異世界のんびり漫遊記

カイ

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第10章 国立学校 (後期)

なんだか少し寂しいね?


総当たり戦の闘技大会が終了した翌日、俺は学校へと登校すると教室へ向かう。

途中まではリッキー達と一緒だったから何とも感じなかったが、1人になった途端に何ともいえない感情が心を掠めた。

……なんて言うんだろう。なんとなく寂しい感じ?

よく盛大なお祭りがあった翌日なんかに感じる、あの物悲しい感じがあった。

さすがにあれだけ連日お祭り騒ぎのようなイベントがあったので、すっかり静まり返っている学校が寂しく感じるのかもしれない。


教室に入ると、そこは大会前と同じく皆がワイワイとしているので、俺はなんとなくホッとする。

自分の席に向かう時に、クラスメイトは「昨日の試合は凄かったな!」と声をかけてくれて、自分達1年生が優勝したことをとても喜んでくれた。

席に着いたら着いたで、セインたちがなんだか言い合っていた。……どうしたんだ?

「おはよう、みんな。」

俺は4人にそう声をかけて、クロードの隣にあるいつもの席へと座る。

するとその途端に後ろの席のセインが背中から覆いかぶさってきた。

「なぁ~あ、シエル~。今度行くダンジョンで一緒に行動しようぜ?」

「……ん?みんなで一緒に行動するんじゃないの?」

セインのその言葉に俺が疑問で返すと、隣の席に座っていたクロードが「そうなんだが、少し違うらしい」と答えた。

どういう事かとよくよく聞いてみると、とりあえずまとまって行動はするが、戦闘時やお昼などの時は班行動となるそうだ。

……そんなのいつ先生に言われたっけ?

俺が不思議そうに首を傾げると、まだ発表はされてないがもう決定事項だとリーシェさんが言っていたんだそうだ。

なるほど、王宮経由な訳ね。

俺が納得して頷くと、セインが「で、一緒に行動するだろ?」と確認してくる。

「まぁ……そういう事なら一緒に行動してもいいんだけど、今回は何もない……よな?」

俺のその返事に、渋い顔をするセイン。

隣のクロードが「流石に俺たちと対立している人物は思い浮かばないよ」と苦笑いをした。

……そうだよね、もう跡継ぎ問題も解決したし、問題ないよね!

「じゃあ5人で行動するか。アンドリューとローラも良いんだろ?」

俺が2人にそう聞くと、2人とも了承の返事をくれた。



それからすぐにマール先生とリーシェさんが2人一緒に、教室にやってきた。

2人からの話では、1週間後にローランの街のそばにある『ブレイズ』という名のダンジョンへ約1週間ほどの遠征をするとの事だ。

そこへ行くための方法は、俺の転送魔法を使う。

これは前もって打診されていたので、俺としては別に問題はない。

ただ、今回の遠征にはこの国とネシア国の王族4人がいるので、普段とは違って王国騎士団と魔法師団から精鋭が付き添う。

もちろんあちらの国ではもうすでに『ブレイズ』での王国騎士団の特訓が始まっているそうなので、低階層や中階層辺りでは遠征中に遭遇することもあるだろう。

そういう意味では案外安全な遠征になるんじゃないだろうか。

前回の『ロック』での遠征では日帰りの予定が予定外に1泊することになったこのクラスだが、その時は周りの大人がしっかりと見張りをしていたので普通にダンジョンの通路で泊まったそうだけど、今回は5階層の休憩所を利用して宿泊することも経験させるんだそうで、そこはみんな楽しみにしているらしい。

……確かあの時、俺たち4人は高階層へと飛ばされて休憩所に宿泊したんだっけ。

あれからまだ3ヶ月も経ってないのに、もうすでに懐かしく感じるよ。



とりあえずこれからの授業は、歴史や作法の授業以外はこれから行く予定のダンジョン『ブレイズ』についてしっかりと学ぶそうで、場合によっては一番酷い時に行った俺達『スノーホワイト』のメンバーの話も授業に取り入れるんだそうだ。

……さすがにあの時のような凶悪なダンジョンではもうないはずなので、大丈夫だと思うんだけど……ね?

うん、クラスメイト達と行く前に1度あそこにこっそりと行ってみようかな……。

俺がそんな事を考えていると、隣のクロードが「……無茶はするなよ?」と苦笑いをして言った。

……あ、あれ?

この前からたまにクロードが俺の心を読んでいるかのように話しかけてくるけど、もしかして俺、口に出しているのか?

俺の愕然とした顔を見て、クロードは「その『考えている事が口から出る』癖、自分では自覚ないのか?」と聞いてくる。……やはりそうなのか。

俺は1つため息をつくと、クロードに「まぁ、変なこと言っても気にしないでくれると嬉しいかな」と返答しておいた。



「それにしてもお前が前もって行っておこうとするダンジョンって、どんな所なんだろうな。」

セインがワクワクした顔で俺に聞いてくる。

「そうだなぁ……今は新しいダンジョンマスターになったから変わっていると思うけど、以前はかなり危険な場所だったんだ。」

俺はそう前置きをすると、軽くだがあのダンジョンに入ったばかりの頃の話をする。

かなりの人数で潜り、途中でグリーさんとレッカさんの2人がはぐれた事。

その後のダンジョンでのおかしな現象、たくさんの冒険者の救出、そしてグリーさん達2人の救出。

ダンジョンマスターとの邂逅は少しぼかしつつ話す。

かなり話せない内容も多かったからね。


それを話した時、4人はとてもいろんな表情をした。

でも最終的には何ともいえない表情をしている。

……まぁ話している俺も多分なんともいえない表情をしている事だろう。


俺の話を聞いてダンジョンに行くのに少し不安があるのか、セインは「……しっかりと学んでいかないとだな」なんて言っている。

大丈夫、近いうちに見に行って来るからね!
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