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第11章 冬休み編
ベビーダンジョン攻略 3
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「それにしても、どうしてそんなに痩せているんだ?」
リッキーはその子を観察していたのか、不思議そうな顔をして尋ねた。
確かによく見てみると、古代ギリシャ人のような服装をしているその子は、衣服から出ている手足がかなり細くて、何かの拍子にポキっと折れてしまうんじゃないかと不安になるほどだ。
それに彼は裸足なので、足の裏が痛くないのかとても気になったから、僕の靴を1足、そっと手渡してあげた。
彼は最初何を手渡されたのか分からなかったようだが、俺たちをキョロキョロと見回してそれが足に履くものだと理解したようだ。
俺たちを見様見真似でなんとか履くと、「わぁっ!これは足が痛くないっ!ありがとうございます!」と嬉しそうにお礼を言ってくれた。
「……僕はまだ生まれたばかりのダンジョンマスターなんですが、実は上手くダンジョンを運営できていなくて……。一度は皆さん来られるのですが、ほとんどの冒険者さんはもう来なくなってしまうんです。そのせいで得た魔力はほぼ全てダンジョン運営に回し、僕への栄養にまでまわらないんです。だからいつもとてもお腹が減っていて……とても美味しそうな匂いがしてきたので、我慢できなくてつい食べてしまいました。」
このダンジョンのダンジョンマスターはそう言うと、とても申し訳なさそうに頭を下げる。
なるほど……それじゃああんなに『つまみ食い』されても文句は言えないな。
だって俺達はいつでも食べたければ作って食べられるけど、この子はそうはいかないのだ。
冒険者が来て魔力を使わないと、ダンジョンに魔物を出したり、通路を変えたり、ましてや階層を増やすこともできやしない。
その上で、余った魔力がこの子の『食事』になるのだろう。
まぁ彼の話では普通の食事でもお腹は満たされるということだけど、まだ子供だから自分でやれる事はそんなに多くない。
「じゃあさ、俺が直接このダンジョンに魔力供給をしばらくするから、その間に冒険者が来たくなるようなダンジョンを俺たちと考えてみないかい?」
俺はまだ小さいその子を見て、思わずそう声をかけていた。
皆は『仕方がないなぁ』といった顔を浮かべながらも、この子に手を貸すのは当たり前だと思っているようだ。
「このダンジョンを作り直すにあたって、まずやらなければならないのはダンジョンの通路や宝箱部屋、魔物の種類や出現位置、5階層ごとのフィールドフロアの設定や休憩所、ボス部屋の設置だろうな。特に必要なのはダンジョンの通路だぞ?なんだよ、この『一本道で階層を埋めました』的な通路は。十字路や行き止まり、隠し部屋なんかもあると、冒険者は楽しめると思うぞ?」
リッキーは容赦ない批評でその子にアドバイスをする。
でもその子はまだ本当にできたばかりだからなのか、言われたことをしっかりと胸に刻むように真剣な表情で頷いている。
「あなたの話はとても参考になりますっ!なるほど、他のダンジョンにはそのような物があるのですね!僕もあなたたちについて行って他のダンジョンを見学してみたいくらいです!」
その子はそう言って胸の前で小さく両手でガッツポーズを取って頷いている。
「さすがにそれは無理だってさ。他のダンジョンマスターもそう言っていたから間違いないよ。」
「そうなんですね?というか、あなた達は他のダンジョンマスターとも知り合いなんですね!他のダンジョンマスターはどんな方たちなんですか?」
俺の話に、その子は興味津々といった顔で近寄って来た。
なのでまだお昼休憩を兼ねて、ロックやブレイズの事を話して聞かせる。
「……なるほど、その方たちの事を聞いていると、彼らはシエルさんにとても信頼を置いているのが分かります。でも僕も分かるなぁ……あなたには何となくいろいろ頼りたくなるんですよね。」
小さなダンジョンマスターはテヘヘと笑うとはにかんでみせた。
それを見て、俺はどうやって直接ダンジョンに魔力を供給すればいいのか分からないことに気づく。
「そういえば魔力を直接供給するにはどうしたら良い?地面や壁に流せば良いのかな?それとも他のダンジョンでも効果のあった『掛け流しのお風呂』で供給する?」
「『掛け流しのお風呂』ってどんなのですが?」
俺の問いかけに、その子は逆に聞いてきた。
そっか『お風呂』なんて言われても分からないよね。
俺は『百聞は一見にしかず』という事で、実際のお風呂セットを結界の中に出す。
「わぁ…っ!お湯が止めどなく流れ続けてるんだ!」
その子は大きな声でそう言うと、湯船に突っ込んでいた手をパシャパシャと動かした。
「確かにこれもかなり魔力が流れ込んできますね!でも直接地面とかに手をついて魔力を流す方がたくさん取り込めるんですよ。知ってました?」
小さなダンジョンマスターは胸を張ってそう言う。
……まぁ、そうだろうねぇ。
俺は苦笑いをすると早速試してみることに。
手をついた時点で、ダンジョンは俺から譲渡する前にどんどんと俺の魔力を吸い取っていく。
あまりにも急激だったから不安はあったが、俺の魔力を半分ほど吸い取った頃、急に吸うことを停止した。
その後、皆でテーブルの上に大きな紙を広げてダンジョンの『通路』を書き込んでいく。
俺は椅子に座りながら、みんなの生き生きとした顔をふんわりと笑いながら眺めていたのだった。
リッキーはその子を観察していたのか、不思議そうな顔をして尋ねた。
確かによく見てみると、古代ギリシャ人のような服装をしているその子は、衣服から出ている手足がかなり細くて、何かの拍子にポキっと折れてしまうんじゃないかと不安になるほどだ。
それに彼は裸足なので、足の裏が痛くないのかとても気になったから、僕の靴を1足、そっと手渡してあげた。
彼は最初何を手渡されたのか分からなかったようだが、俺たちをキョロキョロと見回してそれが足に履くものだと理解したようだ。
俺たちを見様見真似でなんとか履くと、「わぁっ!これは足が痛くないっ!ありがとうございます!」と嬉しそうにお礼を言ってくれた。
「……僕はまだ生まれたばかりのダンジョンマスターなんですが、実は上手くダンジョンを運営できていなくて……。一度は皆さん来られるのですが、ほとんどの冒険者さんはもう来なくなってしまうんです。そのせいで得た魔力はほぼ全てダンジョン運営に回し、僕への栄養にまでまわらないんです。だからいつもとてもお腹が減っていて……とても美味しそうな匂いがしてきたので、我慢できなくてつい食べてしまいました。」
このダンジョンのダンジョンマスターはそう言うと、とても申し訳なさそうに頭を下げる。
なるほど……それじゃああんなに『つまみ食い』されても文句は言えないな。
だって俺達はいつでも食べたければ作って食べられるけど、この子はそうはいかないのだ。
冒険者が来て魔力を使わないと、ダンジョンに魔物を出したり、通路を変えたり、ましてや階層を増やすこともできやしない。
その上で、余った魔力がこの子の『食事』になるのだろう。
まぁ彼の話では普通の食事でもお腹は満たされるということだけど、まだ子供だから自分でやれる事はそんなに多くない。
「じゃあさ、俺が直接このダンジョンに魔力供給をしばらくするから、その間に冒険者が来たくなるようなダンジョンを俺たちと考えてみないかい?」
俺はまだ小さいその子を見て、思わずそう声をかけていた。
皆は『仕方がないなぁ』といった顔を浮かべながらも、この子に手を貸すのは当たり前だと思っているようだ。
「このダンジョンを作り直すにあたって、まずやらなければならないのはダンジョンの通路や宝箱部屋、魔物の種類や出現位置、5階層ごとのフィールドフロアの設定や休憩所、ボス部屋の設置だろうな。特に必要なのはダンジョンの通路だぞ?なんだよ、この『一本道で階層を埋めました』的な通路は。十字路や行き止まり、隠し部屋なんかもあると、冒険者は楽しめると思うぞ?」
リッキーは容赦ない批評でその子にアドバイスをする。
でもその子はまだ本当にできたばかりだからなのか、言われたことをしっかりと胸に刻むように真剣な表情で頷いている。
「あなたの話はとても参考になりますっ!なるほど、他のダンジョンにはそのような物があるのですね!僕もあなたたちについて行って他のダンジョンを見学してみたいくらいです!」
その子はそう言って胸の前で小さく両手でガッツポーズを取って頷いている。
「さすがにそれは無理だってさ。他のダンジョンマスターもそう言っていたから間違いないよ。」
「そうなんですね?というか、あなた達は他のダンジョンマスターとも知り合いなんですね!他のダンジョンマスターはどんな方たちなんですか?」
俺の話に、その子は興味津々といった顔で近寄って来た。
なのでまだお昼休憩を兼ねて、ロックやブレイズの事を話して聞かせる。
「……なるほど、その方たちの事を聞いていると、彼らはシエルさんにとても信頼を置いているのが分かります。でも僕も分かるなぁ……あなたには何となくいろいろ頼りたくなるんですよね。」
小さなダンジョンマスターはテヘヘと笑うとはにかんでみせた。
それを見て、俺はどうやって直接ダンジョンに魔力を供給すればいいのか分からないことに気づく。
「そういえば魔力を直接供給するにはどうしたら良い?地面や壁に流せば良いのかな?それとも他のダンジョンでも効果のあった『掛け流しのお風呂』で供給する?」
「『掛け流しのお風呂』ってどんなのですが?」
俺の問いかけに、その子は逆に聞いてきた。
そっか『お風呂』なんて言われても分からないよね。
俺は『百聞は一見にしかず』という事で、実際のお風呂セットを結界の中に出す。
「わぁ…っ!お湯が止めどなく流れ続けてるんだ!」
その子は大きな声でそう言うと、湯船に突っ込んでいた手をパシャパシャと動かした。
「確かにこれもかなり魔力が流れ込んできますね!でも直接地面とかに手をついて魔力を流す方がたくさん取り込めるんですよ。知ってました?」
小さなダンジョンマスターは胸を張ってそう言う。
……まぁ、そうだろうねぇ。
俺は苦笑いをすると早速試してみることに。
手をついた時点で、ダンジョンは俺から譲渡する前にどんどんと俺の魔力を吸い取っていく。
あまりにも急激だったから不安はあったが、俺の魔力を半分ほど吸い取った頃、急に吸うことを停止した。
その後、皆でテーブルの上に大きな紙を広げてダンジョンの『通路』を書き込んでいく。
俺は椅子に座りながら、みんなの生き生きとした顔をふんわりと笑いながら眺めていたのだった。
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