異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第9章 ネシアのダンジョン編

2人とも、お久しぶり!

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2人の試合が終わったので、ヒューザたちと合流するために選手退場口の方へと歩いていく。

俺もこの大会に出場していたことがあるから、行き方はバッチリだ!

途中で大会のスタッフの人に会ったけど、みんな俺のことを覚えていたらしく「お久しぶりですね!ヒューザさん達はまだここを通ってないですよ」と教えてくれたので、すれ違いにはならないだろう。

退場口まで半分ほど来たところで、ヒューザ達が通路の先から歩いてくるのが見えた。

どうやら向こうもこちらに気づいたらしく、ヒューザは手を挙げて大きな声で「よう、久しぶりだな!」と言った。


「久しぶりだな、ヒューザ、パニア。」

スコットさんは2人と合流すると、再会の挨拶として抱擁しながら肩を叩き、そう言った。

「久しぶりって言うくらいならもっとちょくちょく来いよ、転移使えるシエルがいるだろ?」

「そうだぞ、それが無理なら、たまには連絡くらい寄越せよ!友達だろ?」

パニアさんの言った言葉に賛同するヒューザ。

……まぁ、そうなんだけど、今回の学校通っている間はちょっと厳しかったかな?いろいろあったしね。

「まぁ、そう言うなよ。俺たちもかなり色々あって国を出るわけにいかなかったんだよ。」

スコットさんが苦笑いをすると、2人は興味津々の顔で「何があったんだ?」と聞いてきた。

なので、出口まで歩きながらネシアからここに来るまでの話をかいつまんで話してやる。

「……しっかしお前ら、本当にトラブルに巻き込まれやすいなぁ。もしかして、なんか憑いてんじゃないのか?」

「……それはなんとも言えないな?」

ヒューザにそう言われたスコットさんは、俺の方をチラッと見てそう言った。……え?

「まぁ『憑いている』っていえば似たようなもんじゃないのか?今はあいつもお前にご執心だし?」

リッキーが俺と肩を組んでニヤニヤと笑いながらそう言った。……誰だよ、そいつ?

俺が訝しげにリッキーを見ると、リッキーは俺の腕輪を指差し「ライトニングだよ」といった。なるほど。


それから闘技場を出た俺たちは、ヒューザの行きつけの食堂へと連れて行ってもらった。

もちろん食事だけではなく、お酒も提供する店らしく、俺や悠馬、ユーリのことを気にはしていたが……まぁお酒以外も飲み物あるらしいので気にしないでくれとスコットさんが言って納得させた。


店内に入り、店員さんに人数を伝えると大人数が入れる個室を用意してくれた。

その段階でヒューザは店員さんに「いつものやつとおすすめを頼む」と注文を入れておいたようだ。


部屋に入ってみんなが席に着くと、ヒューザは開口一番「ずっと気になっていたんだけどさ……」と切り出した。

「なんだ?言ってみろよ。」

スコットさんがそう言うと、ヒューザは「じゃあ、遠慮なく」と言って話し出す。

「なぁ……シエルとユーリは兄弟だろ?ならシエルにそっくりの奴は双子の兄弟か?」

「やっぱり気になっていたか!俺もずっと気になっていたんだよ!」

ヒューザがそう言うと、パニアさんもそう言って同意する。……やっぱりみんな考えること同じだね?

「いや、違う。この2人は兄弟じゃなく、『叔父』と『甥』の関係だ。」

「「……はぁ!?」」

スコットさんが正直にそう告げると、ヒューザたちは揃って驚いた。……まぁ、驚くよね?

「嘘だろ?俺達からかってんのかよ!」

「そうだぞ!こんな年も同じような2人が叔父と甥な訳ないだろ!」

2人はスコットさんがからかっておると思って少し怒り気味だったが、スコットさんや周りの皆が真面目な顔で「いや、事実だ」と言うと驚きながらも納得してくれた。

「こんなそっくりになるもんなんだなぁ……。」

「そうだな。ちょっと親の顔見てみたいな。」

2人はしみじみとそう言ったが……親は目の前にいるよ?姿、違うけど。


そんな話をしていると、2人の店員さんが大皿に料理を入れて何品か持ってきてくれた。

店員さんが戻る時に今度は皆の飲み物を注文し、冷めないうちに先に料理を食べる事にした。

「この料理は以前も食べたけど、なんていうか……異国情緒漂う味だよな。」

そう言ってラッキーが食べているのはまるでタイ料理のカオマンガイの様な食べ物だ。

この国はよく米を食べるので、俺達も案外屋台の食事が口に合うのだ。

他にもトムヤムクンの様な酸っぱ辛いのが絶妙な味のスープや、ナシゴレンのようなチャーハンみたいな見た目の料理、その他にも鶏肉を蒸したものや焼いたものなんかの料理もある。

どれもこれもとても美味しかったよ!


美味しい夕食を食べた後、大人はお酒を飲みつつ話している。子供組はフルーツジュースを飲んでるよ!

「そういえばすっかり忘れていたけど、今回来たのは俺たちに会いに来ただけなのか?」

ヒューザがコップに入った炭酸で割られたお酒を飲みながらスコットさんに聞いた。

……そういえばすっかりここに来た目的を話していなかったね?

「そういえばまだ言ってなかったが、ここに来たのはお前達とこの近くのダンジョンに行こうと思ってな。まぁ近いといっても、どちらかというとクレイン国寄りなんだが。パニアは行ったことあるか?」

スコットさんもヒューザとは色の違うお酒を飲みながら、パニアさんに話を振った。

「そうだなぁ……確かに俺のパーティーでダンジョンに入ったことあるが……お前の言ってるダンジョンかどうかは分からないぞ?」

「……ん?この近くにはそんなにダンジョンがあるのか?」

「そうだなぁ……2つかな?1つは古くからあるもので、もう1つはこの10年ほど前に発見されたものだ。」

パニアさんはそう言って教えてくれたが……2つなの?1つじゃなく?

俺がスコットさんの方を見ると、スコットさんはそれに気がつき横に首を振る。そっか、知らないんだね。

「とりあえず今回行こうと思っているのは、その『古い方』のダンジョンだ。」

「なるほど、そっちもかなり前に行ったことあるが、最近は新しい方に俺は入ったことがあるぞ。」

パニアさんはウイスキーのような色のお酒をちびちびと飲みながらそう言った。度数、高いのかな?

「なにはともあれ、とりあえずはパニアが大会終わってからだな。今回の優勝決定戦はお前と誰なんだ?」

スコットさんはそう言うとぐいっと酒を飲んだ。

……飲み過ぎにならないように気をつけてね?


それを聞いたパニアさんはヒューザと目を合わせると一呼吸置いて、スコットさんを見る。

「……弟のクーガーだ。」

えっ……彼なの?

彼は立ち直れたの……?

俺はこの国に来てブレスレットを配りに来た時聞いた話を思い出し、首を傾げる。

そんな俺を見てヒューザが苦笑いをした。

「大丈夫だって。あいつももうラブのことは吹っ切れて……ないまでも、落ち着いてはいる。今大会もかなり持ち直してきてるみたいだし、明日の試合を楽しみにしてろよ。」

ヒューザはそう言ってニカッと笑う。


そうか、少しは立ち直ってるなら良いよね。

この国にラブさんを連れてきて、クーガーの失恋を促した俺としては少し心が痛かったのだ。

そっかぁ……それなら、明日の試合は楽しみにしていても良いってことだよね?

俺はすっかり疲れて寝てしまったユーリに膝枕をしながら、明日のことに思いを馳せるのだった。
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