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第8章 国立学校編
街は大混乱?
しおりを挟む「ところでリーシェさん、王族の人達の様子を見てきたんですよね?みんな大丈夫でしたか?」
少しばかり落ち着いたところで、俺はリーシェさんにそう切り出す。
リーシェさんは1つ頷くと、「結果としては大丈夫だったよ」と言った。……結果としては?
「どういうことですか、リーシェさん?」
「ん~……実は私が駆けつけた時、陛下の側にいた護衛騎士の1人が倒れていたんだ。いったい何があったのか陛下に聞くと、どうやら急に護衛騎士の1人が陛下を襲い始めたらしい。何が何だかわからない陛下はもう1人の護衛騎士が戦ってくれている間に身を隠したんだそうな。そうこうしているうちにミラー騎士団長が入ってきて、暴れている護衛騎士を無力化したらしい。すると廊下からなにやら集団が移動する音が聞こえてきたそうで、それを聞いたミラー騎士団長は慌てて部屋を飛び出していったらしいんだ。」
リーシェさんは眉間にしわを寄せながらそんな事を話してくれた。
なるほど、そんな事が……。
なにはともあれ、護衛騎士が2人とも『隷属の魔法』にかかってなくて良かったとしか言えないよね。
結局その後どうしたのか聞いたら、国王を連れて一緒に魔法師団のいる部屋に行ってから、セイン達のいる第2王妃の後宮に避難してもらったらしい。
そこの護衛は国王を守った護衛騎士と魔法師団の中でも腕の立つ魔法師を数名置いてきたそうな。
その後、街へと出た所で火の手が上がっているのを見つけ、それから俺達と同じように火を消したり、騎士団でおかしな行動をしている人がいたら正気に戻したりしていたらしい。
「なるほど……とりあえず騎士団員の方はもう大丈夫ですかね?」
「えぇ、もうそちらは大丈夫なんじゃないですかね。かなりの数を元に戻しましたし。あとはこの街の住民にこれ以上人的被害が出なければ良いんですけど。あれだけの火事があったんですからそれなりの被害はあるとは思いますので、その被害者には後ほど我々魔法師団によってしっかりとケアをさせてもらおうと思っています。」
俺への返答を返したリーシェさんは、「そういえば教会の方はどうでしたか?」と聞いてきた。
俺は教会に着いてからの出来事を話してやると、真剣な顔で顎に手をやり、じっと一点を見つめて考え出した。
「……シエル君、教会には今、誰が残っているのかな?」
リーシェさんは顔を上げると、俺にそう聞いてきた。
俺はそれを聞いて愕然とする。
……うっかりしてた。
誰か残るよう伝えずに慌てて外に出ちゃったから、誰が残っているのかも全く分からないや。
俺はリーシェさんに教会に向かうと告げると、ユーリに触って教会へと転移する。
一瞬で教会の前に転移すると、俺が出てきた時と違ってエミリーさんが作っていた『氷のバリケード』がなかった。……あれ?何で取っ払っちゃったんだろうね?
俺はちょっと不安になりながらも、静かに中へと入る。
中に入って礼拝堂へと戻ってくると、中には結界に包まれた魔物が数人と、魔法陣の上で気絶している神父が1人、そして……神父の傍らに跪いて剣を今にも振り下ろそうとしているミラー騎士団長がいた。
彼はそれまでの神父からの仕打ちによって相当な恨みがあったらしく、まるで鬼のような形相で剣を構えていた。
俺はあまりの出来事に呆然としてしまい、次の瞬間に神父がミラー騎士団長に討伐されるのをそのまま眺めてしまった。
神父が魔法陣の上で空気に溶けるかのように黒い煙となって霧散すると、それまで若干黄金色だった魔法陣が金色の光を放ちだす。
「……しまったっ!魔法陣が起動し始めたのか!?」
俺は慌てて脱力したミラー騎士団長に駆け寄る。
彼は神父に復讐をしたことによって放心状態になっており、そのまま魔法陣の上に座り込んでいるのだ。
俺はミラー騎士団長の腕を取ると素早く距離を取るように転移をする。
すると次の瞬間、魔法陣から出ていた光が徐々に人の形を成していく。
ま…まずいな、確か神父は『女神の復活』を目論んでいたはず。
と、いうことは、今魔法陣の上で光が形作っているあの人型の光は、女神テネブルということなのだろう。
今の段階で再度この世から居なくなってもらえないだろうかと思ってかなり真剣に魔法を放ったが、あの状態は『無敵状態』なのか放った攻撃はすべて跳ね返している。
徐々に魔法陣の光が収まってきた。
このまま女神テネブルの復活を阻止できないのだろうか……?
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