異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第10章 国立学校 (後期)

『ブレイズ』へのダンジョン遠征 8

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俺の神聖魔法のおかげで、あっという間に10階層へと降りる階段の前へと辿り着いた。

10階層への階段を降りていくとやはり霧がかかったように足元が見えなくなり……そして一歩降り立つとさぁ~っと霧が晴れた。

……今、俺の目の前には何故か広い敷地の墓地がある。

前回の時はもうほとんど見えないほど真っ暗な夜だったので、グリーさんの背中からでは何があったのかよく見えてなかったんだよね。

ただ、ここまでの魔物と10階層のフロアボスがアンデッドだったから、それに見合うフィールドフロアなんだろうとは思っていたけど……ある意味『そのまま』だったなぁ。

先に降りてきていたクラスメイトたちは怖がって真ん中へと集まっていて、先生方も少し戸惑い気味だ。

もしかするとこんなフィールドフロアが現れると思ってなかったのかもしれない。

とりあえず俺達は墓地の中の一本道をゾロゾロと歩いて休憩所へと向かう。

空から見ていたグリーさんだけがしっかりとした場所を知っているので、先頭で案内役をしてもらっている。


日もかなり暮れてきた頃、休憩所に到着した。

途中何回もアンデッドが出現したが、俺が改めて『浄化』魔法の球を3こ上空へと浮かべていたので近づきもしない。

たまに近づく奴もいたが、そいつらはもれなく浄化の光で消えてなくなっている。

5階層からついてきている獣人兵士達は俺の能力の高さにかなり驚いていたが、例の3人組はどんどん険しい顔になっていった。

休憩所へと着くとすぐに、俺は前回来た時と同じように休憩所の地面に結界を張り、その上にドーム状の結界を張った。

これで少なくても外からの魔物の侵入は無い。

あっ、あとこれもしておかないとね!

俺は手元に、ここに来るまで使っていた『浄化』の球を持ってくる。

もうだいぶ小さくなっていて、サッカーボールぐらいだったのがソフトボールほどになっている。

それを合わせて1つにすると、結界の天井付近まで飛ばして一気に破裂させる。

これで結界の中の浄化は完了だ。


周りで俺のやることを見ていたクラスメイト達は呆気にとられた顔で俺を見ていた。

……スノーホワイトとリーシェさん、グリーさん以外はの間違いか。

「……今、一体何をしたのだ?」

アンドリューがまだキラキラ光っている周りを見渡しながらそんな事を聞いてきた。

セインも同じように周りを見ながら頷いていた。

「そうね。まるでスノードームの中にいるかのようだわ……。」

ローラはうっとりとした顔で周りを見ている。

「……おおかた、結界の中を浄化したんだろうが……綺麗なのは間違いないな。」

クロードも珍しく口元に笑みを浮かべながらそんな事を言う。

「そうだね、ここに来るまでの階層はアンデッドばかりだったから、一応結界を張った後に残っていた浄化魔法を利用して『綺麗』にしたんだ。これでこの中はもうアンデッドは入ってこれないよ。」

「本当か?下からは?」

「下にも結界張ってあるんだよ。前回来た時は草茫々だったから結界張るとすぐ分かったけど、今回はきちんと整備されているからよく分からないよね。」

俺はセインにそう言ってやる。

そう、あの時はここや5階層の休憩所も地面が見えないほど草茫々だったのだが、とても綺麗に整備されていた。

もちろん新鮮な浄化された水が湧き出ている水飲み場も完備されており、ダンジョンマスターのブレイズが言っていたように相当頑張っているのだろう。


俺がそんな風に説明している間、後ろの方から刺さるような視線を感じている。

……そう、獣人兵士達がいる方向だ。

多分あの時の結界を、誰が張ったのかを理解したのだろう。

その上であの時の俺はすっとぼけていたのだから、多分その事に気づかれているはず。

とりあえず俺はその視線を無視し、みんなと一緒にテントを張る。


テントを張り終わると、俺は夕飯の準備だ。

その時何気ない様子で獣人兵士達のテントを見たが、

1つだけ、いやにこちら側に張っているテントがあったが……違いなくあの3人だと思う。

……ホント、彼らは何をしたいのかな。


とりあえずそのテントに一番近いのは俺たちのテントだから、まだ安心ちゃ安心だけどね。

アンドリュー達のテントは俺達のもう1つのテントを使ってもらっているので、傍目からは分からないだろうけどね。

そんな事を思いながらも、夕飯の準備は着々と進む。

今夜は親子丼にしようかなと思っている。


クラスメイトで手先の器用そうな人とスコットさんに大量の玉ねぎを皮を剥いて5ミリほどの厚みにカットしてもらい、俺は大量の卵を割るのと、昨日ゲットした鳥肉を一口大にカットすることを担当した。

準備ができたら、コンロ担当はリッキーとスコットさん、俺だ。

さすがに日本人じゃなければ、あのとろとろ半熟の親子丼は説明してもなかなか作れないだろう。

その点、俺達なら作ったことがあるから問題ない。

とりあえず1人前ずつ作るのは時間的にもかなり大変なので、大きめのフライパン3つを使用して少しでも回数を減らす方向で作ることになった。

その大きめのフライパンに俺が一人暮らしを始めてからよく使っている『これを使えば間違いなく美味しいつゆ』を1対3の割合で割り、そこにカットした玉ねぎを底が見えなくなるほど入れる。

そして玉ねぎが透明になってきた頃に鳥肉を入れ、あまり硬くならない程度に火を通したら一旦加熱を止め、そこに溶いた卵を回しかける。

それからまた中火で加熱をし、少し揺らしながら底に焦げ付かないよう注意をする。

卵がほんのり白くなってきたら完成だ!

丼に盛っておいたご飯の上に適量のせていき、俺の腕輪に収納していく。

それを全員分作り終わるまで繰り返し、先に終わった人がサラダと味噌汁を作り、それも収納へと一時的にしまう。

一旦皆に席についてもらい、次々とみんなの前に置いていく。

やはり5人で並べていくとかなり早く終わるね!


みんなの前に並べ終わると俺たちも席に座る。

スコットさんの「いただきます」の声で、みんな一斉に食べ始めた。

俺達はスプーンと箸を使うが、皆にはとりあえずスプーンとフォークを出してみたのだが……どうやらそれで正解だったようだ。

「……む?お前の持っているのは箸ではないか?」

俺は隣に座っているアンドリューからそんな事を言われた。

そっか、そういえばネシアではアンドリューたち獣人もカトラリー以外に箸やレンゲのような物も使っていたもんね。普通に使えるか。

「箸使う?」

俺が気を使ってそう言ったが、アンドリューは「いや、こちらのほうが使いやすいかもしれぬ。」と返してきたので、取り出しかけた箸はそのまま腕輪に戻した。

他の獣人達にも聞いたが、箸を要望したのは例の3人組だけで、他の人達はそのままで良いと言っていた。

とりあえず3人には箸を渡したのだが……なんか微妙に嫌がられたような感じがしたのは気のせいだろうか?


とりあえず夕食が終わると、俺は休憩所のテントの近くの一角に、腕輪から取り出した『お風呂』を設置した。

もちろん男女別々のテントに用意してある。

そこにはお湯を湧かせる魔道具を湯船に入れておき、まるで『源泉かけ流し』のようにしておいた。

皆に「お風呂入れるよ!」と声をかけると大歓声が上がり、騎士や魔法師達からは驚きの声が上がった。

そりゃあそうだよね、長期遠征とかで街から離れてしまえばお風呂なんて入れないから日常魔法の清潔魔法で済ませちゃうらしいからね。


今夜はゆっくりとお風呂に浸かってこれからのダンジョン遠征のために疲れを取ってね!
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