異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第8章 国立学校編

女神、降臨

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「ねぇにぃに、女神が復活しそうなんだけど、何か対策しないの?」

隣にいたユーリが、呆然としている俺の袖を引いてそう言った。……ハッ!ほうけている場合じゃない!

俺は慌てて魔法陣を大きく囲むように結界を張る。

『どう足掻いても女神が出てこられないように』とイメージをして作ったので、少なくても女神には有効だろう。

結界を張ってホッとしたのもつかの間、直ぐに魔法陣の中の人型の光が落ち着いていった。ふぅ……間一髪だったね!


そして……魔法陣の人型の光から出てきたのは、やはり女神テネブルだった。

彼女は顕現するとすぐに辺りを見渡し、自分の配下が俺の作った結界の中にいることに気づき戸惑った表情になる。……あれ?なんか反応が違う?

「……一体、どういう事だ?」

女神テネブルは戸惑った表情のままでそんな事を呟く。

……おや?

その『どういう事だ?』の意味はなんだろう?

『自分の仲間が結界に囚われている』事なのか、それとも『自分がなんでここにいるのか?』という事なのか、どちらなんだろうね?

俺がジ~ッと女神テネブルを見ていたら、やっと彼女も俺たちのことに気がついたようだ。

「……おぬしたち、この状況を説明できるか?」

彼女はようやく説明をしてもらえそうだとホッとした表情をする。

なるほど、この召喚は彼女の意思ではないらしい。

「今、貴女がここにいるのは、あそこで結界の中にいるあなたの配下達があなたを復活させようとクレイン国の王都で『隷属の魔法』を使って暴動を起こしたからですよ。でもまあ、あなたを復活させた『生け贄』はほぼあなたの配下ですがね。」

俺がありのままの事実を言うと、眉間にしわを寄せて「暴動?」と聞き返してくる、

「ええ、『暴動』です。今この王都はあちこちで火事が起こったりしています。でもそれも当初の予定通りではなく、この人物のおかげで放火だけで済んだようですがね。本来は『隷属の魔法』を使って騎士団によってこの街の市民を殲滅し、その魂を『生け贄』とする予定だったそうですよ?今この場にはいませんが、貴女がこの場に召喚される為の『生け贄』となった、この国で神父をしていたあなたの配下がそう言ってましたから間違いはないと思います。」

俺のその言葉に女神テネブルは驚きの表情になり、そして足元にある神父の衣服を見て、それが真実なのだと悟ったようだ。

「……何故そんな事になっているのか全く分からないのだが……おい、そこの!こっちに来て説明をせい!」

戸惑っていた女神テネブルは、結界に囚われている魔物の一人に声をかける。

……仕方がない、そいつだけ結界を解くか。

俺は女神テネブルに指定された魔物の結界を解き、女神の近くに行くよう告げる。

その魔物はすぐさま女神のそばへより、嬉しそうに「復活、おめでとうございます」と伝えた。

「……我は別に復活を望んではいなかったのだが、一体誰がそんな事を思いついたのだ?」

険しい表情をした女神テネブルがその魔物に問うと、その魔物は萎縮した様子で「この場には居なくなってしまいましたが、テネブル様がこの国に派遣して神父をやっていた者です。」と伝える。

……なるほど、奴が首謀者だったんだね。

考えてみれば神父はとてもいろんな事をしてきていた。

でも……その行動って、女神テネブルが創造神に滅される前に指示していたものじゃないの?

「……おぬし、我を疑っておるな?我が奴に命令していた事は『この国を乗っ取れ』という事であって、『我を復活させよ』というものではない。それに我がかの神に滅された事によって我の国は滅んだはずだ。であるならば、今更他国で行っている『領土拡大』と『世界統一』は無意味なことよ。もしかすると他にもそれに気づかずに我を復活させようと行動している者もいるやもしれんが、それは我の望むことではない。我はしっかりと反省をし、気の遠くなるような年月の先にかの神に赦しをもらい、また神へと戻るのだ。」

女神テネブルは俺を真っ直ぐ見つめ、そう言った。

どうやらこの数ヶ月でだいぶ考え方が変わったようだね。

以前ならこんな事が口から出てくることはなかっただろう。

それを聞いたこの場の全ての魔物は、皆一様に頭を垂れた。

どうやら自分たちの努力が迷惑だったと言われたことがショックだったようだ。



その時、礼拝堂の中にユーリの声が響き渡る。

「……女神テネブル。君はまだ赦してもらえるほど時間は経ってはいない。今、この場ですぐに元の場所へ戻るというなら、さらなる懲罰は与えない。さあ、どちらを選ぶ?」

ユーリのその言葉に、彼女はすぐさま「元の場所に戻りたい」と答えた。

それは良いんだけど、どうやって元の場所へと帰るんだろうね……?
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