異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第11章 冬休み編

ベビーダンジョン攻略 8

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翌日の朝、俺たちはゆっくりと朝食を食べてからこの5階層のフロアボスの部屋へと向かう。

俺たちはユヴェールと一緒にマップを作ったので場所は知っている。

だから全く迷わずに一直線で進み、かなり短時間でボス部屋に到着した。


そのボス部屋はまるで体育館の様な外見で、どんな大きさの魔物をフロアボスにするのか分からないということで、一応体育館の半分ほどの大きさにしておいたのだ。

一応今は俺たちの強さに合わせた魔物を用意しておくと昨日の夜にユヴェールから連絡があったが、今後はこのダンジョンに来る冒険者の力量を見ながらフロアボスの強弱を変えると言っていた。

それにしても『俺たちの強さに合わせた魔物』って……一体どんな魔物にする気だろう?


5階層毎のフィールドフロアには通常と違って爬虫類系を配置すると話し合っていたが、今のところ1度も遭遇していない。

まぁ、この点は他のダンジョンでもそうなのだが、他の階層よりも敷地が広いせいか、通常はあまり魔物に遭遇しない。

だがそんなフィールドフロアでも、『変換期』ともなると全く違った様相を見せて、溢れんばかりの魔物が出現する。

さすがにこんな生まれたばかりのダンジョンでいきなり『変換期』になるなんて事はないとは思うが、『必ず』はないからなぁ……。

皆から言わせると俺って相当な『トラブルメーカー』らしいから、ダンジョンに入る時は特に緊張している。


そんな俺が代表して5階層のフロアボス部屋の扉を開ける。

みんなが俺に続いて入って扉を閉めると、部屋の中央に光が現れた。

そしてだんだんその光が大きくなり、しまいにその光が弾けた。

すると次の瞬間、その光があった場所にはものすごく巨大なコモドオオトカゲの様な爬虫類が出現していた。

……なんか、小さな恐竜みたい……いや、まさに恐竜じゃない!?

俺はその『恐竜モドキ』を見て唖然としていたが、他のメンバーはすぐに武器を取り出して向かっていく。

俺も慌てて武器を取り出す。

「ユーリ達はそこで待っててね!」

俺はそう言うとみんなの元へと走り出した。


それにしてもこのフロアボス、離れていたからよくわからなかったが、近づくとその大きさがよく分かる。

俺より先に向かったスコットさん達がとても小さく見えるほどだ。

「おいシエルっ!何か攻撃力を上げられる魔法はないか!?こいつ、全然刃がたたないんどけど!」

先にフロアボスに切りつけていたリッキーが俺にそう言った。

「リッキー、魔力コーティングはしたのか?」

「あぁ、もちろんだよっ!それでもこいつの皮膚、メッチャクチャ硬いみたいで全く攻撃が効かないんだ!」

「それだけじゃないのよっ!生半可な攻撃魔法も弾くみたい!」

リッキーの返答に被せるようにリリーさんが言う。

俺が着いた時には、皆はフロアボスの尻尾攻撃に翻弄されて近づけなくなっていた。

「おい、気をつけろよシエルっ!あの尻尾、見た感じはツルッとしてそうだが、たぶん表面は棘が無数にあるかもしれない。見ろよ、これ。少し掠っただけだっていうのに、服だけじゃなくてその下の腹まで抉れたんだぜ?まぁ、抉れた次の瞬間にはお前のくれた魔道具が回復してくれたがな。」

フロアボスを警戒しながら、そう言って自らの腹を見せた。

確かにそこには、まるで無数の刃物で擦ったようなひどい状態の衣服があった。

その下の皮膚には全く傷がないところを見ると、リッキーの言うようにすぐに回復したのかもしれない。

「それにしてもこれだけ大きいと、なかなか近づけないな。特にあの尻尾を使って1回転して攻撃を加えてくるのは厄介だ。」

スコットさんはそう言って、俺のそばへとやってきた。

「じゃあ、とりあえずあいつを身動き取れないように結界に閉じ込めるよ。それから少し作戦会議でもしよう!」

俺はそう言うと、すぐにフロアボスを何重もの四角い結界の中に閉じ込める。

フロアボスの恐竜はそれによって、得意な尻尾攻撃も立ち上がって爪で引っ掻こうとする攻撃もできなくなった。

そしてしまいにわずかな隙間があることで、体当たりをし始めている。

たがそれもあまり効果はないようだ。

とにかく、これでしばらくは時間が稼げる。

「ふぅ~……とりあえずこれで少しは作戦会議ができるな。それにしてもやつの皮は一体何なんだろうな。魔法も剣も通じないんじゃ、どうしょうもないじゃないか。」

スコットさんが眉間に皺を寄せてそう言う。

するとセバスがユーリと近づいてきて「口の中を攻撃したら良いのでは?」と言う。

「それは俺も考えたが、あいつなかなか噛みつこうとしに来ないんだよ。だから口の中に攻撃を叩き込むのは至難の業だ。」

リッキーが深い溜息をついてそう言った。

そうなってくると、ますますどういった攻撃がいいのか皆目見当がつかない。

「ねぇ、こういう時はシエルの鑑定で弱点を調べてみたらどうかしら?」

エミリーさんが冷静にそんな事を言う。

あっ、そうだね!

こういう時にこそ、鑑定魔法が役に立つ!

俺は早速フロアボスに向かって鑑定魔法を使った。


『鑑定結果』

この魔物の名前はヴェロムスといい、中型の肉食爬虫類にあたります。

人も食べるので、近くに寄るときはお気をつけください。

また、とても警戒心が強いので、敵が近くに寄ってくると尻尾を振り回して一定の範囲から近寄れないようにしてきますが、今のように結界に閉じ込めている時は安全に近寄れます。

あの状態から結界の中に大量の水魔法を注いで窒息させてはどうでしょうか?

さすがに生き物なので呼吸は必要ですから、効果的かと。

ちなみにこの魔物のドロップ品である表皮は魔法や剣では傷も付かないので、もしでしたらマントや服を作成することをお勧めしますよ!


……。

なんか、だんだん饒舌になってきてないか?

でも今回の提案はとてもありがたい。

そうだよ、火や風、剣などの武器が効かないなら、水で窒息させるという手はとても有効だろう。


それに、考えてみれば俺は1度同じことをしているのだ。

今回も間違いなくその手が通用するはずだ。

とにかくみんなにもこの結果を伝えなくちゃね!
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