるってことだ。

とりあえずはそこへと向かうことを決め、俺はこのダンジョンに入ってから初めて索敵魔法を使う。


……こんな事なら最初から使っておけば、色んな事が分かって良かったかもしれないね……。
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