異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
43 / 529
第1章 出会い〜旅の始まり

ゴーダさんのご先祖様って?

しおりを挟む

それからしばらくしてゴーダさんが2つの長細い箱と長い大きな箱を持って帰ってきた。

そしてその長細い箱の1つを俺に、

もう1つをリッキーさんに、長く大きな箱をスコットさんに手渡す。

「3人とも、箱を開けてみろや。」

俺は箱を落とさないように、慎重に蓋を開けてみた。

すると俺の箱の中からは、まるで日本刀のような軽い反りと刃文がある片刃の剣が出てきた。

リッキーさんは自分の箱を開けずに俺の刀を見てゴーダさんに聞いた。

「……これは?おっちゃん、俺はこれ、見たことないぞ?」

「そりゃあそうさ。リキ坊の剣筋はこの剣には合わないからな。」

「じゃあシエルには合うっていうのか?」

「ああ、さっき少し見ただけだが、多分合うだろうな。おい、坊主、ちょっとその剣を振ってみろや!」

俺はいう通りにその剣を持ち、先程と同じく袈裟斬りをその場でしてみた。

「やっぱりな、坊主の場合はそれがぴったりだ!お前にはそれをやるよ。その代わりと言っちゃあなんだが、たまには顔出してその剣の手入れをさせてくれな?……大事にしてくれよ?」

「はいっ、大事にします!」

俺がニコニコ顔でそう答えると、ゴーダさんは満足そうに頷いた。

「それにしてもおっちゃんがそんな刀も打ったことがあるなんてなぁ。知らなかったぜ。」

リッキーさんがゴーダさんに聞く。

するとゴーダさんは神妙な顔をして首を横に振り、話し出した。

「これは俺が打ったんじゃねぇんだ。これはな、俺の遠い先祖が打った剣なんだ。それを代々技術を受け継いだ者が引き継いでいる品なんだ。」

ゴーダさんがそんな事を言ったものだから、俺は大慌てだ!

「えっ!?そんな大事なものなら、これは貰えないですよ!」

「いや、この話には続きがあってな……『いつかこの刀を自然と振れる者が現れるだろうから、その時にはその者に譲ってやってくれ』と、その異世界から来たご先祖さんが言っていたんだとさ。」

それを聞いて俺達はとても驚いた。

そりゃそうだよ、ゴーダさんのご先祖様が異世界人だったなんて!

それにまるで予言みたいな事を残したっていうのにも驚きだ。

「まぁ……そんなことだからよぉ、遠慮なく貰ってくれや!」

ゴーダさんはとてもいい笑顔をしている。

俺は遠慮するほうが失礼になると思い、有り難くいただくことにした。

「良いなぉ、シエル~。俺もそんな刀欲しいなぁ~。」

珍しくリッキーさんが羨ましそうな顔をしている。

そんなリッキーさんを見てゴーダさんが苦笑いした。

「そんなにあの剣が欲しかったのか?」

「ああ!すっごい欲しいっ!」

「……じゃあ、俺でよければお前にあの剣を打ってやるよ。それで良いか?」

「マジでっ!?やったぁ~!!」

「その代わり、さっき渡した剣は返してもらうから、剣ができるまで2日ほどかかるがその間はシエルが今まで使っていた剣で我慢しろや?」

「了~解!楽しみに待っているよ!」

それを聞いてリッキーさんは飛び跳ねて大喜びしだした。

良かったね、リッキーさん!

お揃いの刀を持てると良いね!


それからスコットさんの剣の試し斬りがあったが問題などなく、そちらはスムーズに済んだ。

ゴーダさんがスコットさんの為だけに打った剣だもの、素晴らしい切れ味だったよ!


それから俺たちはまた店に戻り、やっと本題の鍋やらを見せてもらえることになった。

「ところで……鍋やおたま、包丁がいるってことだったが、坊主はどんな物を必要としているんだ?」

「えっとですね……鍋はいくつか欲しいんですが、このくらいの鍋ともう少し小さい鍋、あと片手鍋も大きさ違いで2つ欲しいです。できればみんな蓋付きで。あとこれはあるかわかりませんが、刻んだ野菜とかを一時的に入れておく網目状の器ってあります?あと、おたまは…わかります…よね?」

俺は業務用の寸胴鍋ぐらいの特大鍋を1つ、そして両手の取っ手がついている家庭用では結構大きめの鍋を1つ、そして片手鍋も2つ注文した。

「刻んだ野菜とか入れる器ってぇのはボウルかザルかどっちかのことだろう?それとおたまってぇのはこれだろ?」

ゴーダさんが店の棚から大きめのボウルとザルをそれぞれ2つとそれよりは小さいボウルとザルを2つ、それとおたまを1つ見本に持ってきてくれた。

「そう、おたまはこれです!これを3つ欲しいです。」

「……なるほどなぁ、坊主……異世界人だろ?」

ゴーダさんにそう言われて俺はビクッとしてしまった。

「……何故、そう思いました?」

「そりゃあこれを『おたま』なんて呼ぶの、異世界人のご先祖様だけだぞ。料理人も一般人も普通はこれを『スープレードル』って呼ぶからなぁ。」

マジかぁ……失敗したぁ。

俺が顔を手で覆って反省していると誰かが頭をぽんぽんと撫でてきた。

顔を上げるとリッキーさんの苦笑いが見えた。

「大丈夫だよ、シエル。おっちゃんは優しくて、とても口の硬い人だ。それに気づいていたか?おっちゃんがご先祖様のことを全く隠さずに俺らに話すのを。」

それを聞いて俺はハッとした。

そうだよ、ゴーダさん、ご先祖様が異世界人なのを全く俺達に隠してない!

それって、俺たちのことを信用して話してくれていたんだ!

俺はそれに気づき、ゴーダさんを見る。

ゴーダさんはニコニコ笑顔で頷いた。

それからゴーダさんは俺の注文通りの鍋を店の奥から出してきてくれた。

残りは包丁なんだけど……。

「包丁はどんなのが良いんですかねぇ…色々なものを切ることになると思うんですが、やっぱり切るものによって替えたほうがいいですか?」

するとゴーダさんも腕を組んで悩みだした。

「そうさなぁ……俺自身は料理を作らんからよくわからんが、料理人によっては替えるやつもいるな。だがご先祖様は『三徳包丁』なる物を作っていたぞ?知っているか?」

「えっ、三徳包丁ですか!?」

ゴーダさんはカウンターの近くにある鍵付きの引き出しから1つの箱を出してきた。

その箱を開けると、中には確かに『三徳包丁』が入っていた。

「これは確かに『三徳包丁』ですね!これなら肉も魚も野菜も全部切れますね!」

「おう、これを気に入ってくれたか!ご先祖様と同じだからなんとなく気に入ると思ったんだよ!」

これまたゴーダさんはとても嬉しそうにしている。

ゴーダさんにとってご先祖様は大切で大好きな人なんだろうなぁ。

するとゴーダさんが何か思いついたようで、ぽんっと手を打ち合わせた。

「そうだ、もしかしてこれも坊主なら料理に必要じゃないか?」

そう言って包丁の隣の引き出しから何かの箱を取り出した。

俺はその箱を開けて驚いた。

「あ、ピーラーだっ!」

そう、まさかの異世界で皮むき器のピーラーがあるとは思わなかったよ、しかもじゃがいもの芽を取る部分付きで。

それを見て『ナイスタイミングだっ!』と心の中で叫びつつ、ピーラーも購入することにした。

とりあえず欲しいものは全部揃ったのでここで会計をお願いした。

するとリッキーさんが「俺たちの分もこれからは作ってもらうんだろうから、代金は俺たちが出すよ。」とにこやかに言ったので、チーム内の俺の料理当番は決定したようだ。

もちろん、リッキーさんには手伝ってもらわなきゃね!

俺たちはゴーダさんにお礼を言って店を出る。

さあ、宿に帰ったら早速カレーを作らなきゃ!!
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...