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第11章 冬休み編
ベビーダンジョン攻略 1
しおりを挟むダンジョンの中へと入ると、真っ暗だった入り口から薄っすらと光る場所へと変化した。
ても結構薄暗いから、俺はライトニングを召喚する。
「俺を召喚したってことは、また明るく照らせば良いんだな!」
ライトニングは辺りを見渡して、自分の呼ばれた理由を理解したらしい。
俺が「頼めるかい?」と聞くと、「良いぜ!任せとけっ!」と言ってニカッと笑う。
相変わらず軽いが、これでも彼は俺には忠実に仕えてくれている。
ライトニングのおかげで入り口付近はすっかり明るくなり、どんな構造なのかがよく見えるようになった。
俺たちがいる入り口付近には、通常何処のダンジョンにもある転移魔法陣が見当たらなかった。
スコットさん曰く、そこから推測すると多分このダンジョンは出来たばかりだからまだ5階層まで無いんじゃないか?とのことだった。
もしそれが本当なら、かなり浅いダンジョンなのだろう。
「そうだな、かなり浅い階層までしかないんじゃあ、すぐに攻略できてしまうよな。せめて5階層まであれば休憩所があるんだけど、それも期待薄そうだ。」
リッキーがそう言って肩をすくめる。
「それにしてもこのダンジョン、どんな人がダンジョンマスターなのかしらね?低階層しかないんじゃあ、どうやって見つからないようにしているのかしら?」
エミリーさんが首を傾げてそう言った。
そうだよね、『ロック』も『ブレイズ』もかなり階層があるからこそ見つからないでいられたが、ここは5階層までないだろうし、どうやって冒険者から隠れているんだろう?
「まぁ、とりあえず先に進んでみるか。案外低階層までしかなくても、1階層が広ければ探索終了まで時間かかるからな。」
「そっか、そういう可能性もあるのよね!それなら冬休みいっぱいまでいても大丈夫だわ!」
スコットさんの言葉に、リリーさんはそう言って喜ぶ。
確かにそうだ。
パニアさんもここに来たことあるくらいだから、少しは楽しめたのだろう。
それから俺達はライトニングにあちこち照らしてもらいながら先を進む。
ライトニングはかなり太っ腹?で、次々と光の玉を作り出しては天井付近に放置している。
彼の場合、その光の玉は半恒久的に存在し続けるので、このダンジョンを攻略しようとする冒険者にとってはとてもありがたい。
そういえばこのダンジョンはまだできたばかりだからなのか、壁はまるで洞窟のように土壁でできていて、通路と天井はトンネルみたいに丸くできている。
そして、しばらく歩いているが一向に曲がり角に出くわさない。
……この1階層、一体どんな形のフロアなんだろう?
俺は索敵魔法を使っていなかったことを思い出し、早速使ってみた。
するとぼんやりとだが、現在歩いている道と並行して道があるように表示されている。
通常だと現在歩いているところの付近はくっきりと写るので、隣の道はまだすぐには通らない道なのだろう。
ただ、写り込むほど近くを走っている道なのだということは分かった。
「……なぁ、このダンジョン、全く魔物が出てこないな。」
彼も索敵魔法を使っているのだが、その魔法にも出てこないのだそうだ。
確かに俺の魔法にも出てきていない。
「まだできたばかりだっていうから、そこまでダンジョンに力がないのかもしれない。もっとたくさん冒険者が来るようになればたくさんの魔力を吸収できるようになるから、そうなったら変わるんじゃないか?俺たちはできたてほやほやのダンジョンって初めてだからな。」
スコットさんの仮説に、みんな「なるほど!」と納得する。
「でも……敵が出てこない限り、冒険者って戦闘もな
いから魔法なんて使わないじゃない?ここが5階層まであって休憩所が使えるなら、少なくてもそこで魔力を使ってくれるだろうに……。」
俺がつい思っていたことを口に出してしまうと、みんなも納得したようだ、
「じゃあかなり早いが昼休憩にするか?そこでお前は昼食を作ってふんだんに魔力を消費すればいい。そうしたら、もしかすると魔物を創り出してこちらに送り込んでくるんじゃないか?」
リッキーが俺にそう提案してくる。
なるほど……俺たちが大量に魔力を消費すれば、それを利用して魔物を創り出してくる、と。
確かにそれも一理あるな。
それから俺達はしばらく進み、その先が突き当たりで右に曲がるのが見えたのでそこまで向かってみた。
するとその右の道はすぐにまた右に曲がっている。
それを見た時に俺は理解した。
先ほど索敵魔法で薄っすら見えた道は、この折り返しの先なのではないか、と。
……。
まさかこんな感じで直進しては突き当たりで折り返して進む……を繰り返すんじゃなかろうか?
敵も出てこないのであれば、そりゃあ冒険者は寄り付かない。
だからこのダンジョンはこんなにも誰もいないんだね。
外のダンジョンの入り口付近に冒険者がいたという形跡も全く無かったのが不思議だったのだが、これではね。
『ブレイズ』の最初の時と同じで全く冒険者がいないから、てっきりここもそういう感じのダンジョンなのかと少しだけ警戒していたんだけど、その点は大丈夫みたい。
でもこのダンジョンが魔力枯渇に陥っているのは一目瞭然。
人助けならぬ『ダンジョン助け』をすることにした俺たち。
上手くこのダンジョンが起死回生できるように手助けしなくちゃね!
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