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第10章 国立学校 (後期)
魔術トーナメント戦 6
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それから俺たちは総合優勝を決めるにあたって、リーシェさんからルールを教えてもらうことになった。
そのルールとは、白線を真ん中にしてそれぞれの陣地で相手に向かって魔法を打ち出すという、単純なものだ。
相手に命中すれば1点とし、その他にも『相殺されれば得点はなし』、『相殺されずに相手の陣地に着弾すれば1点』などというルールがある。
他には『威力が強すぎるものは減点対象』というルールもあり、俺はそちらの方を気にしなければならないようだ。
「さあ、試合をする前にシエルくんにはもう一働きしてもらわなければならないかな。みんなの安全の為にも試合場を囲ってある白線に結界を張ってくれないかい?みんなはその白線の外で試合を観戦するんだよ。いいね、絶対中に入ったりしないこと。それを守れなければ身の安全は保証されないからね?」
リーシェさんの言葉に、俺はさっさと箱型に結界を張る。
これでとりあえずは皆の安全も確保できたことだし、安心して戦える。
「さて、2人とも。準備は良いかい?」
リーシェさんは少し距離を取って対峙する俺たちに、大きな声でそう聞いてきた。
俺達は大きな仕草で肯定を表す。
「じゃあ……試合、始め!」
リーシェさんの声と同時に、互いに無数の魔力弾を打ち出す。
もちろんその魔力弾は属性がある物とない物で構成されているので、相手の魔力弾を壊す用の物はその属性の反対の物を、相手にぶつける用の物は属性のない物……と、いろいろ織り交ぜながら打ち出していく。
その全てを見ながらカウントしていくのは、それぞれの陣地にいるグリーさんとリーシェさんだ。
2人ともかなりの数を数えなければならないので大変だと思う。
「……あいつ、やるな。」
アンドリューは試合をこなしながら、俺に向かってそう呟いた。
本来なら聞こえないほどの声なんだろうが……俺、耳も良いんだよね。聞こえちゃったよ。
だけどこれは間違いなく俺に聞こえてないと思っているだろうから、俺も何の反応もせずに試合に集中する。
その内に、徐々にだがアンドリューの魔力弾の威力が落ちてきたようで、俺の魔力弾と相殺できなくなってきている。
その弾はアンドリューの魔力弾とぶつかると威力を落としながらも床へとぶつかって跡を残す。
床にはそうなるような結界を張り直したのだ。
そうすれば少なくても床にある跡を数えればある程度の点数は分かるからね。
アンドリューの床にはその数が段々と増えていき、それと同時にアンドリューの息も上がってきているようで、遠目からも肩で息をしているのが確認できるようになっていた。
それを確認したリーシェさんは、アンドリューに「もう降参するかい?」と声をかけたが、彼は「いや、まだやれる!」と叫んで答えた。
リーシェさんはそんな彼に「危険だと判断したら即座に終了させるからね?」と言うと、また審判の役に戻る。
それからしばらくすると、とうとう彼は限界が来たらしく、何発か魔力弾を打ち出すと膝から崩れていった。
俺はリーシェさんの「試合終了」の声よりも先に、一気にアンドリューの所へ向かって、倒れていく彼を床にぶつかる前に受け止めた。
アンドリューは相当な魔力切れを起こしているらしく、揺すっても意識が朦朧としているようだ。
俺がすぐに自分の魔力を彼にある程度譲ったところで、リーシェさんがやってきた。
「やっぱり彼は魔力切れを起こしたのかな?」
リーシェさんは苦笑いをしながらも、心配そうに彼を見ている。
「ええ。ですが俺がある程度魔力を譲渡したのでしばらくすれば意識は戻ると思いますよ?」
俺がそう答えると、リーシェさんは「本当に君は魔力量が多いねぇ」と言って驚いていた。
「でも、君が体調崩すようなら別に魔力は譲らなくてもいいんだよ?」
「いえ、俺の魔力はこれしきの事ではそんなに体調に影響及ばさないですよ。回復量も半端ないですからね。」
「……なるほど、回復量も普通じゃないわけだ。……あれ?もしかしてさっきのも、実はあまり魔力量は減ってなかった?」
俺の返答に、リーシェさんはその事に気がついたようだ。
そう……実は俺、あの程度の撃ち合いではそこまで魔力量は減らない。
だって1つ1つの魔力弾の威力を抑えなければならないから、そんなに魔力は必要なかったのだ。
おかげで俺の回復量と消費量がほぼ同じになり、そんなに減らずに済んでしまったのだ。
こんな事ならまだあの魔道具をつけたままでも良かったかもしれないと思ってしまったが、それではあの王子のプライドを傷つけてしまう可能性があるので、これはこれで良かったのかもしれない。
「とりあえずこれでうちの学年の魔術総合優勝者が決まりました。後はマール先生のトーナメントで今度は剣術の総合優勝者を決めることになりますが……言ってはなんですが、なんとなく結果は見えてる気がしますねぇ。」
リーシェさんはそう言うと、チラッと一瞬こちらへ目線を寄越した。
まだ目を覚まさないアンドリュー以外のみんなは何となく苦笑いだ。
そりゃあねぇ……前期のあれを見たらそう思っちゃうよね?
でもまぁ多分、今回と同じように何らかの魔導具で俺の能力を落とすんだろうし、皆も頑張ればチャンスがあるんじゃないかな。……無いか?
そのルールとは、白線を真ん中にしてそれぞれの陣地で相手に向かって魔法を打ち出すという、単純なものだ。
相手に命中すれば1点とし、その他にも『相殺されれば得点はなし』、『相殺されずに相手の陣地に着弾すれば1点』などというルールがある。
他には『威力が強すぎるものは減点対象』というルールもあり、俺はそちらの方を気にしなければならないようだ。
「さあ、試合をする前にシエルくんにはもう一働きしてもらわなければならないかな。みんなの安全の為にも試合場を囲ってある白線に結界を張ってくれないかい?みんなはその白線の外で試合を観戦するんだよ。いいね、絶対中に入ったりしないこと。それを守れなければ身の安全は保証されないからね?」
リーシェさんの言葉に、俺はさっさと箱型に結界を張る。
これでとりあえずは皆の安全も確保できたことだし、安心して戦える。
「さて、2人とも。準備は良いかい?」
リーシェさんは少し距離を取って対峙する俺たちに、大きな声でそう聞いてきた。
俺達は大きな仕草で肯定を表す。
「じゃあ……試合、始め!」
リーシェさんの声と同時に、互いに無数の魔力弾を打ち出す。
もちろんその魔力弾は属性がある物とない物で構成されているので、相手の魔力弾を壊す用の物はその属性の反対の物を、相手にぶつける用の物は属性のない物……と、いろいろ織り交ぜながら打ち出していく。
その全てを見ながらカウントしていくのは、それぞれの陣地にいるグリーさんとリーシェさんだ。
2人ともかなりの数を数えなければならないので大変だと思う。
「……あいつ、やるな。」
アンドリューは試合をこなしながら、俺に向かってそう呟いた。
本来なら聞こえないほどの声なんだろうが……俺、耳も良いんだよね。聞こえちゃったよ。
だけどこれは間違いなく俺に聞こえてないと思っているだろうから、俺も何の反応もせずに試合に集中する。
その内に、徐々にだがアンドリューの魔力弾の威力が落ちてきたようで、俺の魔力弾と相殺できなくなってきている。
その弾はアンドリューの魔力弾とぶつかると威力を落としながらも床へとぶつかって跡を残す。
床にはそうなるような結界を張り直したのだ。
そうすれば少なくても床にある跡を数えればある程度の点数は分かるからね。
アンドリューの床にはその数が段々と増えていき、それと同時にアンドリューの息も上がってきているようで、遠目からも肩で息をしているのが確認できるようになっていた。
それを確認したリーシェさんは、アンドリューに「もう降参するかい?」と声をかけたが、彼は「いや、まだやれる!」と叫んで答えた。
リーシェさんはそんな彼に「危険だと判断したら即座に終了させるからね?」と言うと、また審判の役に戻る。
それからしばらくすると、とうとう彼は限界が来たらしく、何発か魔力弾を打ち出すと膝から崩れていった。
俺はリーシェさんの「試合終了」の声よりも先に、一気にアンドリューの所へ向かって、倒れていく彼を床にぶつかる前に受け止めた。
アンドリューは相当な魔力切れを起こしているらしく、揺すっても意識が朦朧としているようだ。
俺がすぐに自分の魔力を彼にある程度譲ったところで、リーシェさんがやってきた。
「やっぱり彼は魔力切れを起こしたのかな?」
リーシェさんは苦笑いをしながらも、心配そうに彼を見ている。
「ええ。ですが俺がある程度魔力を譲渡したのでしばらくすれば意識は戻ると思いますよ?」
俺がそう答えると、リーシェさんは「本当に君は魔力量が多いねぇ」と言って驚いていた。
「でも、君が体調崩すようなら別に魔力は譲らなくてもいいんだよ?」
「いえ、俺の魔力はこれしきの事ではそんなに体調に影響及ばさないですよ。回復量も半端ないですからね。」
「……なるほど、回復量も普通じゃないわけだ。……あれ?もしかしてさっきのも、実はあまり魔力量は減ってなかった?」
俺の返答に、リーシェさんはその事に気がついたようだ。
そう……実は俺、あの程度の撃ち合いではそこまで魔力量は減らない。
だって1つ1つの魔力弾の威力を抑えなければならないから、そんなに魔力は必要なかったのだ。
おかげで俺の回復量と消費量がほぼ同じになり、そんなに減らずに済んでしまったのだ。
こんな事ならまだあの魔道具をつけたままでも良かったかもしれないと思ってしまったが、それではあの王子のプライドを傷つけてしまう可能性があるので、これはこれで良かったのかもしれない。
「とりあえずこれでうちの学年の魔術総合優勝者が決まりました。後はマール先生のトーナメントで今度は剣術の総合優勝者を決めることになりますが……言ってはなんですが、なんとなく結果は見えてる気がしますねぇ。」
リーシェさんはそう言うと、チラッと一瞬こちらへ目線を寄越した。
まだ目を覚まさないアンドリュー以外のみんなは何となく苦笑いだ。
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