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第11章 冬休み編
ただいま!
しおりを挟む俺達が転移石を拾って10階層の転移魔法陣へと歩き出した時、その転移陣の側にユヴェールが現れた。
「皆さん、流石ですね!あのボスは今現在の私の提供できる魔物の中で一番強い魔物だったんですよ?」
ユヴェールはとても嬉しそうな顔で喜んでいる。
それにしてもあの魔物って相当強いんじゃないのか?
日本のゲームで結構聞いたことあるよ、ベヒーモスって。
そんな高レベルの魔獣を出すには相当魔力が必要だったんじゃないのか?
「なぁ、あの魔物を出すのに結構魔力使ったんじゃないか?」
「はい、確かに結構使いましたが、皆さんが倒すのに使った魔力と相殺できましたので、問題はないですよ!」
俺の言葉に、「心配はいらない」とユヴェールは言うが……これからも魔物を作り出さなければならないんだから、少しは魔力の温存を考えなければだぞ?
「それにしても、今回は倒すのに結構ヒヤヒヤしたぞ?シエルがいたから問題はなかったが、俺たちだけでは倒せなかった可能性が高いぞ。」
リッキーは無邪気に喜んでいるユヴェールに向かってそんな事を言う。
確かにスノーホワイトで結界を張れるのは俺とユーリだけだから、俺たちがいなかった場合は今回のような攻め方は無理だっただろう。
「えっ、そうなんですか?皆さんの連携が素晴らしかったので気づかなかったです。」
「そりゃあ俺達は長い付き合いだからな。でも今回や前回のフロアボスを倒す時に結界を張っていただろ?あれができるのはシエルとユーリだけだから。俺達は使えないんだよ。」
リッキーの言葉に、やっと理解したユヴェール。
素直に反省をしているようだ。
「反省ついでに言っておくが、このダンジョンに来る冒険者達は、多分結界なんて張れないぞ?そこの所しっかりと考えないと、せっかく冒険者が来るようになってもフロアボスが強すぎて犠牲者が多数出てしまう。」
「……そうですね、そこは私もよく考えて調整します。」
スコットさんの言葉に、ユヴェールはしょんぼりしてしまった。
とりあえず俺たちがここまで来た間の良かった点、反省点も伝えておく。
もちろんダンジョンマスターとしての大事な事も伝えておいた。
これからユヴェールは1人でこのダンジョンを切り盛りしていかなければならない。
その為にはしっかりと 魔力の配分も考えなければならないのだ。
そして俺は転移する前に、ユヴェールに魔力譲渡をしていくことにした。
もし冒険者があまり来なかったとしたら、この前来たばかりのように魔力が足らずに飢え死にする寸前まで我慢してしまいそうだからね。
俺が直接ユヴェールに魔力譲渡をすると、ユヴェールはとても幸せそうな顔で「ありがとうございます。大切に使わせてもらいます」と言った。
「じゃあ、そろそろダンジョンから帰るか。」
スコットさんがそう言うと、皆も頷く。
そして皆でユヴェールにまた来ることを約束すると、転移陣で1階層へと向かった。
そしてそのままダンジョンの外へと出る。
「何か、今回のダンジョン探索は『探索』というより『創作』って感じだったな。」
リッキーが笑いながらそんな事を言う。
そして皆も、貴重な体験ができたと言って笑った。
そうだよね、こんな経験はなかなかすることはできない。
通常ならダンジョンマスターは冒険者の前に現れることはない。
何故なら、万が一ダンジョンマスターだとぱれて殺されてしまったら、ダンジョンそのものが死滅してそのまま異空間に閉じ込められてしまうからだ。
そして、何故かダンジョンマスターを狙う冒険者も多い。ホント、何故だろうね?
それから俺達はとりあえずネシアへと向かった。
あのダンジョンの名前の話をする為だ。
ネシアの門前に転移すると、いつもの門番さんが笑顔で迎えてくれた。
門番さんの1人はこの前と同じように、俺たちが来たと思ったらすぐに中へと入っていった。
多分、また友人の誰かを連れて来るのかもしれない。
「ようやく帰ってきたようだな。どうだった、この近くのダンジョンは?」
残った1人がそんな事を聞いてくる。
俺たちがユヴェールのダンジョンへと探索に行ったのは知っているから、どうだったのかが気になっているのだろう。
「そうだなぁ……なかなか楽しかったぜ?なぁ、皆?」
リッキーがニヤリと笑って、俺たちを振り返る。
そうだね、新しく友達もできたし、皆でワイワイとダンジョン創作をしたのも楽しかったね!
俺達がみんな揃って笑顔なのを見て、門番さんは羨ましそうな顔で「俺もこの仕事が無いなら行ってみたいぜ!」と言った。
「そういえば門番さん達はいつも同じ人ですけど、交代で休んだりしないんですか?」
俺はいつも疑問に思っていた事を聞いてみると、「もちろん交代で休むぞ?」と目をパチクリとされた。
そりゃそうか。いつも同じ人だからか、休み無しで門番をしているのかと思っちゃったよ。
「じゃあその休みで行けば良いじゃないですか?」
「そう思うだろ?1日おきの休みだから行けないんだよ。」
その門番さんはそう言うと、苦笑いをする。
するとちょうど門の中からもう1人の門番さんとパニアさんが出てきた。
「よう!ダンジョンに行ってきたんだな?どうだった?」
パニアさんはそう言って俺達の所へと歩いてくる。
「それに関しては詳しく話したいことがあるので、ネシアの何処かで話しませんか?」
俺がパニアさんにそう言うと、パニアさんは「じゃあ俺について来いよ」と言って、また門の中へと戻って行った。
俺達もすぐに入国手続きをして、パニアさんについて行く。
あ、もうお昼頃だし、ついでに中で何か食べたいな!
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