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第10章 国立学校 (後期)
『ブレイズ』のダンジョンへ行こう!
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今日はダンジョンに遠征に行く前日、ちょうど休日にあたる曜日だ。
そういえば明日から丸々一週間ダンジョンに潜るんだが、食事はどうする予定なんだろう?
俺の腕輪の中にもかなり食事が入ってはいるが、さすがに50人近くの食事を1週間分なんて作り置きしてはいない。
……ダンジョンに行ったら食事を作らなきゃならないだろうから、材料くらいはいっぱいあったほうがいいだろう。
一応山田が定期的に日本の食材をたんまりと買い込んで入れてくれているから、野菜や調味料はいっぱい入っているんだけど……現地で肉は調達できるだろうか?
俺はそんな事を考えながら、『ブレイズ』のダンジョンへと転移する。
俺が『ブレイズ』のダンジョン入り口の近くに転移をすると、転移の光に驚いた騎士のような服を着た人達がテントのようなものから何人も出てきた。
そしてこちらへと向かって歩いて来ると、その中の代表者らしき人が訝しそうな顔で「お前は何者だ?どこから来た?」と聞いてくる。
そりゃそうだ、急に外が光ったと思ったら見知らぬ少年が立っていた……なんて、警戒してもおかしくないよね。
「すみません、驚かせてしまって。俺は現在クレイン国王都にある国立学校の1年生で、『スノーホワイト』という冒険者チームの1人のシエルという者です。明日、俺のいるクラスがこのダンジョンに1週間ほどの遠征をするので、少し下見に来ました。」
俺が正直にそう告げると、その代表者さんは明日のことは聞いていたのか、「そういえば明日は国立学校のダンジョン遠征の日だな。」と顎に手を当てて呟いた。
「なるほど、そういえば明日の遠征は転移魔法の使える学生が、学生と引率者を全て運ぶと聞いていたが……もしかして君のことかな?」
「ええ、間違いなく俺のことだと思います。明日はよろしくお願いします。」
代表者さんはそう言って俺のことを見てきたので、俺は正直に頭を下げてそう言った。
「なるほど、それは分かった。でも1人でダンジョンの中に潜るのはちょっと勧められないかな。今からでも誰か連れてきて、出直してはどうだい?」
その代表者さんは俺の周りに誰もいないことを心配していたので、俺は腕輪からユーリとセバスに出てきてもらう。
するとその代表者さんはとても驚き、「今、どこからその人達は出てきたんだ!?」と大きな声を出した。
「あ~……この腕輪、マジックバッグのようになっているんですよ。そこから出てきてもらいました。」
俺が苦笑いしながらそう言うと、やっと分かってくれたのかホッと胸を撫で下ろしたようだ。
「まぁ……1人よりはマシだが、子供2人に大人1人、か。少し心配ではあるが……浅い階層なら問題なかろう。」
その代表者さんはそう言うと、ダンジョンに入る許可をくれた。
……あれ?一応の『入り口チェック』は?
俺が首を傾げて代表者さんを見ていると、代表者さんは「なんだ、入らないのか?」と聞いてくる。
「いや入っても良いんですが、『入り口チェック』はしなくて良いんですか?」
俺の言ったことはもっともだと思ったのか、改めて代表者さんが「じゃあ身分証を出してもらえるか?」と聞いてきた。
俺たちは素直に冒険者カードをそれぞれの保管場所から取り出して渡す。
それを受け取って何気なく見始めた代表者さんは、急に驚いた顔をして俺たちの方を見た。
「驚いたよ、まさか本当にあの『スノーホワイト』のメンバーだったなんてな!今日は他のメンバーはいないのかい?」
「はい、みんなは今日1日しっかり休んで明日に備えるそうです。俺達も中をさらっと見たらすぐに帰ります。」
「そうか。じゃあ気をつけて行ってきなさい。ちゃんと無事に戻ってくるんだぞ。」
代表者さんはそう言うと、ダンジョン入り口に向かう俺たちに手を振ってくれた。
ダンジョンの中に入ると、俺はちょっと2人に聞いてみることにした。
「なぁ、ダンジョンマスターのブレイズは何処にいると思う?」
するとセバスは少し考え込み、ユーリは首を傾げた後に「呼んだらどう?」と言った。
……えっ?どうやって呼ぶの?
俺の不思議そうな顔に、ユーリは「もしかしてまだ理解できてないのか?」と言いたげな顔で俺を見た。
「にぃに、従魔は遠くにいても『念話』で会話ができるんだよ?その腕輪の中にいるとさすがに無理だけどさ。」
呆れた顔でそう言ったユーリに、俺はパチクリと目を瞬かせる。……えっ?そうなの?
「俺……1度もそんな事したことなかったな。」
「そうだよね、にぃには僕達に『念話』で話しかけてきたこと無いよね。そっか、それは『使わなかった』んじゃなくて『使えることを知らなかった』わけか。じゃあこれからはちゃんと使えるね!あ、ちなみにダンジョンの中と外では腕輪の時と同じく、『念話』は使えないからね。」
ユーリはきちんと教えてくれた。
……また分からないことあったらユーリに聞こうかな。
それから俺は頭の中でブレイズの姿を思い浮かべながら話しかけてみる。
すると少しして「お久しぶりです、マスター!」と返事があった。
「おう、久しぶりたな。元気していたか?」
「ええ、とっても元気です!マスターはどうですか?」
「ああ、俺も元気だ。それはそうとダンジョンのことについて話を聞きたいから、お前のいるところへ行きたいんだが……場所はどこだ?」
俺がブレイズにそう聞くと、「最下層ですよ!」と返事があった。
「この前あげた拳大の転移石で一気に来てください。それが一番早いですよ。」
ブレイズのその言葉に、俺は腕輪から転移石を取り出して近くにある転移魔法陣に乗り、行ったこともない最下層を指定する、
すると少しの浮遊感の後、最下層らしき場所へと到着した。
そこは『ロック』のように海岸があって海が広がっている……なんてことはなく、なんてことのない広い空間にテーブルセットがあり、そこにブレイズが腰掛けていた。
「いらっしゃいませ、マスター!元気そうでなによりです!」
「お前も元気そうでよかったよ。」
すると俺のその言葉にとても嬉しそうにするブレイズ。
「そういえば今日は何のようでいらっしゃいました?」
ブレイズはそう言うと俺たちの顔を見渡す。
「実は明日、俺の通っている学校の1学年がこのダンジョンへと遠征に来るんだ。それで下見をしに来たってわけ。このところ、おかしなことや場所はなかったか?」
俺の言葉にしばらく考えていたブレイズだが、「特に変わったことはない」と答えた。
「特に変わったことがないって事だが、別に悪い事だけじゃなく良い事でもいいんだぞ?」
「あっ……それならば、5階層ごとの休憩所ですが、もっとしっかりと使えるように作り直しておきました!」
「おっ、それはちょうどいい!明日からの遠征では休憩所の利用もするらしいから助かるよ。」
俺がそう言うと、ブレイズはちょっと嬉しそうにはにかむ。
「あとは魔物も倒しやすいものから少しずつ強くしていってますので、無理はないと思います。」
「なるほど。……一応聞いておくが、もう変な植物に取り込まれたり、壁の中に閉じ込められて魔力を吸い取られたり……なんてことはないよな?」
「ええ、それは大丈夫です。もうあんな事は起こりませんから安心してください。」
ブレイズはそう言うと胸を張って宣言した。
……よし、それなら明日からの遠征は安心できるね!
俺はようやくホッと胸を撫で下ろす。
それからしばらくみんなでお茶を楽しむと、俺たちはダンジョンを出る。
帰り際に「明日からのダンジョン遠征をよろしくな!」と伝えると、ブレイズから「えぇ、しっかりと見守っていますから安心してください」とお墨付きをもらった。
これで明日からのダンジョン遠征、無事にやりきれそうだね!
そういえば明日から丸々一週間ダンジョンに潜るんだが、食事はどうする予定なんだろう?
俺の腕輪の中にもかなり食事が入ってはいるが、さすがに50人近くの食事を1週間分なんて作り置きしてはいない。
……ダンジョンに行ったら食事を作らなきゃならないだろうから、材料くらいはいっぱいあったほうがいいだろう。
一応山田が定期的に日本の食材をたんまりと買い込んで入れてくれているから、野菜や調味料はいっぱい入っているんだけど……現地で肉は調達できるだろうか?
俺はそんな事を考えながら、『ブレイズ』のダンジョンへと転移する。
俺が『ブレイズ』のダンジョン入り口の近くに転移をすると、転移の光に驚いた騎士のような服を着た人達がテントのようなものから何人も出てきた。
そしてこちらへと向かって歩いて来ると、その中の代表者らしき人が訝しそうな顔で「お前は何者だ?どこから来た?」と聞いてくる。
そりゃそうだ、急に外が光ったと思ったら見知らぬ少年が立っていた……なんて、警戒してもおかしくないよね。
「すみません、驚かせてしまって。俺は現在クレイン国王都にある国立学校の1年生で、『スノーホワイト』という冒険者チームの1人のシエルという者です。明日、俺のいるクラスがこのダンジョンに1週間ほどの遠征をするので、少し下見に来ました。」
俺が正直にそう告げると、その代表者さんは明日のことは聞いていたのか、「そういえば明日は国立学校のダンジョン遠征の日だな。」と顎に手を当てて呟いた。
「なるほど、そういえば明日の遠征は転移魔法の使える学生が、学生と引率者を全て運ぶと聞いていたが……もしかして君のことかな?」
「ええ、間違いなく俺のことだと思います。明日はよろしくお願いします。」
代表者さんはそう言って俺のことを見てきたので、俺は正直に頭を下げてそう言った。
「なるほど、それは分かった。でも1人でダンジョンの中に潜るのはちょっと勧められないかな。今からでも誰か連れてきて、出直してはどうだい?」
その代表者さんは俺の周りに誰もいないことを心配していたので、俺は腕輪からユーリとセバスに出てきてもらう。
するとその代表者さんはとても驚き、「今、どこからその人達は出てきたんだ!?」と大きな声を出した。
「あ~……この腕輪、マジックバッグのようになっているんですよ。そこから出てきてもらいました。」
俺が苦笑いしながらそう言うと、やっと分かってくれたのかホッと胸を撫で下ろしたようだ。
「まぁ……1人よりはマシだが、子供2人に大人1人、か。少し心配ではあるが……浅い階層なら問題なかろう。」
その代表者さんはそう言うと、ダンジョンに入る許可をくれた。
……あれ?一応の『入り口チェック』は?
俺が首を傾げて代表者さんを見ていると、代表者さんは「なんだ、入らないのか?」と聞いてくる。
「いや入っても良いんですが、『入り口チェック』はしなくて良いんですか?」
俺の言ったことはもっともだと思ったのか、改めて代表者さんが「じゃあ身分証を出してもらえるか?」と聞いてきた。
俺たちは素直に冒険者カードをそれぞれの保管場所から取り出して渡す。
それを受け取って何気なく見始めた代表者さんは、急に驚いた顔をして俺たちの方を見た。
「驚いたよ、まさか本当にあの『スノーホワイト』のメンバーだったなんてな!今日は他のメンバーはいないのかい?」
「はい、みんなは今日1日しっかり休んで明日に備えるそうです。俺達も中をさらっと見たらすぐに帰ります。」
「そうか。じゃあ気をつけて行ってきなさい。ちゃんと無事に戻ってくるんだぞ。」
代表者さんはそう言うと、ダンジョン入り口に向かう俺たちに手を振ってくれた。
ダンジョンの中に入ると、俺はちょっと2人に聞いてみることにした。
「なぁ、ダンジョンマスターのブレイズは何処にいると思う?」
するとセバスは少し考え込み、ユーリは首を傾げた後に「呼んだらどう?」と言った。
……えっ?どうやって呼ぶの?
俺の不思議そうな顔に、ユーリは「もしかしてまだ理解できてないのか?」と言いたげな顔で俺を見た。
「にぃに、従魔は遠くにいても『念話』で会話ができるんだよ?その腕輪の中にいるとさすがに無理だけどさ。」
呆れた顔でそう言ったユーリに、俺はパチクリと目を瞬かせる。……えっ?そうなの?
「俺……1度もそんな事したことなかったな。」
「そうだよね、にぃには僕達に『念話』で話しかけてきたこと無いよね。そっか、それは『使わなかった』んじゃなくて『使えることを知らなかった』わけか。じゃあこれからはちゃんと使えるね!あ、ちなみにダンジョンの中と外では腕輪の時と同じく、『念話』は使えないからね。」
ユーリはきちんと教えてくれた。
……また分からないことあったらユーリに聞こうかな。
それから俺は頭の中でブレイズの姿を思い浮かべながら話しかけてみる。
すると少しして「お久しぶりです、マスター!」と返事があった。
「おう、久しぶりたな。元気していたか?」
「ええ、とっても元気です!マスターはどうですか?」
「ああ、俺も元気だ。それはそうとダンジョンのことについて話を聞きたいから、お前のいるところへ行きたいんだが……場所はどこだ?」
俺がブレイズにそう聞くと、「最下層ですよ!」と返事があった。
「この前あげた拳大の転移石で一気に来てください。それが一番早いですよ。」
ブレイズのその言葉に、俺は腕輪から転移石を取り出して近くにある転移魔法陣に乗り、行ったこともない最下層を指定する、
すると少しの浮遊感の後、最下層らしき場所へと到着した。
そこは『ロック』のように海岸があって海が広がっている……なんてことはなく、なんてことのない広い空間にテーブルセットがあり、そこにブレイズが腰掛けていた。
「いらっしゃいませ、マスター!元気そうでなによりです!」
「お前も元気そうでよかったよ。」
すると俺のその言葉にとても嬉しそうにするブレイズ。
「そういえば今日は何のようでいらっしゃいました?」
ブレイズはそう言うと俺たちの顔を見渡す。
「実は明日、俺の通っている学校の1学年がこのダンジョンへと遠征に来るんだ。それで下見をしに来たってわけ。このところ、おかしなことや場所はなかったか?」
俺の言葉にしばらく考えていたブレイズだが、「特に変わったことはない」と答えた。
「特に変わったことがないって事だが、別に悪い事だけじゃなく良い事でもいいんだぞ?」
「あっ……それならば、5階層ごとの休憩所ですが、もっとしっかりと使えるように作り直しておきました!」
「おっ、それはちょうどいい!明日からの遠征では休憩所の利用もするらしいから助かるよ。」
俺がそう言うと、ブレイズはちょっと嬉しそうにはにかむ。
「あとは魔物も倒しやすいものから少しずつ強くしていってますので、無理はないと思います。」
「なるほど。……一応聞いておくが、もう変な植物に取り込まれたり、壁の中に閉じ込められて魔力を吸い取られたり……なんてことはないよな?」
「ええ、それは大丈夫です。もうあんな事は起こりませんから安心してください。」
ブレイズはそう言うと胸を張って宣言した。
……よし、それなら明日からの遠征は安心できるね!
俺はようやくホッと胸を撫で下ろす。
それからしばらくみんなでお茶を楽しむと、俺たちはダンジョンを出る。
帰り際に「明日からのダンジョン遠征をよろしくな!」と伝えると、ブレイズから「えぇ、しっかりと見守っていますから安心してください」とお墨付きをもらった。
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