異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第10章 国立学校 (後期)

『ブレイズ』へのダンジョン遠征 15

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その後、索敵魔法を使ってすぐに合流すると、皆に宝石の入った宝箱を見せる。

みんなとても驚いていたが、さすがスノーホワイト、全然驚いていなかった。あ、リーシェさんもだね!


話を聞くと、どうやら他のダンジョンでも同じようなことがあり、そこでもリッキーが隠し部屋を見つけて宝箱ゲット!したんだそうな。

ちなみにその時の中身は回復薬が数個入っていたんだってさ。

リーシェさんに言わせると、若いダンジョンや浅い階層ほど中身は期待薄なんだそうだ。

このダンジョンのこのくらいの階層で魔剣が出たとなると、他のもっと深い階層ならもっと良い物が出るのでは?……なんて事を一緒に行動していた騎士や魔法師、獣人兵達は考えていたようだが、こればかりは『時の運』らしく、毎回あるわけじゃないらしい。

それを聞いたみんなは少しがっかりしたようだ。


とりあえず広い階層にはセーフティフロアがあった事も報告すると、今日は多分2階層が限界だろうと目標を決め、17階層のセーフティフロアで今夜は休むことに。

そこまで向かうため、少し足早に歩き出す。


それから結構先に進み、現在17階層手前まで来た。

だが……これまでに戦った魔物の数は3回ほど。

14階層までとは打って変わって、かなりエンカウントする魔物の数が減ったような気がする。

リーシェさんにそう言うと、「それはフロアの広さが広くなったからかもね?」と言われて気がついた。

そうだよね、このダンジョンがかなりの数の魔物がいたせいで忘れちゃっていたけど、『ロック』ではここまで1フロアが狭くないし、エンカウントする魔物も多くなかった。

つまり、魔物の総数は変わらないけど、フロアの広さによって密集度が違うってことか。

また1つ勉強になったなぁ。


「ところでリーシェさん、リーシェさんは冒険者時代にいくつのダンジョンに行きましたか?」

俺はこの世界にいくつのダンジョンがあるのか分からないので、長命種のリーシェさんに聞いてみた。

「そうだなぁ……私はもう1500年程生きているけど、冒険者をしていたのはその内の500年ほどなんだ。それでも世界中を回ってきたから……10個程かなぁ。ダンジョンはどんどん生まれていくし、今はその倍の数になっているかもしれない。」

そんな事を言ったリーシェさんは「そんなに多くないでしょ?」とにっこり笑った。

……リーシェさん、1500歳なんだ。

そっちの方に俺は驚いたよ。

同じく長命種?のアンドリューも驚きすぎて開いた口が塞がらないといった顔だった。

「……先生は一体何者なのだ?普通のエルフでは考えられないのだが。」

アンドリューがようやく回復したかと思うと、そんな事を口にする。

……えっ?普通のエルフじゃない?

俺は目をパチクリさせるとリーシェさんを見る。

リーシェさん当人は苦笑いをするだけだった。

おかしいなぁ……リーシェさんのお父さんのラーシェさんもかなりの長命だったから、エルフはみんな長命なんだと思っていたんだけど……?

俺が不思議そうな顔をして首を傾げたものだから、もどかしそうにアンドリューが「普通のエルフは平均1000年ほどの寿命なのだ」と教えてくれた。

「シエルくん。これは機密事項たから、他の人には内緒だよ?……今聞いていた子たちもね?」

リーシェさんは口に人さし指を当ててそう言うと、ウインクをする。

……なるほど、触れてはいけない内容なんだね?

周りで一緒に歩いていたみんなは頷いて了承を示し、騎士や魔法師はそっぽを向いて聞かなかったふりをしている。

俺もそれ以上は触れないことにして、先ほどの話の続きを聞いた。

「ところで、その冒険者時代のダンジョンってどんな所にありました?俺が知っているのは『ロック』、この『ブレイズ』、あとはネシアのそばにできたっていうダンジョンの3つだけなんですけど。」

「なるほど、ネシアのそばにもダンジョンができたんだね!あの国はそばにダンジョンがなかったから魔物の脅威にはあまりさらされなかったんだけど、これからはそうもいかないってわけか……あぁ、だからこのダンジョンで力をつけたり探索を経験しているってわけだね?しっかりと鍛えて、その経験をそのダンジョンで活かせるといいね。」

俺の言葉にリーシェさんは頷いて同意すると、チラリと後方の獣人兵達を見た。

彼らはいろいろ周りを見渡して警戒をしたりしているが……彼らの中には索敵魔法を使える者はいないのだろうか?

「そうそう、私の冒険者時代の話だったね。私が行ったのは……ヒュサカの方にある2つのダンジョンと、このクレイン国にある2つのダンジョン、そして神聖法国の近くの森にある1つのダンジョン……あとは海を渡ったところにある大陸のダンジョンかな。」

「えっ!?海を渡ると別の大陸があるんですか!?」

リーシェさんのその発言に、俺は驚いて大きな声を出してしまう。

リーシェさんからは「静かにね?」と注意をされながらも「もちろんあるよ」と返答をもらった。

「シエルくんは『魔族』というものを知っているかい?」

リーシェさんのその言葉に、俺は思わず神聖法国の神官たちを思い浮かべてしまった。

彼らは……魔物、なのだろうか?

それともリーシェさんの言う『魔族』なのだろうか?

俺が何も言わず黙っていると、それをどう捉えたのか、リーシェさんは静かに「魔族は『人』の一つの種類だよ。」と言った。

「……それは、彼ら魔族は、どんな姿をしていますか?」

俺は思わずそう聞いてしまった。

あの『神聖法国の神官たち』と全く違う見た目でありますようにと思いながら。

「魔族はね、見た目はほぼ人と同じだよ。違うのは角と羽があることくらいかな。あ、あと魔力が物凄く多く、エルフと同じく長命種で魔法が得意だね。」

リーシェさんの穏やかな顔を見て、俺はホッとした。

ああ、ならば『神聖法国の神官たち』ほ『魔族』じゃないね。

それならば仲良くなれるんじゃないかな?

俺のあからさまにホッとした顔を見て、リーシェさんはクスクスと笑う。

「君は本当に何を考えているのか分かりやすいねぇ。シエルくんはもしかして『神聖法国の神官たち』が『魔族』じゃないかと疑っていたね?その2つは全く違うから安心して欲しい。あの神官たちは『魔物』であって、『魔族』ではないよ。」

リーシェさんのしっかりとしたその言葉に、心底安心した。

だが、それを聞いた周りの人たちは驚いたようだ。

セインなんて「神聖法国の神官たちは魔物だったのか!?」と言っているほとだ。

「おやおや、私もうっかりだったね。これも国家機密だからね?」

リーシェさんはそう言って、またクスクス笑い出す。

そんな話をしている間にいつの間にか17階層のセーフティフロアまで来たらしい。

……この階層、歩く距離が長いだけで、俺たち全く戦ってないんだけど。こんなんでいいのか?
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